――演じるキャラクターと似ていると感じる部分はありますか?

萩原:平良は、同じ学校にいながら清居をとても遠い存在だと感じていて。アイドルファンのような立ち位置で清居を見つめています。僕はスポーツが大好きで、スポーツ選手をアイドルファンのような感覚で見て、彼らを日々のモチベーションにしていたり、彼らがいることで日常が華やかに感じることもあります。そう考えると、平良が清居に出会って生活が激変していくことも、とても共感ができました。逆にかけ離れていると思うのは、あそこまで誰かを執拗に追いかけることはできないかな……ということ。平良は清居に激しく突き放されてしまうのですが、あそこまでされたら僕だったらメンタルが折れてしまうと思います(苦笑)。

八木:清居は、母親がいつも遅くまで働いていたこともあり、家で1人で過ごすことの多い、寂しい少年時代を過ごしていました。だからこそ、テレビの中のキラキラした世界に憧れている。僕自身、母がシングルマザーとして育ててくれて、やはり1人で過ごすことも多かったんです。1人でいる時間が寂しいから友だちと一緒にいたいと思ったり、なるべく1人でいる時間を少なくしたいという思いには、すごく共感ができました。また清居は、心に寂しさを抱えながらも虚勢を張ってしまうところもある。そういった点も共感できます。かけ離れているなと思うのは、清居のように強い言葉を人に言うことはできません! 清居は平良に「お前、キモい」とか言うんですよ。そんなこと絶対に言えないです(笑)

――本作を通して、役者としての新たな発見はありましたか。

萩原:新たな表現に挑戦するということで、どうしたら美しい見え方ができるのかと考えていく過程もとても楽しかったです。監督やスタッフさんと「こっちのほうがいいかな」「顔を寄せるときはこうしたほうがいいかな」など一つ一つアイデアを出しながら、丁寧に撮影をしています。本番として撮影している時間もとても好きですが、リハーサルや段取りで話し合っている時間も楽しいな、好きだなと改めて思いました。

八木:僕は連続ドラマに出演させていただくことも初めてで。演技経験も少ないので、すべてが新鮮で刺激的です。キャストやスタッフの方など、たくさんの方がいて作品が成り立っているんだと改めてわかった部分もあり、毎日学ぶことばかりです。また1人のキャラクターに対して、「彼がこの世界にいたとしたら、どんなふうに日々を見ているのだろう」と考える時間もとても楽しくて。今、演技というものにハマっています。グループ活動ではアーティストとして歌やダンスをやらせていただいていますが、応援してくださっている方々の存在をいつも感じています。これからも自分の引き出しを増やして、表現者の幅を広げられるような人間になっていきたいです。

■萩原利久
1999年2月28日、埼玉県出身。2008年デビュー。2019年、『3年A組-今から皆さんは、人質です-』で存在感を発揮し、『電影少女 -VIDEO GIRL MAI 2019-』で連続ドラマ初主演を果たす。2020年はNHK連続テレビ小説『エール』、主演ドラマ『大江戸スチームパンク』が放送。待機作として映画『牛首村』が控える。
■八木勇征
1997年5月6日、東京都出身。2017年に約3万人が参加した「VOCAL BATTLE AUDITION 5」に合格し、FANTASTICS from EXILE TRIBEにボーカルとして加入。2018年4月~6月、メジャーデビューに向け「夢者修行 FANTASTICS9」を敢行。2018年に「OVER DRIVE」でメジャーデビュー。グループで主演を務めたドラマ『マネキンナイトフィーバー』など俳優としての活動の幅も広げている。

【萩原利久】ヘアメイク:Emiy スタイリスト:Shinya Tokita 【八木勇征】ヘアメイク:大木利保 スタイリスト:葛西 克哉