住宅ローンを利用して念願のマイホームを購入!頭金を多く準備し、繰り上げ返済をして早くに完済した人もいれば、頭金なしの長期ローンを組んだため、なかなか残高が減らないという人もいるのではないでしょうか。そろそろ定年が近くなる50代は、ローンの残高が気になるところです。そこで今回は住宅ローンを組んでマイホームを購入した50代のマイナビニュース会員502名を対象に、住宅ローン返済の予定や不安について聞いてみました。

Q.住宅購入の際、住宅ローンは組みましたか?

・「はい」……66.3%
・「いいえ」……33.7%

住宅購入の際、住宅ローンを利用したか尋ねたところ、66.3%が「はい」と回答。持ち家のある50代の約7割は、住宅ローンを組んでマイホームを購入していることがわかりました。

Q.現時点での住宅ローンの残高はいくらですか?

1位 返済済み……47.1%
2位 500万円以上~1,000万円未満……15.9%
3位 500万円未満……10.5%%
4位 1,000万円以上~1,500万円未満……8.4%
5位 1,500万円以上~2,000万円未満……7.2%
6位 2,000万円以上~2,500万円未満……3.9%
7位 わからない・答えたくない……3.3%
8位 2,500万円以上~3,000万円未満……1.8%
9位 6,000万円以上~6,500万円未満……0.3%
9位 7,000万円以上……0.3%

現時点(2021年12月)で残っている住宅ローンの額を聞くと、47.1%が「返済済み」と回答しました。半数はすでにローンを完済しているようです。2位は「500万円以上~1,000万円未満」、3位は「500万円未満」でした。7割は返済済みもしくは、ローン残額1,000万円未満と、収入が減っても無理なくローンを支払うことができる額となっています。

  • 毎月の返済額はいくらですか?

毎月の返済額はいくらですか?

1位 5万円以上~10万円未満……59.1%
2位 5万円未満……19.3%
3位 10万円以上~15万円未満……17.0%
4位 15万円以上~20万円未満……2.8%
5位 20万円以上~25万円未満……1.1%
6位 25万円以上~30万円未満……0.6%

住宅ローンの返済が残っている人に、毎月の返済額を聞いてみました。圧倒的に多かったのは「5万円以上~10万円未満」(59.1%)で、2位の「5万円未満」(19.3%)に50ポイント近くの差をつけています。1位と2位を合わせた約8割が「10万円未満」と回答しており、多くの人がイメージするであろう「家賃並み」の金額を毎月返済していることがわかりました。

これからどのように住宅ローンを返済していく予定ですか?

1位 働き続けて返す……75.0%
2位 退職金を返済にあてる……15.3%
3位 老後資金を切り崩す……5.7%
4位 その他……3.4%
5位 年金を切り崩す……0.6%

ローン返済が残っている人は、今後、どのように返済をしていく予定なのでしょうか。75%が回答したのは「働き続けて返す」でした。退職金をローン返済に充てる人も多いかと思われましたが、そのように答えたのは15.3%と少なく、「老後資金を切り崩す」に至っては5.7%とわずかです。多くは退職金や老後資金には手を付けず、働いて返そうと考えているようです。

今後の住宅ローン返済に際して、どのような不安がありますか?

アンケートでは、半数がこれからも住宅ローンの返済があると回答。50代ともなると、住宅ローンを組んだ当初の時と比べ、収入や家族構成など自身を取り巻く状況も大きく変わっていることでしょう。今後の返済について感じる不安について聞いてみました。

老後資金が不安

「退職金で残高を賄えるか不安」(男性/54歳/メカトロ関連技術職/会社員・公務員・団体職員)
「退職金が出なかった時のこと」(男性/53歳/事務・企画・経営関連/会社員・公務員・団体職員)
「退職金で全額返済するので、老後が心配」(男性/54歳/事務・企画・経営関連/会社員・公務員・団体職員)
「ローンで残ったお金で老後が大丈夫か(男性/54歳/メカトロ関連技術職/会社員・公務員・団体職員)
「定年退職後の年収がわからないので、返済が負担にならないか不安になる」(男性/51歳/技能工・運輸・設備関連/会社員・公務員・団体職員)

特に目立った回答は「老後が心配」でした。中には退職金でローンの一括返済を予定している人もいますが、景気がよかった頃と比べて退職金の支給額は減少傾向にあるようですね。果たして一括返済できるだけの額が支給されるのか、残った場合でもそれで老後生活をささえることができるのか不安に思う人が多いようです。

病気にならないかなど、身体が心配

「健康で働き続けられるか、突然大病に襲われないか不安になる時がある」(女性/51歳/専門サービス関連/会社員・公務員・団体職員)
「身体壊した時の返済継続」(男性/50歳/専門サービス関連/個人事業主・会社役員)
「働けなくなった場合が不安」(男性/53歳/営業関連/会社員・公務員・団体職員)

次いで多かったのが、自身の健康に対する不安です。ローンを組んだ若い頃は健康だったので、60歳になっても元気で働けるとビジョンを描いていたのかもしれませんが、50代も半ばを過ぎると身体のあちこちに不調が出てくることもあるでしょう。病気になったら、ローンが払えなくなるばかりか、通院費や入院費などの心配も……。

収入が減ったら……解雇されたら……

「経済状況によっては、収入が減り、返済できなくなるのではという不安がある」(男性/58歳/専門職関連/会社員・公務員・団体職員)
「働きながら返済できるかが不安です。特に今は対策は講じてません。なのでさらに不安です」(男性/53歳/営業関連/会社員・公務員・団体職員)
「60歳過ぎたときの給料の激減」(男性/58歳/販売・サービス関連/会社員・公務員・団体職員)
「長年の生産減少のあおりで会社の業績が悪く人員削減の話しが噂されていて真っ先に管理職世代のリストラが始まる不安があり安定した雇用が保証されていないから」(男性/54歳/技能工・運輸・設備関連/会社員・公務員・団体職員)

定年前は、役職定年でガクッと収入が減るケースも。その時点で子どもが独立していればいいのですが、もしも進学や家の改修などが重なったら、家計は火の車になりそうです。バブル世代は、リストラが急激に進む世代とも言われているため、もし自身がその対象となったら……と不安を感じている人も少なくありません。

金利の心配

「金融資産の暴落が発生した場合に返済に支障が出るのではないかと心配しています」(男性/52歳/技能工・運輸・設備関連/会社員・公務員・団体職員)
「変動金利にしているが、今後も今の低金利のままか心配」(男性/50歳/メカトロ関連技術職/会社員・公務員・団体職員)

金利の低さが魅力で変動金利を選び、長い間、低い金利の恩恵を受けていた人の中には、今後の金利の変動を心配する声も少なくありません。住宅ローンというと、金額が大きいだけに、わずか1%金利が変動しただけでもその差はかなりのものに。

その他

「宅内の老朽化がますます進んでいくのに対応できる気がしない」(女性/57歳/その他・専業主婦等/専業主婦)
「お金がないので、売るしかないが、どうやったら高く安全確実に売れるのか」(女性/50歳/その他・専業主婦等/会社員・公務員・団体職員)
「完済が先か死んでチャラになるのが先か」(男性/56歳/技能工・運輸・設備関連/会社員・公務員・団体職員)

住宅を購入して20年も経つと、ガス給湯器やビルトインコンロなどに不調が出てくることも多いですね。一戸建ての場合、外壁塗装や屋根の葺き替え工事などが必要になる場合も……。こうした改修や建て替えの費用を心配する人や、ローン完済のために売却を考えている人もいました。ローン債務者が死亡したり重大な障害を負った場合に適用される「団信」がふと頭をよぎるという人も。

まとめ

ローン返済についての不安は、大きく分けて「もしも病気になったら」「収入が下がって支払いできなくなったら」「老後資金が心配」の3つでした。ローンを組む前は、多少の不安があっても「働き続けて返そう!」「健康には自信がある」という気持ちが勝り、自分が定年を迎える時のことなど、まず想像できないもの。50代になり、定年がすぐそこに迫ってきて、漠然とした不安がリアルに実感できるようになった人が多いのではないでしょうか。

今回のアンケートでは、すでにローンを完済している人が半数。残りの半数はローン完済まで道半ばの人です。50代というと、自身の健康不安のほか、親の介護問題なども露呈しはじめる時期。決して遠くはない定年を前に、リスクを回避するため、ローン返済について専門家に相談してみてもいいかもしれませんね。

調査時期:12月2日
調査対象:50代までのマイナビニュース会員
調査数:502名
調査方法:インターネットログイン式アンケート