仏Yole Groupが「Status of the Semiconductor Foundry Industry 2026(半導体ファウンドリ産業の現状 2026年版)」と題する調査レポートを発表した。

それによると2024年のファウンドリ業界の8インチ(200mm)/12インチ(300mm)ウェハ総生産能力は月産約1000万枚(300mm換算)、2025年に1023万枚となり、2031年には1324万枚まで増加すると予測されるほか、中国のファウンドリが2031年までに全世界の生産能力(数量ベース)の約30%を占めるまでに拡大する可能性があるとする。

  • 2024年、2025年(実績)、2031年(予測)のファウンドリ生産能力の地域・国別内訳

    2024年、2025年(実績)、2031年(予測)のファウンドリ生産能力の地域・国別内訳 (出所:Yole Group、以下すべて)

また、2025年におけるファウンドリの売上高は1810億ドルで、世界の半導体売上高の47%を占めたと推測している。

  • 2025年の半導体カテゴリごとの地域・国別市場シェア

    2025年の半導体カテゴリごとの地域・国別市場シェア

アジアに依存するファウンドリ産業

半導体ファウンドリの需要は、IDMの外部委託とファブレス企業による活用によるところが大きいが、2025年時点で構造的な需要過剰を抱える地域は米国のみである。一方の供給はアジアに集中しており、中国、韓国、台湾が中心となっている。中国は半導体売上高では約6%ほどだが、ファウンドリ生産能力は世界の26%以上を占める規模となっている。

先端プロセス製造の中心は台湾であるが、中国も製造能力を急速に拡大しており、国内半導体生産能力増強方針に基づき、2031年までに世界のファウンドリ生産能力の30%に達する可能性があるとする。

  • 2025年の半導体ファウンドリの地域・国ごとの生産能力分布

    2025年の半導体ファウンドリの地域・国ごとの生産能力分布(IN-MA-SPはインド・マレーシア・シンガポール)

2022年以降、地政学的緊張の高まりなどもあり、世界中で生産能力の拡大が加速しているが、供給と需要の構造的な不均衡にも直面している。2021年から2022年の半導体不足の後の大規模投資により、需要よりも早いペースで製造能力が拡大しており、結果としてコロナ禍で高水準に達した世界のファウンドリの稼働率は2025年に73%となり、今後数年間は70~75%で推移すると予測している。

設備投資額は売り上げの34%へと正常化

2031年時点の半導体ファウンドリのプロセス別の地域・国別生産額と生産能力を見ると、金額ベースでは10nm未満の先端プロセスが圧倒的だが、数量ベースでは90nm~45nmが最多シェアで、次いで40~22nm、地域・国別では中国がトップになると予測される。また、設備投資は2022年に660億ドルで売上高の約50%を占めたが、2025年には約34%まで低下し、正常化した。

  • 2031年の半導体ファウンドリの技術プロセスごとの地域・国別生産額

    2031年の半導体ファウンドリの技術プロセスごとの地域・国別生産額(単位:10億ドル)と生産能力(単位:千枚/月)

ムーアの法則は依然として技術ロードマップの指針となっているが、その解釈は変化している。周波数と電力のスケーリングは実用的な限界に達し、性能向上の維持にはコア数の増加、異種集積、マルチチップアーキテクチャへの依存度が高まっている。先端プロセスで競争できる企業は、TSMC、Samsung、Intelの3社に絞られ、いずれも2026年に2nm級の量産を目指している。コスト上昇が構造的な制約となりつつあり、2nmプロセス対応工場を1つ建設するのには300億ドル以上が必要とされ、今後10年以内には最大500億ドルに達する可能性があるとしている。