メインダンサー&バックボーカルグループ・超特急が23日、埼玉県・さいたまスーパーアリーナでワンマンライブ『10th Anniversary Super Special Live「DANCE DANCE DANCE」』を開催した。
"世代や国を超えて踊れる”をテーマにアルバムを発売したばかりの超特急だが、今回のライブにもそのコンセプトを活かし、ダンスホールやクラブをイメージさせるセットでステージを彩どった。久々に客席中央にセンターステージが用意され、歓声が出せない中ながらも拍手やペンライトを用いたダンスなどでオーディエンスとコミュニケーションを取り合い、終始一体感と大きな盛り上がりを作り上げていた。
セットリストに関しても、ジャンルに捕らわれない超特急らしいバラエティ豊かな楽曲が用意された。「Dance Dance Dancing!」「Magnifique」「カチ カジャ(※ハングル表記)」など最新アルバムからはグローバルトレンドを感じさせる洗練されたサウンドとダンスパフォーマンスが披露されたほか、「超えてアバンチュール」「Добрый день(ドーブリジェン)」では超特急お馴染みの変顔やオタ芸ダンス、シュールなダンスパフォーマンスなども行われ観客を沸かせていた。
一方、ジャズをベースとした煌びやかなエンターテイメントの雰囲気が漂う「Table Manners」では大人な魅力を見せ、バラード「You Don’t Care」「霖雨」ではタカシの切ない歌声に合わせてダンサーメンバーの4人が楽曲の世界観をダンスと全身の演技で表現。俳優としても活躍する超特急の表現力豊かなパフォーマンス力も発揮された。特に「霖雨」では舞台作品のような迫力と力強さのあるステージを展開し、観客はペンライトを振ることを忘れ没入するような様子も見せていた。
また今年でデビュー10周年を迎えることを記念して1枚目のシングルから表題曲のみを集めた豪華メドレーも行われた。デビューシングル「TRAIN」のほか「POLICEMEN」「Bloody Night」「ikki!!!!!i!!」など久々となる楽曲が披露された際には、オーディエンスたちはこれまで以上に激しくペンライトを振りながら盛り上がる。「My Buddy」ではキッズダンサーたちが登場し、メンバーそれぞれが楽しそうに一緒に踊ったりする中、カイは時折しゃがみながら子どもたちと目線を合わせ、優しい笑顔で子どもたちを誘導しながらダンスを一緒に楽しんでいた。
MCは超特急らしい自然体な様子で、メドレーについての話題では、リョウガが「こんなにシングルがあることにビックリしたよ。聴いた方が色々な受け取り方をできるこの素敵なメドレーを行うという演出を作った方は、誰なんでしょうね?」と大げさに顎に手を当て、カイ、タクヤとかわいらしく相談し合うと、毎回ライブの演出に携わるユーキの紹介へとつなげる。ユーキは照れたように「超特急と出会ったきっかけなど、(聴く方によって)色々な感じ方を受け取ってもらえたら。10年間、色々なシングルを刻んできた思い出を皆さんと共有できたことが嬉しい」とメドレーの意図を口にした。
ライブの衣装をプロデュースしたタクヤは、メドレーの際に着用した衣装が、これまでの楽曲のタイトルを全て入れ込んだ特攻服風であることを明かす。他の衣装では、アルバム『Dance Dance Dance』のジャケットアートワークと衣装のプロデュースを手掛けたカイの世界観を活かしていたそうで、カイは両手でハートマークを作り、小首を傾げながら笑顔でタクヤに「ありがと!」とお礼を言った。
一方、演出などに携わりながらも通称「ドジっ子」と呼ばれ、やや抜けているキャラクターとしても知られるユーキは、ライブグッズの内容を当日まで把握していなかったというエピソードも。当日グッズを見て驚いたユーキに対し、グッズプロデュースを行ったタクヤは「えー! ショック」と語っていたそうで、リョウガは一連の様子を2人のモノマネを交えながら明かした。ライブ中に何度か言葉を噛んでしまったことにも触れられると、ユーキは両手で顔を覆いながら恥ずかしそうにして「いつも以上に落ち着いて話していたつもりだったのに……」とぼやいていた。
超特急としての活動が10周年を迎えた話題になると「色んな思い出もあるけど、本当に嬉しい。恵まれてますね、超特急は……」と感慨深そうに語るリョウガ。その言葉を受け、ユーキが「あるものを用意してる」と切り出すと、「今の自分と、昔の自分で変わったこと」というテーマで、ユーキが各メンバーに対してインタビューを行う映像が流された。各メンバーが自身について振り返る中、まだユーキ自身が話していないことに触れられると、タクヤがカメラを奪い「ユーキにとって超特急とは」という質問を投げかけ、ユーキはカメラを真っすぐに見つめながら「夢を叶えないと終われないグループ、希望」と答えた。その後、全員がカメラの前に集合し「僕たちにとってはどんな時も1つ1つが大切な宝物です。この後の続きも、一緒に楽しんで行きましょう!」と笑顔でオーディエンスへ呼びかけていた。
撮影:米山三郎、深野輝美、林聖、富田望