Bosch(ボッシュ)は4月22日、第3世代SiCパワー半導体を開発し、世界の自動車メーカーへのサンプル出荷を開始したことを発表した。同社では今後、より多くの電気自動車(EV)に同社の第3世代SiCが採用されることが見込まれるとしている。

従来比20%の高性能化を実現

SiCパワー半導体は、従来のシリコンベースのパワー半導体と比べて高速かつ効率的なスイッチングが可能で、エネルギー損失の低減、電子機器の出力密度向上などを可能とする。同社の第3世代SiCパワー半導体は、同社が長年にわたってボッシュプロセスとしてMEMSなどで活用してきたエッチングプロセスを活用することで、従来比で20%の高性能化を果たしつつ、チップサイズを削減したとしており、これにより取れ数を増やし、普及速度を加速させることができるとしている。

ドイツと米国の2工場での生産を推進

また同社は、「IPCEIマイクロエレクトロニクスおよび通信技術」プログラム(欧州共通利益に関する重要プロジェクト)の一環として、半導体事業に約30億ユーロを投資する活動を進めており、独ロイトリンゲンの前工程工場では、200mmSiCウェハを活用した第3世代SiCチップの開発と製造が行われているという。

また、2025年初頭に同社は米国カリフォルニア州ローズビルにSiCパワー半導体製造向け工場を取得。現在、最先端かつ高度に複雑な生産設備の導入を進めており、19億ユーロの追加投資により、2026年中に最初のSiCパワー半導体の製造・出荷を行う予定としている。まずは顧客向けサンプルとして提供される予定で、これにより同社はドイツと米国の2工場体制でSiCパワー半導体の供給を行っていくこととなる。

欧米2極による半導体供給は、より堅牢かつ安定したサプライチェーンの構築に向けた取り組みの一環であり、同社では中期的にはSiCパワー半導体の製造能力を数億個規模にまで拡大する計画としている。