大森氏の脚本とディーンの演技によって、新たな魅力が多くの人たちに知られることとなった五代。『青天を衝け』のディーンの演技を見た感想を尋ねると、大森氏は「少し大人になったクールな五代さんの姿が見られました。もっと見たかったなという思いもありますが、こういう五代さんの姿が見たかったんだなとも感じ、『ディーンさんありがとう!』と思いました」とディーンに感謝した。

『あさが来た』『青天を衝け』の2作で明治に活躍した実業家が主人公の物語を描き、明治の実業家の魅力をどのように感じているのだろうか。

「今はこういうことをしたら危ないかな、叩かれるかなと思ってしまう風潮がある気がしますが、当時の人のようにそういうことをほとんど気にせず突っ走って、自分で何かを作り上げようと思う力が強かった人の話はパワーがあるなと。そこは惹かれるところがあります。政治家もそうだと思いますが、そういった明治の面白さは書いていて楽しいです」と語った。

五代について「もっと描きたかった」「もっと見たかった」という願望がにじみ出ていた大森氏。五代を主役にドラマを描いてみたいという思いは? という問いに「思います」と答え、「薩摩から長崎に行き、薩英戦争では英国の捕虜になったり、不思議な面がいろいろ書けるのでとても面白いと思います。ただこの時代は小栗忠順さんを始め、魅力的な方がまだまだ沢山いるので、困ってしまいます」と笑顔で意欲を語った。

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