日本でもメジャーな韓国料理、ビビンパ。ご飯やナムル、お肉などの具材をスプーンで混ぜて食べる食べ方が特徴ですが、なんと本場韓国では、お弁当までも混ぜて食べる文化があるのだそうです。そんな韓国ならではのお弁当が日本でも発売されたということで、実際に体験してみました。
その商品が買えるのは、今年10月にEchika池袋にオープンした韓国料理デリ常設店「SURAGAN DELI(スラッカン デリ)」。恵比寿などで展開する韓国料理の人気店「スラッカン」の新業態となる同店では、キンパやビビンバ、サムギョプサル弁当などがテイクアウトで楽しむことができます(イートインもあり)。
その目玉商品のひとつが、「シャカシャカ弁当」(648円)です。プラスチック容器を開けると、ご飯の上に目玉焼きやナムル、キムチなどの具材がトッピングされています。彩りもよく、この時点で普通に美味しそうなのですが……これを手で思いっきり振って食べるのが本場流とのこと。
シャカシャカ弁当とは?
まずは、同店を展開するグレイトフルの代表・天納久勝さんに、「シャカシャカ弁当」を発売した経緯などを聞きました。
――韓国では子どもたちがお弁当を振って食べる文化があるということですが、詳しく教えてください。
天納さん:韓国では、学校のお昼のお弁当などで、ブリキの弁当箱にご飯、ナムル、コチュジャンなどの具材を乗せ、食べるときにシャカシャカとブリキ容器を振ってつくるお弁当が食文化としてあったと言われています。最近では大学生や大人の間でも、韓国居酒屋さんなどで〆のビピンパの代わりに提供するお店もあります。また韓国の芸能人などもメディアでシャカシャカしていたことから話題にもなっていました。
――子どもだけでなく大人も楽しんでいるんですね。今回、シャカシャカ弁当を商品化することになった経緯などを教えてください。
天納さん:スラッカンのレストランよりもカジュアルなスラッカンデリだからこそ提供できるメニューを考案しておりました。その中で、お弁当として冷めても美味しいことや、若い方から年配の方まで幅広く選ばれる商品ということから、ビビンパそのものであるブリキ弁当を検討し、商品化しました。
――試作を繰り返したとのことですが、こだわったポイントはありますか?
天納さん:シャカシャカした時に溢れない容器の選定、シャカシャカしやすい(混ざりやすい)バランス。できるだけリーズナブルに提供できるように企業努力もしております。
――味だけでなく食べる前もみんなで楽しめそうですね。
天納さん:そうですね。大人でも子どもでも、シャカシャカしているシーンを見ると楽しく笑顔になっていることもポイントでした。韓国の食文化を楽しくカジュアルに、そしてスラッカンらしく美味しさも大切に、開発しました。多くの皆さんに楽しんでいただければと思います。
いざ、シャカシャカ!
というわけで、実際に同店で「シャカシャカ弁当」をテイクアウトしてきました。
古今東西、お弁当と言えば“寄り弁”にならないよう平行をキープすることに全神経を集中させるものですが、そのお弁当をあえて縦にする日がくるとは。若干の背徳感を抱きながらも、容器の端をしっかりを閉めて、思い切って“シャカシャカ”と振ってみます。
店員さんによると、1分ほど振るべしということだったので、両手で思いっきり振りました。途中、確認のために開けた後、きちんと閉まっておらず若干中身が飛び散ったので、しっかりとフタを閉めることが重要です。きちんと閉めれば中身が出てくることはありませんでした。
そして約1分後。やや息切れしながら中を開けてみると……
ぐちゃぐちゃ!
具材がしっかりと混ざって、白かったご飯にもキムチやコチュジャンの色がついています。
実際に食べてみると、ビビンバのようにナムルやキムチ、海苔がご飯としっかり絡んでとても美味しい! 均等に混ざっているわけではないので、食べ進めると味の変化も楽しめました。自分好みの振り具合を見つけてみるのもいいかもしれません。
人気メニュー・キンパやビビンバ弁当も実食
「3種のキンパ弁当」(972円)には牛プルコギキンパなど3種のキンパのほか、ヤンニョンチキンなどの副菜も添えられています。具材がたっぷりのキンパはどれも食べ応え抜群。4種のキンパ弁当もあり、いろんな味が楽しめるのがうれしいポイントです。
曲げわっぱ風の可愛い容器に入った「スラッカンビビンパ弁当」(702円)は、10種類の具材が敷き詰められ彩りも鮮やかなお弁当です。こちらは混ぜずにそのまま食べます。それぞれの具材に味がしっかりとしみていて、冷めたままでも美味しくいただけました。
ほかにも、焼肉ビビンパ弁当やヤンニョンチキン弁当、また、キムチやスンドゥブチゲなど、韓国料理が多数取り揃えられています。今後、第2弾のシャカシャカ弁当も発売予定とのことなので、気になった方はぜひチェックしてみてくださいね。