登山時の命綱や、テントの固定などアウトドアシーンはもちろん、アクセサリーとしても活用できるパラコード。本記事では、パラコードがどのようものなのか紹介した後、パラコードの使い方や結び方・編み方について解説していきます。

防災グッズとしても活用できるので、万が一に備えて確認しておくのもおすすめ。身を守るためのグッズとしてパラコードを活用してみてはいかがでしょうか。

  • パラコードとは

    パラコードの活用方法や結び方を覚えよう

パラコードとは

パラコードは、パラシュートコードの略称で、文字通りパラシュート用の紐として使われていたものです。かつてアメリカ軍が、第二次世界大戦時にパラシュートから降りる際の吊り下げ紐として使っていたといわれています。

パラコードの活用方法

パラシュートの吊り下げ紐として使われるほどの耐久性を誇るパラコード。強度があり頑丈なので、登山の命綱やキャンプなどアウトドアシーンでも活躍します。

また、ブレスレットやキーホルダーといった小物としても活用されています。これらはほどくと通常のパラコードと同じように使えるので、アウトドアシーンでの万が一のためのアイテムとしても人気です。

パラコードの素材とは

一口にパラコードといってもすべてが同じ素材で作られているわけではなく、主にナイロン、ポリプロピレン、ポリエステルの3種類に分類されます。

ナイロンは、強度や耐久性が非常に高く、本格的な命綱やパラシュートの吊り下げ紐として使われます。その頑丈さと安全性から、価格も高い傾向にあります。

ポリプロピレンは、3つの素材の中で最も強度や耐久性が低く、比較的安価です。紫外線を浴びると劣化していく素材なので、長時間外に置きっぱなしにしたり、長期にわたって使用したりするのは厳しいかもしれません。水に浮く素材なので、陸地だけでなく水場でも使える点はメリットです。

ポリエステルの強度は、ナイロンとポリプロピレンの中間くらいです。ナイロンに比べると強度や耐久性は劣りますが、紫外線と水に強いのがポイント。夏場のキャンプや川辺でのアウトドア時にも使える万能性を有しています。

少し柔らかい素材のため、アクセサリーや小物を作る際にも活用されます。

パラコードの耐荷重

強度が高く頑丈なパラコードですが、耐荷重は太さによって異なります。基本的に、細いものほど耐荷重が小さく、太いものほど耐荷重が大きくなっています。また、耐荷重は荷物をゆっくり引き上げる際の数値なので、思いっきり引っ張ったり揺らしながら引き上げたりしないよう注意が必要です。

ミルスペックのパラコードとは

ミルスペックとは、軍用に使われる規格のことで、厳しい基準を満たした商品やアイテムを対象に使います。軍が使用するレベルの強度と安全性を保証する規格なので、商品を選ぶときのひとつの基準になるでしょう。

パラコードの強度や耐久性を重視したいのであれば、ミルスペックかどうかにも着目してみてください。

  • パラコードとは

    パラコードは素材や太さによって特徴や耐荷重が異なります

パラコードの使い方

パラコードはその頑丈さや高い耐荷重から、さまざまな場面で使われています。どのように使われているのか、それぞれ詳しく確認していきましょう。

キャンプなどのアウトドアで使える

まずは定番の使い方で、キャンプや登山などのアウトドアシーンで使います。例えばテントを張る際のひもや、洗い物ものや洗濯などの物干しとして使えるでしょう。強度の高いものであれば、登山時の命綱としても使えます。

中には、パラコードの芯が着火剤になっているタイプもあり、これがあれば火起こしもできます。1本持っておくと、万が一の事態にも対応できるでしょう。

ブレスレットなどのアクセサリーや小物を作る

ブレスレットやキーホルダーとしてパラコードを活用する例があります。カラフルな色を使えば、立派なアクセサリーを作れます。編み込んで犬用のリードやペットボトルホルダーなどを作ってもいいでしょう。

また、小物になったパラコードはほどくと通常通り使えるので、アウトドアシーンで何かあったときの非常グッズとしても重宝します。

靴ひもやアイテムの保護

少し柔らかめのパラコードを使って靴ひもにしたり、編み込んで時計やキーホルダーの保護として使ったりするのもいいでしょう。荷物にならずにパラコードを身につけておけるので、アウトドア時の荷物はなるべく減らしたい派の方にもおすすめの活用法です。

パラコードの結び方

ここからは、覚えておくと便利なパラコードの結び方について紹介していきます。どんなシーンに適した結び方なのかという点も解説するので、シーンにあわせて使えるようにしていきましょう。登山やキャンプに行く前のおさらいとしても参考にしてみてください。

自在結び

  • 自在結び

    自在結び

ロープの長さを調整できる自在結びは、テントを張るときに使う自在金具と同じような役割を持ちます。

結び目を移動させることでロープの張りを調整したり、長さを調整したりでき、自在金具が壊れてしまった際の代わりにもなります。キャンプによく行く方は覚えておくと便利でしょう。

もやい結び

  • もやい結び

    もやい結び

パラコードだけでなくロープ類の結び方で覚えておくと便利なのがもやい結び。元々は船を係留する際に使われる結び方ですが、キャンプでもよく使われています。

物を固定したり運んだりするときに、輪っかを作り対象物にくくり付けて使います。簡単に結べて強度もあるので、自在結びと同じくテントを張る際はもちろん、重いものを吊しておく際にも便利です。

二重八の字結び

  • 二重八の字結び

    二重八の字結び

こちらも輪っかを作る点では、もやい結びと同じような結び方といえます。ただ、輪っかが少し小さめで、より頑丈な結び目を作れるのがポイント。登山でよく使われている結び方です。

また、連続で二重八の字結びをすることで、チェーンのように使うこともできます。汎用性が高いので、もやい結びとあわせて覚えておくといいでしょう。

バタフライノット

  • バタフライノット

    バタフライノット

見た目が蝶のようにみえることからバタフライノットという名前がついた結び方で、別名中間結びといいます。パラコードの中間部分に輪っかを作るので、強度があり耐久性に優れているのが特徴。重さのあるものもしっかり支えてくれるので、本格的な登山で活躍します。

パラコードは防災グッズになる

パラコードはキャンプや登山などアウトドアシーンで主に使われているアイテムですが、実は防災グッズとしても役立ちます。1本身につけておけば、いざというときに役立つかもしれません。

とはいえ、日常的に紐を持ち歩くのというのはなかなか現実的ではないでしょう。そこで、パラコードを荷物にならず持ち運ぶ方法を紹介します。日常生活に取り入れやすい方法ばかりなので、ぜひ防災対策として身につけてみてください。

ブレスレットなどにして身につける

パラコードはブレスレットやストラップなどアクセサリーとして活用できます。カラフルな色のパラコードも多く販売されているので、ファッションアイテム感覚で身につけられます。

編み込んだ状態になっていますが、基本的には簡単にほどけるようになっているので、非常事態でもすぐに活用できるでしょう。

ストラップや靴紐などの紐類を置き換える

普段持ち歩いているものには紐が使われているアイテムが多く存在するはずです。例えば、バッグの持ち手やストラップ、靴紐などが挙げられるでしょう。これらの紐でできている部分をパラコードに置き換えるのもおすすめの方法です。

さまざまな事態にも対応できるよう、素材や長さ、太さの異なるパラコードを身につけておくといいかもしれません。

パラコードで小物を作る

ハンドメイドが得意な人であれば、パラコードで小物を作るのもおすすめ。例えば、犬のリードやバッグ、ベルトなどをパラコードで作ります。手間はかかりますが、アクセサリーや紐を置き換えるよりも長いパラコードを持ち運べる点がメリットといえます。

  • パラコードは防災グッズにもなる

    防災グッズとして持ち歩くこともできます

パラコードの編み方

パラコードでアクセサリーなどを作る場合、編み方次第でデザインに個性を出すことができます。さまざまな編み方がありますが、よく使われる編み方としては、以下が挙げられます。

  • スネークノット
  • フィッシュテール
  • 四つ編み
  • 平編み

コツをつかめば簡単にできるので、ぜひ覚えてみてはいかがでしょうか。

パラコードはホームセンターで購入できる?

幅広い用途がありアクセサリーや小物にして持ち運ぶこともできるパラコードは、ホームセンターや大型スーパーなどで購入できます。安いものであれば100円ショップでも購入できるので、お試しで買ってみたいという人にはちょうどいいでしょう。

また、ユザワヤなどの手芸用品店やワークマン、アウトドア用品店でも販売されています。店舗すべてで取り扱いがあるわけではないので、購入する場合は事前に確認してみてください。

  • パラコードが購入できる場所

    100円ショップからワークマンなどの専門店まで幅広く取り扱われています

パラコードはさまざまなシーンで活用できる

パラシュートの吊り下げ紐として使われていたパラコードですが、今はキャンプや登山など幅広いシーンで活用されています。頑丈で耐久性に優れているので、アウトドアに行く際に1つは持っていくと便利でしょう。

また、パラコードは持ち歩ける防災グッズとしても役立ちます。アクセサリーや靴ひもにするだけでなく、バッグや犬のリードなどをパラコードで編み込んで作れば、荷物にならずに防災グッズを持ち歩くことができるのでおすすめです。