『仮面ライダー』(1971年)誕生50周年を祝し、昭和仮面ライダーシリーズの劇場版8作品を4Kリマスター化した映像ソフト『仮面ライダー THE MOVIE 1972-1988 4KリマスターBOX(4K ULTRA HD Blu-ray & Blu-ray Disc 4枚組)』が、東映ビデオより2021年11月10日に発売される。

  • 左から藤岡弘、佐々木剛、宮内洋 撮影:大塚素久(SYASYA)

オリジナルの35ミリネガフィルムをプロ解像度の高解像度4Kスキャンでリマスターし、まるでベールを一枚はがしたかのようなクリアな映像に変身した今回の映像ソフトは、従来のハイビジョンに比べて「倍以上」の解像度となり、仮面ライダーのマスクや爆発シーンなど、より豊かな表現を可能にしている。最新の技術4K HDR により、仮面ライダー史上最高の高画質で蘇る、ファン垂涎のコレクターズアイテムと呼ぶべき商品である。

『仮面ライダー THE MOVIE 1972-1988 4KリマスターBOX』発売を記念して、東京・丸の内TOEIでは7月19日、『KAMEN RIDER FILM ARCHIVE SPECIAL NIGHT』レジェンドドライダー スペシャルトーク舞台挨拶&上映会と銘打って、仮面ライダー1号/本郷猛を演じた「藤岡弘、」、仮面ライダー2号/一文字隼人を演じた「佐々木剛」、仮面ライダーV3/風見志郎を演じた「宮内洋」がひさびさに結集を果たした。そして映画『仮面ライダー対ショッカー』『仮面ライダー対じごく大使』『仮面ライダーV3対デストロン怪人』上映に先立ち、裏話満載の濃密トークショー(司会進行:鈴木美潮)が行われた。

マイナビニュースでは、イベント開始直前の藤岡、佐々木、宮内のレジェンドライダー3人に直撃インタビューを敢行。50年前の子どもたちを熱狂させ、日本全国に爆発的な「変身ブーム」を巻き起こした伝説的作品『仮面ライダー』およびその続編『仮面ライダーV3』の変わらぬ魅力が語られた。

プロフィール
藤岡弘、(ふじおか・ひろし、)
俳優・武道家。1946年生まれ。愛媛県出身。1964年に劇団NLT俳優養成所に入所。1965年に松竹ニューフェイスとして『アンコ椿は恋の花』で俳優デビュー。1971年『仮面ライダー』で主演を務め、スターダムに乗る。1973年の東宝映画『日本沈没』(小野寺俊夫役)、1977年のテレビドラマ『特捜最前線』(桜井刑事役)など代表作多数。1984年のハリウッド映画『SFソードキル』で主演を務め、国際俳優となる。日清焼そば「UFO」やソフトバンク(ドラえもんの声)など、CMでも存在感を発揮。

佐々木剛(ささき・たけし)
俳優。1947年生まれ。新潟県出身。1966年に俳優デビュー。東映のテレビドラマ『柔道一直線』(1970年/風祭右京役)や朝日放送ドラマ『お荷物小荷物』(1970年)に出演し、人気俳優となる。『仮面ライダー』(1971年)の撮影中に重傷を負った藤岡弘、(本郷猛役)に代わって仮面ライダー/一文字隼人を演じ、全国的に巻き起こった「変身ブーム」の立役者となる。『素浪人天下太平』(1973年)うづ巻の勘太役、『宇宙鉄人キョーダイン』(1976年)グランゼル/葉山竜治役など出演作多数。

宮内洋(みやうち・ひろし)
俳優。1947年生まれ。東京都出身。1968年、第12期東映ニューフェイスに合格し、映画界入り。『キイハンター』(放送開始1968年)の第92~262話(1970~1973年)に檀俊介役でレギュラー入りし、人気を高めた。その後『仮面ライダーV3』(1973年/風見志郎役)、『秘密戦隊ゴレンジャー』(1975年/アオレンジャー=新命明役)、『快傑ズバット』(1977年/早川健役)、『ジャッカー電撃隊』(1977年/ビッグワン=番場壮吉役/第23話から)をはじめ多くの特撮ヒーローを演じて大好評を得た。

――誕生から50年という節目を迎えた『仮面ライダー』は、今やたくさんの後継シリーズが作られ、それぞれの時代を生きる子どもたちの憧れのヒーローとして多くの夢や希望を与えてくれています。『仮面ライダー』および『仮面ライダーV3』が社会現象となるほどの大ヒットを飛ばした要因のひとつに、第14話から主役を務めた仮面ライダー2号/一文字隼人の「変身ポーズ」が子どもたちにウケたことが大きいと思います。まず佐々木さんにお尋ねしますが、第14話で初めて変身ポーズを取ったとき、第15話以降と少し手順が違っていたのは、なぜだったのでしょう。

佐々木:あれは最初だから、僕が間違えたんですよ。でも「間違えた!」ってことを顔に出さずに、堂々とやったらOKになったわけ。どうしてかというと、僕が本番で変身するまで、スタッフはみんなどんな風にポーズを取るのか知らなかったんです。もしあのとき、僕が「間違えた! ゴメン」とか言っていたら、撮り直しになっていたでしょうね。「ショッカーの敵、人類の味方……お見せしよう、仮面ライダー!」って言っているんだけど、上着のチャックを下ろして変身ベルトをお見せしないといけなかったのが、お見せしてなかった(笑)。いったん両腕を構えたときに気づいたんだけど、そのままさっとチャックを下ろし、ベルトを出してからまたポーズの続きをやり通したんです。だから、第15話のときは間違えないように意識して、正しい段取りで変身しました。

藤岡:最初の本郷猛(第1~13話)は、オートバイに乗りながらベルトの風車(タイフーン)に風圧を受けて、エネルギーを蓄えて変身していたんです。大怪我から復帰して、劇場版『仮面ライダー対ショッカー』に出演したとき、初めて私も変身ポーズを取ったんですが、現場で佐々木くんの変身ポーズを見て、すごい!と感動しましたね。ショッカーの怪人を目の前にして、さあ戦うぞ!という闘志を静かにみなぎらせていた。とてもカッコよくて、見事だと思いました。彼のすばらしい変身ポーズをお手本にして、本郷猛の変身もカッコいいものにしなければ、と力を込めました。