中国自動車大手の吉利汽車集団(Geely Automobile Group)は11月1日、技術イベントを開催し、その中で2025年に向けた事業計画「Smart Geely 2025」を発表した。

それによると、2025年までに研究開発(R&D)として約1500億元規模の資金を投入し、半導体から電池、果ては電池の交換施設に至るまで新エネルギー車(NEV)の川上から川下まで網羅する技術体系をすべて自社で賄うことを目指すとしている。

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    吉利汽車集団(Geel Automobile)の2025年に向けた事業計画 (出所:吉利汽車Webサイト)

7nm車載SoCを2022年モデルに搭載

この計画の一環として同社は、7nmプロセスを採用した独自設計の車載スマートコックピットSoC「SE1000」の認証を2022年初頭に得たのち、量産を進め、同年に生産される電気自動車(EV)に搭載するとしている。同SoCは83mm2のサイズで88億個のトランジスタを搭載。従来の16nmプロセス品と比べ、ゲート回路密度は3.3倍に、パフォーマンスは同一電力時で35~40%向上、消費電力も65%削減することを可能としたとしており、これによりレベル3の自動運転技術の需要に対応すうrことができるようになるとしている。

また、このSE1000は、同社が出資する新エネルギー車ならびにArmから独立したArm Chinaの合弁会社Siengineが開発を担当しているとするが、実際の受託製造先については明らかにされていない。

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    吉利汽車集団が開発した7nm車載SoCのチップイメージ (出所:吉利汽車Webサイト)

2025年にレベル4の自動運転を目指す

同社は2025年にレベル4の自動運転の実用化を目指すとするほか、レベル5の自動運転の技術開発を行うことを予定しているともする。そのため、こうしたハイエンドニーズへの対応に向け、2024年から2025年にかけて5nmプロセスを用いた車載SoCの開発を進めるとしているほか、SiCについても2023年には独自開発品の商品化を果たす計画としている。