――木村さんご自身もバイスには強い愛着を持たれているんですね。
もちろんすごく愛着がありますし、周りの人たちからどのように受け入れてもらっているか、みんなの中にどんな形で浸透しているのか、気になってますね。ときどき、グッズショップに行くと『仮面ライダーリバイス』コーナーでどれだけ売れてるのかな、人気あるかな~とチェックをしてしまうんです(笑)。先日、京都の東映太秦映画村へ行ったときのこと。そこではちょうど「仮面ライダー50周年」の展示イベントをやっていて、ショップを覗いたら仮面ライダーバイスのアクリルスタンドがありました。「あっ!」と思って、バイスがラスト1個だったので思わず買ってしまったんです(笑)。本当はバイスを好きな子どもたちの手に渡ったほうがいいんですけど、そのときはどうしても欲しくて……。今でもリュックの中に入れて大事に持ち歩いています。
――玩具売り場ではリバイスドライバーや各種フィギュアをはじめとする『仮面ライダーリバイス』商品に目を輝かせている子どもたちの姿を見かけることが多そうです。
僕の昔からの友だちが「子どもを連れて家電量販店のホビー売り場で玩具を買っていたら、周囲からむちゃくちゃ昴の声が聞こえてくるから、なんだ?とあたりを見渡したら、ガンバライジング(ゲーム筐体)からだった」と連絡をもらったことがあります。そいつは僕がバイスの声をやっているとは知らず、そこで初めて『仮面ライダーリバイス』の存在に気付いたそうです。今回、仮面ライダーに携わることができて、いろんな人とのつながりを深めることができました。素晴らしいなと思います。
――バイスは一輝の体の中に潜む悪魔ですが、テレビを観ている子どもたちは「自分の体にもバイスがいるんじゃないか」と思うほど、親近感がわいているように思えます。
まさに、そう思ってくれたらいいなと思いながら、毎回収録に臨んでいます。バイスは一輝の相棒ではありますが、子どもたちにとっても「バイスは僕の相棒だ」と思ってくれたら、こんなにうれしいことはありません。
――12月17日公開の映画『仮面ライダー50周年記念映画 仮面ライダー ビヨンド・ジェネレーションズ』でも、リバイの大活躍が描かれるとうかがっています。映画では毛利亘宏さんが脚本を手がけられるそうですが、テレビシリーズのメインライターである木下半太さんの脚本と、作品ムードが変わったという印象はありましたか。
部分的に、各脚本家さんの色とか味のようなものが注がれていると思いますが、個人的な印象としては、テレビと映画で大きくムードが違うなんてことはありません。ただ、映画ならではのスケール感があり、映画でしか描かれないバイスの一面なども出てきますから、そういった点で「テレビと映画の違い」があるかもしれません。テレビのほうも早い段階からいろいろな事件が起こりますが、深刻なとき、コミカルなとき、いかなる場合でもバイスはバイスですし、どんなときも僕が周囲をバイス色に染めますので、問題はないです(笑)。
――映画では、バイスが一輝と別行動を取るそうですが、そこはまさにテレビシリーズでは見られない珍しい展開ですね。
そうなんです。映画のこのシーンを台本で読んで思ったのは、「バイスって一輝以外とでも言葉を交わすことができるんだ!?」ってこと。衝撃でしたよ。ルールどうなってんだ?って。テレビをずっとやっていて、アドリブをガンガン入れつつも「バイス」のキャラクターを破壊しないように、いつも監督と「これはバイスとしてアリかナシか」を注意して、考えながらバイスを演じているつもりだったんですけど、台本がそれをひょいっと超えてきますから。「それはアリなんですね。なるほどね~」みたいに思うことが多いんです。バイスはルール無用、NGなしなんじゃないかって(笑)。
――中尾明慶さんと古田新太さんがゲスト出演されています。
アツいキャスティングですよね。『仮面ライダーリバイス』が「家族」をテーマにした作品であるだけに、中尾さんと古田さんを中心とした「家族」の物語になっています。
――過去、現在、未来と100年の時を超えるストーリーの、注目ポイントはどこですか?
過去でひと悶着あって、現在でああなって、未来でもあんなことになり、もう「ピー」で「バキューン!」で「ドカーン!」なわけですよ。
――さっぱりわかりません!
そうでしょうね……。とにかくこの映画『仮面ライダー ビヨンド・ジェネレーションズ』は、実際に映画館に行って観ないとわかりません! 口で説明するのも、ちょっとね。なんか、言葉で聞いただけだと「何それ」と雲をつかむような印象なんですから。百聞は一見に……と言いますし、とにかく何の先入観も持たず、映画館に来てほしいです。アツい映画になっていると思います! 予告編でも敵か? 味方か?とあおっている「仮面ライダーセンチュリー」がどうやって誕生し、どう戦うのか、これも説明をするより、映像をぜひともご覧いただきたいです!
――期待しています! 最後になりますが、木村さんが『仮面ライダーリバイス』の中で今後チャレンジしてみたい「夢」あるいは「野望」があれば、ぜひ教えてください。
今はバイスの声で出演していますが、一度でいいから『仮面ライダーリバイス』に役者として出てみたいです! これは今後の夢として、最終回までにいろんなところで発信していきたいと思います。たとえば、遊園地でデッドマンズに襲われて「ヒッ……ウワァァァ!」って悲鳴をあげる男とか(笑)。あるいはデッドマンズ側にいて、仮面ライダーバイスに倒されちゃう役とかもいいかな。どんな形でもいいですから、出たいなあ~。関係者のみなさま、機会がありましたらぜひお願いします。一瞬でもいいので! めっちゃ頑張りますので、ぜひ使ってください!
「ビヨンド・ジェネレーションズ」製作委員会 (C)石森プロ・テレビ朝日・ADK EM・東映