PCDAサイクルとは、セルフマネジメントの品質を高めるメソッドです。お勤めの会社でPCDAサイクルの行動を推奨されている方も多いでしょう。

本記事ではPDCAサイクルの概念やメリット、間違ったPDCAサイクルを用いた失敗例などを解説します。

  • CAサイクルとは図を使って解説

    PDCAサイクルについてくわしく解説します

PDCAサイクルとは? 図を使って解説!

  • PDCAサイクルとは図を使って解説

    PDCAサイクルとは図を使って解説

PDCAサイクルとは品質管理の父と呼ばれているW・エドワーズ・デミングが提唱したフレームワークのひとつ。Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)の頭文字を取ったものです。

Plan「計画をする」
Do「計画を実行する」
Check「実行した結果を検証する」
Action「検証結果を受けて改善する」
Actionが終わると再びPlanに戻って循環させます。このサイクルを繰り返すことで、連続したフィードバックが行えて、継続的な業務改善を促せる仕組みです。

現在では品質管理の国際規格となっている「ISO 9001」や「ISO 14001」にもPDCAの手法が採用され、あらゆる業界や業種でセルフマネジメントのフレームワークとして取り入れられています。

  • PDCAサイクルとは図を使って解説

    PDCAサイクルは多くの企業で取り入れられています

PDCAサイクル-各プロセスで何をする?

ここではそれぞれのプロセスについてくわしく解説します。

Plan

Plan(計画)では

  • 目標を設定する
  • 何をすべきか計画を作成する

目標や計画を設定することは、PCDAサイクルのスタートとなります。数値化できる指標を取り入れてみるなど、具体性があって、誰が見てもわかりやすい目標や計画を作成するのが大切です。

Do

Do(実行)ではPlan(計画)で設定した目標や計画に基づいて行動を起こしましょう。ここでの実行とは「設定した計画を実行」するだけではなく「試行」も含まれます。

Do(実行)では

  • 計画を実行した結果、有効であったのか
  • ほかに適した方法がないのか

などを確認してみる段階です。

Doの段階では

  • 一度に全部をやろうとしない
  • 目標や計画に対して、進捗状況や結果を記録しておく
  • 時間を計測するなど結果を数値化で判断できるように行動する
  • 計画どおりに進行しない場合も、その状況や結果を記録する

などを留意して行うようにしましょう。

Check

Check(評価)の段階では

  • 設定した目標や計画が達成できたのか
  • 計画どおりに実行できたのか

この点について評価をします。計画どおりに進行できなかった場合は、その原因を考えましょう。計画どおりに行えたときも、成功要因の分析が必要です。

どちらにせよPlan(計画)で設定した目標や計画の結果を数値化して、具体性のある検証結果としてまとめる必要があります。

Action

Action(改善)では、Check(評価)の段階で明らかになった検証結果について改善点を考えましょう。

  • 引き続き計画どおりに進行する
  • いくつかの改善をした上で、計画を続ける
  • 計画を中止もしくは延期をする

などいくつかの選択肢を想定して、この先への課題を踏まえつつ、決定をするのです。

  • PDCAサイクルそれぞれの内訳

    正しくPDCAサイクルを循環させましょう

PDCAサイクルのメリット

PCDAサイクルを行うことでどのような効果があるのか、ここではメリットを紹介します。

目標ややるべきことが明確になる

個人でも会社でも目標の設定は不可欠なものです。

目標がないと

  • 本来達成すべき着地点とのズレが生まれる
  • 具体的な施策を設定するのが困難になる

となってしまいがちです。設定した目標をクリアして事業を拡大させる企業活動にとっては思ったような成長は望めません。そこで数値化するなどして明確に目標設定をするPDCAサイクルを導入すれば、

  • 目標達成、問題解決に向けたロードマップができる
  • 個人や組織で行うことが明文化されて、目標が明確化される

などのメリットがあるのです。

集中して取り組める

PDCAサイクルには行動に集中しやすくなるというメリットもあります。最初のPlan(計画)の時点で目標やアクションプランを設定されるので、

  • 組織に求められていること
  • 自分がすべきこと

の2点が明確になります。

目標やアクションプランが明確にわかっているので、行動や作業に集中して取り込めます。目標や計画に対する集中力が高まれば生産性の向上が期待できるのです。

課題や足りないものが見えてくる

PDCAサイクルを導入すると、初期段階で数値などわかりやすい指標で目標が設定されます。設定した目標を達成するために集中して行動をするため、成果や失敗などの目標と結果との離れ具合がはっきりと見えてきます。その結果、

  • 改善するためにどのような行動が必要なのか
  • より向上するための変更点

などを考えやすくなるのです。

  • PDCAサイクルのメリット

    正しく活用すればPDCAサイクルは目標達成をサポートしてくれます

PDCAサイクルは古い? 失敗例を紹介

ここではPDCAサイクルが失敗する事例を見てみましょう。

Planの失敗例

PDCAサイクルの思考の根本は、仮説を立てて、それに沿った行動をして、その結果を分析・検証をして、再び新しい仮説を立てて循環させる仕組みです。

しかし、

  • 設定した目標までの道筋がイメージできていない
  • 現状の把握や分析が不十分

と最初の段階で仮説の出来が悪いと、その仮説に基づく行動や分析・検証も低レベルなものになって十分な結果は得られません。

仮説でも具体的なイメージを描けるかが成功と失敗を分けるのです。

Doの失敗例

計画性のないプランを実行すると失敗につながりやすいです。

  • とにかくやってみよう
  • 一生懸命やればそれでいい

など無計画に行動しても効果的な結果が出ません。また長期的な目標に取り組んでいると、直近の進捗状況が把握できないと、結果を意識する機会を逃しがち。

目標達成に向けて綿密に計画を設定することや、長期的な目標を短期的な目線で細かく分析するのが大切なのです。

Checkの失敗例

チェック基準を曖昧にしてしまうと失敗につながります。

  • そんな感じでいいと思う
  • もうちょっと頑張ろう

と曖昧で抽象的なチェック基準ではPDCAサイクルを導入しても効果的には作用しません。チェックをするときは、数値的な指標や定量的な視点などを用いて具体的に検証・分析をする必要があるのです。

また外部の視点から厳格なチェックをするのがおすすめです。内部チェックだと、

  • 判断基準がゆるくなる
  • 見逃しが発生しやすくなる

といった状況になりやすくなる懸念があります。

Actionの失敗例

具体的な指標を用いて、外部からの厳格な視点のチェックを行っても、改善に向けた行動が確実に行われないとPDCAサイクルは途中で失敗に終わるでしょう。

  • 改善のために可能性のある要素はすべて試す
  • 改善のための行動がしても、効果が見えなければ、課題全体の見直しをしてみる

これらに留意して強い意志でPDCAサイクルを行わないと成果を得るのが難しくなります。

  • PDCAサイクルは古い? 失敗例を紹介

    適正に行わないとPDCAサイクルは失敗に終わります

PDCAサイクルとOODAループの違いとは

OODA(ウーダ)とは、

  • Observe(見る)
  • Orient(わかる)
  • Decide(決める)
  • Act(動く)

の頭文字から成り立つ言葉。アメリカ空軍で開発された仕組みです。

PDCAサイクルとOODAの違いは

・PDCAサイクル:プロセスを重要視していて、数値的な指標、裏付けなどに基づいて目の前の課題や中長期的な視点から企業を成功に導く方法。

・OODA:迅速な観察と状況判断を重視する。常に実行を求められ、市場の動向や顧客のニーズに適合できる機動性重視の方法。

それぞれのメリットを理解して、組織にとって最適な方法を取り入れるのが大切です。

  • PDCAサイクルとOODAループの違いとは

    組織に適したフレームワークを採用しましょう

PDCAサイクルと正しく活用しつつ、新しい概念も取り入れよう

PDCAサイクルはセルフマネジメントの品質を高める概念として優秀なものです。ビジネスシーンでPDCAサイクルを正しく活用すれば目標達成の近道になるでしょう。しかし、間違った使い方をしてしまうと、循環が上手くいかずに失敗するケースもあります。

正しいPDCAサイクルの活用や、OODAのような方法論の導入を意識してみましょう。