お笑い芸人・志村けんさんの半生を描くフジテレビ系スペシャルドラマ『志村けんとドリフの大爆笑物語』が、12月に放送されることが20日、明らかになった。

  • 山田裕貴=フジテレビ提供

志村さんお役を演じるのは、フジテレビ系ドラマ初主演となる山田裕貴。そして、脚本・演出を福田雄一氏が手がける。福田氏がフジ系ドラマを演出するのは堂本剛主演『33分探偵』(08年)以来、脚本を手掛けるのは小栗旬主演『東京DOGS』(09年)以来となる。

ドラマは、志村さんがコメディアンになることを決意し、1968年、高校卒業間際にバンドのボーヤ(=付き人)としてザ・ドリフターズに携わるところから始まる。見習い時代の修業の日々、そして1974年にメンバーの一員となってから1990年代までの、想像を絶するような過酷なスケジュールや、人気の裏に隠された挫折と苦悩、葛藤を描く。

また、毎週行われていたコントのネタ会議の様子や、徐々に築かれていくメンバーとの友情も明らかに。当時人気を博した『8時だョ!全員集合』(TBS)や、『ドリフ大爆笑』(フジ)の懐かしい一場面も登場。山田をはじめとしたメンバー全員による「ドリフ大爆笑のテーマ」や「ドリフのズンドコ節」。また、名作と言われる数々のコントシーンにも注目だ。

今回の話を聞いた山田は「楽しみよりもプレッシャーの方が大きかった」という。プレッシャーからか、福田氏からは現場で、「目がバッキバキだよ」と言われるほどの緊張ぶり。しかしその緊張ぶりはまさに、ザ・ドリフターズの見習い時代の志村さんとオーバーラップしているようにも見える。役を演じるにあたって、コントシーンを何度も繰り返し映像で見て研究したと言う山田。撮影の合間も寸暇を惜しんで、スタッフ相手にコントの練習に励むほど、熱心に取り組んでいた。

コメントは、以下の通り。

■山田裕貴
「お話をいただいたときは、“本当に僕ですか?僕で大丈夫ですか?”と、信じられませんでした。楽しみよりもプレッシャーの方が大きかったです。実はコントシーンの撮影日が、31歳の誕生日でした。すごくうれしくて、もしかしたらそれは志村けんさんからのプレゼントだったのかなと思います。ドラマの中のセリフで、“笑いたがっている人、笑わせましょうよ”とありますが、そういうドラマになればいいなと思っていますし、その日1日は、志村けんさんに変わって皆さんを笑顔にできるとうれしいです」

■福田雄一
「この企画のお話をいただいたときはとてもうれしかったです。ただ、次の瞬間、とてつもないプレッシャーにさいなまれました。ドリフの歴史の一端を担うことができるだろうかという不安と、僕自身、志村けんさんへの思い入れがとてつもなく強かったので。何しろ、志村さんは少年時代からずっとテレビの前で見てきた大スターでしたから。
引き受けさせていただく覚悟をしたのには理由があって、『となりのシムラ』でご一緒させていただいたときに、志村さんも会議から参加してくださり、一緒にコント作りをしながら笑いを生み出す志村さんの姿勢や笑いへのこだわりを間近で感じさせていただき、やっぱり大好きで、また一緒に作りたいという思いがあったからです。
本当に大変なプレッシャーの中でしたが、山田裕貴さんはじめ役者の皆さんが本当に頑張ってくれましたし、スタッフも本当に素晴らしかったので、いい作品が撮れていると思います。編集はこれからですので、私がプレッシャーから解放されることはありませんけれど、きっといい作品になると信じて、ぜひ、お楽しみに!」

■編成・安永英樹氏
「日本を代表する不世出のコメディアンはどのようにして生まれたのか?若き日の志村けんさんはドリフと出会い、ドリフに入り、壁にぶつかって、学んで、苦労して、どうやって乗り越えてきたのか?知っているようで知らなかった青き時代の志村けんさんの物語を皆さんに見ていただければと思います。俳優の皆さんが“完全再現”した当時のコントはものすごいエネルギーです。ぜひ体感していただければと思います」

■プロデュース・井澤秀治氏
「志村けんさんは、少年時代、普段笑顔を見せない厳格な父親が、テレビを見て、家族で笑いあった経験をきっかけにコメディアンを志しました。そして、ドリフターズの一員として、日本で一番長く、多くの人々を笑わせ、昨年亡くなった今もなお、世代を超えて家族を笑顔にし続けています。誰よりも家族を愛し、誰よりもテレビの前の家族を笑わせることに情熱をささげてきた志村けんと、師であり戦友であるドリフターズの物語を、ぜひ家族そろって笑顔でご覧ください」

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