普段見慣れた生き物であっても、生まれたばかりの姿は知っている姿と違う、ということも。

動物園や水族館を数多く訪れている、獣医学生のはるかさん(@510haruka963)が投稿した、ある鳥のヒナの写真が「かわいい!」と話題になっています。

ちょっと、、あまりにもフラミンゴのヒナのおしりが尊かったので見てください、、(@510haruka963より引用)

  • (@510haruka963より引用)

この写真は、12月10日に茨城県の日立市かみね動物園で撮影したものだそう。真っ白いまんまるが2つ重なった姿はまるで「鏡餅」。ピンクの脚があるので「鳥かな……?」と思えますが、この写真だけではフラミンゴのヒナとは気づけなさそうですよね。

この尊すぎる後ろ姿の写真に、「何かこう……このおチリの前には、あらゆることが、もうどーでも良くなる気がする……」「フラミンゴの雛の後ろ姿、ハムケツみたいで可愛い」「尊いモフモフですな」と癒やされる方多数。

鏡餅以外にも、「わ! リアル小トトロ!!」「雪見だいふくみたいです!」と様々なものを連想する方もいるようです。

なお、その後投稿された立ち上がった写真を見ると、小さいけれどしっかりフラミンゴ。まだヒナなのに、すでにフラミンゴらしく片足立ちもしているそうです。

お顔もどうぞ?てか既に片足立ちしてた訴えかける顔
7羽くらいいたので見たい方は成長早いのでお早めに!!
#かみね動物園(@510haruka963より引用)

  • (@510haruka963より引用)

  • (@510haruka963より引用)

フラミンゴといえば、ピンク色の羽が特徴ですが、はるかさんが投稿されたヒナの写真は白かったり灰色だったり、成鳥の姿とは異なります。多くの動物園や水族館を訪れている投稿者で獣医学生のはるかさんに、フラミンゴのことや動物園・水族館の楽しみ方を伺いました。

投稿者に聞いてみた

ーーフラミンゴと言えばピンク色のイメージなのですが、撮影されたヒナは灰色や白色ですね。この今後ピンク色になるのでしょうか。

  • (@510haruka963より引用)

今後ピンク色になります。野生のフラミンゴは甲殻類のほか、藻類、珪藻、藍藻など、カロテノイドとという色素を含む水生生物をろ過摂食することで体の中に色素が溜まってピンクの体色を維持しています。

飼育下では、同じ色素が添加された特別なペレットを与えられているためピンク色の羽をしています。

ーー食べているものの影響を受けるのですね。もうひとつ、フラミンゴで特徴的なのは「片足立ち」です。片足で立つ理由について教えていただけますか?

片足立ちには諸説あります。「体を温めて体温調節している説」「筋肉疲労が軽減される説」「一本足こそが自然な姿説」です。

まず「体を温めて体温調節している説」は、体温を下げないようにするためです。フラミンゴは水辺で暮らしているので、脚を長く水につけていると体温を奪われやすい状況です。そのため最低限必要な一本の足だけにしていると言われています。

次に「筋肉疲労が軽減される説」ですが、基本的にフラミンゴは立って過ごしているため足を交互に折り曲げて休ませているのではないかと考えられています。足が長いため、しゃがんでしまうと立ち上がるのに時間が掛かり天敵に襲われやすくなるんです。

最後の「一本足こそが自然な姿説」は、片足立ちをした方が体の重心が足の上にきて、体重だけで足の関節を固定することができるような体の構造的になっているという説です。面白いですね。

ーー「フラミンゴのヒナのおしり」の写真、多くの反響が寄せられております。

鏡もちみたい、小さいトトロみたいというコメントがあり私にはそういった見方をできていなかったので新鮮で読んでいて面白かったです。

この写真が撮れて尊すぎて自分の中に留めておけずツイートしたところ、想像を超越する大反響で動物のおしりは正義なのかなと思いました(笑)。

ーーはるかさんは多くの動物園・水族館を巡られて写真を投稿されています。情報を発信する際、こだわっていること、心掛けていることはありますか?

Twitterを始めたのも動物園・水族館や生き物の魅力をより多くの人に伝えたいという想いからです。マニアックなこともたまに呟きますが、基本的には動物に詳しくない一般の方にも伝わりやすいような文章や写真を使うことを心がけています。

私の投稿を見て動物園や水族館へ実際に足を運んでみようかな、その動物について調べてみようかな、と思ってくださる方が少しでもいらっしゃれば嬉しいです。「#動物園水族館巡り」で私が過去に訪問した場所も見られます!

ーー施設ごとに特徴や見どころは異なりますが、動物園や水族館に行く際「ここに注目するとより深く楽しめる」というポイントはありますか?

SNSやWebサイトで赤ちゃんの情報を得てから見に行ったり、飼育員さんのガイドを聞いてみたり、展示パネルを読んでみると深く楽しめると思います。

またロープやペットボトルなどで作った環境エンリッチメント(正常な行動の多様性を引き出すような遊具)が置かれている施設もあります。展示施設内にどんなものが設置されているか見るのも面白いかもしれません。

またレストランとかでは動物をモチーフにしたメニューがあるところが多いので食べて楽しむこともできます!


動物園や水族館に行って「かわいい!」と思うのも楽しいですが、知っている生き物の意外な姿を発見したり、その生態を調べて知識を深めることも面白そうですね。