山本五十六役といえば『連合艦隊司令長官 山本五十六』(68)の三船敏郎や、『聯合艦隊司令長官 山本五十六 太平洋戦争70年目の真実』(11)の役所広司など、そうそうたる名優が演じてきた重責の役柄だ。

「やはりいろいろな先輩俳優の方々が演じてこられた作品を見てきたなかで、今回、自分がその役をやらせてもらう時が来たのかと、そのことの大きさに最初はすごくプレッシャーを感じました。緊張しましたが、プロフェッショナルなスタッフの皆さん、キャストの皆さんに支えられて、最後のシーンを撮る日まで、山本五十六役をやらせていただきました。皆さんが、山本五十六という役を作ってくださったと感じられる現場でした」

また、本作では、NHKの独自取材で明らかになった極秘文書により、山本五十六の知られざる一面にスポットが当てられる。香取は「僕は今回の話を全然知らなかったので、そこを知れたことだけでも自分にとっては大きかったです。軍縮会議で、山本五十六は日本代表としてロンドンに向かいますが、いろんなことが自分たちだけで進んでいくわけではなく、いろんな意見があって、どんどん時代が流れていったんだなあと思いました。ドラマの中の話では、1つの国だけの思いだけが語られるのではなく、みんなで未来の話もしているんです。そんなこともあったんだなと、僕はとても勉強になったので、ぜひそこを知ってほしいです」と見どころとしてアピール。

さらに、「僕は、いろいろな映像や人の話、本などでしか、戦争を知りません。1つの意見を強く押し切ろうとする人もいれば、よりよい未来のためにという思いがある人もいますが、その歯車が合わなかったから、このような歴史が刻まれてしまうのかと。だから、これからは知らないからいいというわけではなく、強い思いを持っている人がいれば、悪い未来に進むことを少しでも防げるんじゃないかとも思いました」と話した。

現在放送中の大河ドラマ『青天を衝け』では、草なぎ剛の熱演が話題となっている。何か刺激を受けたことはあったか尋ねると、「自分もそうだったなあと、思い出しました」と、『新選組!』に出演していた当時の自分自身と重ね合わせてこう語った。

「ずっと草なぎさんに『今はどうなの?』と撮影の様子を聞いてきましたが、最初のうちは『撮影が大変だし、難しい』ということばかり言っていたのに、中盤から後半にかけては『面白くてしょうがない。終わるのが寂しい』と言い始めまして。ああ、自分もそうだったなあと。やはり大河ドラマという存在はとても大きなもので、そこをクリアした人間にしかわからないものがあるし、それをこんなに近くにいる草なぎさんと話せているのがすごくうれしくて。そう思っている中で、今回の役をいただけたので、より一層うれしかったです。草なぎさんが出演している『青天を衝け』が終わってしまっても、そのあと僕がドラマで登場できるということで、感慨深いものがありました」

草なぎに続き、俳優・香取慎吾も本作で熱い視線を浴びるに違いない。香取版・山本五十六に大いに期待したい。

■香取慎吾
1977年1月31日生まれ。91年にCDデビューし、『NHK紅白歌合戦』に23回出場。17年9月に稲垣吾郎、草なぎ剛と「新しい地図」を立ち上げた。近年の主な出演作は、ドラマ『家族ノカタチ』(16/TBS)、『アノニマス~警視庁“指殺人”対策室~』(21/テレビ東京)、映画『ギャラクシー街道』(15)、『クソ野郎と美しき世界』(18)、『凪待ち』(19)など。bayfm『ShinTsuyo POWER SPLASH』、ABEMA『7.2新しい別の窓』にレギュラー出演中。

衣装:シャツ/room.13(Sian PR)

(C)NHK