「推奨(すいしょう)」は「物事や人物の優れている部分をあげて人にすすめる」という意味の言葉です。日常会話やビジネスシーンでも使う機会が多い言葉なので、正しい意味や用法を確認しておきましょう。
本記事では、推奨の意味や例文、英語表現などを紹介します。また、推奨の類語や対義語もくわしく解説していきます。
推奨とはどういう意味?
「推奨(すいしょう)」とは「人物や物事などの優れている部分をあげて人にすすめること」を意味する言葉です。「推」には「おしすすめる」という意味があり、「奨」にも「いいと認めてすすめる」という意味があります。
なお推奨は「他人にやんわりとすすめる」という意味あいで、強制力はともないません。
推奨と強制の違いって?
先述したように、推奨はあくまで「人にすすめる」という意味で、すすめた内容を無理やりさせるという意味は含まれていません。一方で強制は、その人の意思を考慮せずに、権力や威力を使って無理強いすることを表します。
推奨の使い方と例文
推奨という単語を使用する際には、「〇〇を推奨します」や「△△が推奨している××」のような形で使います。
推奨を使った例文を見てみましょう。
・健康のためにも、朝早く起きて活動することを推奨します
・価格も手ごろで使いやすいこちらの製品を推奨します
推奨の類語
推奨の類語と、それぞれの意味の違いを紹介します。混同しやすい言葉もあるので、意味や使い方の違いをしっかりと確認しましょう。
推薦
「推薦(すいせん)」は「ものや人、団体などを他者にすすめること」です。「薦」という漢字には「複数のものや人の中から選ぶように働きかける」という意味があるため、推奨の類語として使うことができます。
「推薦」の例文は下記のとおりです。
・彼女は委員長に推薦された
なお推薦の対象はものや人などに限られるため「疲れが溜まったときには仮眠をとることを推薦する」というような使い方はできません。このような場合は推奨を使います。
奨励
「奨励(しょうれい)」は「物事や行動を他者に強くすすめる」という意味の言葉です。やんわりとすすめるというニュアンスの推奨とは異なり、「比較的強く働きかける」という意味あいがあります。目上の人に「奨励」を使うと失礼にあたるので、使用する際には注意が必要です。
「奨励」の例文は下記となります。
・高齢者には、軽めの運動が奨励されています
推奨の対義語
推奨の対義語を紹介していきます。
非推奨
「非推奨(ひすいしょう)」は推奨に打ち消しの「非」がついた言葉です。IT関連用語として使われるケースが多く、「NGではないが、おすすめはできない」という意味があります。
「使って不具合が生じた場合は自己責任でお願いします」という意味あいも含んでいるため、「非推奨」という記載がある場合は選択を避けた方がいいでしょう。
「非推奨」の例文は下記のとおりです。
・斜め設置は非推奨です
制止
「制止(せいし)」は「他者の発言や行動をおさえとどめる」という意味の言葉です。対象が人の言動になるので、推奨の対義語として使えます。
制止の例文は下記のとおりです。
・押し寄せた群衆を警察が制止している
抑止
「抑止(よくし)」は「おさえつけて活動などをやめさせること」という意味の言葉です。「相手に圧力をかけて抑え込む」という意味あいがあるので、推奨の対義語として使えます。
「抑止」の例文は下記のとおりです。
・アメリカの核兵器が抑止力として働いている
推奨の英語表現と例文
推奨の英語表現は「recommend」です。「recommend」には「おすすめする」という意味あいがあるので、推奨の英語表現としてそのまま使うことができます。
(サービスの導入を強く推奨する)
推奨の意味や英語表現を覚えて使いこなそう
推奨は「物事や人の優れている部分をあげて人にすすめること」という意味の言葉です。「やんわりとすすめる」といった意味あいがあるため強制力はともないません。
ビジネスシーンでも使われる言葉なので、使い方や例文を覚えてスマートに活用できるようにしておきましょう。推奨の類義語と使いわけ方もマスターしておけば語彙力も高まります。