原油価格高騰によりガソリン・電気・ガスの価格がどんどん上昇している昨今。原油価格関連に限ったことではなく、既に2021年の10月から食料品を中心にさまざまな商品・サービスの値上げが相次ぎ、その傾向は11月以降も続く見込みです。

日々の買い物に影響する値上げは財布の紐を固くすれば解決するのか、家計への影響と対処法についてもお伝えします。

  • 原油価格高騰の影響は? 既に値上がりしたもの・これから値上がりするものリスト

原油価格高騰の影響で値上がりするものは?

電気・ガス料金

電気・ガス料金は毎月価格が変動しますが、10月に引き続き、11月も値上がりします。

発電用の燃料である液化天然ガス(LNG)や石炭の輸入価格の上昇を受けて、大手電力10社と大手ガス4社が値上げを決めています。

参考:一般的な家庭の場合
■11月の電気料金(10月比)
東京電力ホールディングス 133円増の7371円
関西電力 91円増の7007円
中部電力 133円増の7026円
■11月のガス料金(10月比)
東京ガス 89円増の4935円
大阪ガス 91円増の5623円
東邦ガス 89円増の6069円
※日本経済新聞「電力・ガス大手全社が11月値上げ、燃料価格高騰受け」を参照

ガソリン価格

ガソリンの価格は2020年春から上昇傾向が続いていますが、10月13日時点のレギュラーガソリンの店頭小売価格は1リットル162.1円と6週連続で値上がりしています。

ガソリンの価格は、原油価格に連動します。原油価格の代表的な指標のひとつである「WTI原油先物」が上昇していることから、今後もガソリン価格は上昇することが予想されます。

同様に灯油の価格も上がっていくでしょう。これから冬を迎えるにあたり、石油ストーブなどの利用で灯油の消費が増えることを考えると家計への影響は大きいでしょう。

その他

飛行機の燃油サーチャージでは既に値上げが進んでいるほか、暖房設備を使用しているハウス栽培の野菜の値上げ、船の燃料代の高騰による魚の値上げ、パックとタレを入れる袋に石油が使われている点から納豆の値上げも懸念されます。

他にも! 既に値上がりしたもの・これから値上がりするもの

10月から値上がりしたもの

2021年10月から、食品を中心にさまざまなものが値上がりしています。

バター、マーガリン

「明治」と「雪印メグミルク」は、産地の天候不順などによって、油脂の取引価格が高騰していることから、家庭用のマーガリンをはじめ油脂を原料とする一部の商品について、最大12%程度の値上げを行いました。

洋菓子、和菓子

「山崎製パン」、「フジパン」、「敷島製パン」は、油脂や砂糖、卵の価格上昇を受けて、一部の商品の出荷価格を、平均7%から8%の程度値上げしました。

コーヒー

「味の素AGF」と「キーコーヒー」は10月1日より、家庭用レギュラーコーヒーなどの価格改定を実施しています。店頭価格は約20%上昇する見込みです。

オリエンタルランド

東京ディズニーランドと東京ディズニーシーのチケット価格が10月1日から見直され、有効期限が1日のもので最大700円値上がりしています。

たばこ

加熱式たばこに係る課税方式の見直し等に伴い、10月1日から加熱式たばこ 50 銘柄の小売定価が改定されています。現行540円が570円、現行550円が580円となりました。

これから値上がりするもの

また今後は、下記の値上がりが予定・想定されています。

食用油

「日新オイリオグループ」、「J-オイルミルズ」、「昭和産業」は、原材料の価格高騰を受けて、11月1日納品分より家庭用食用油1kgあたり30円以上の値上げを実施します。

冷凍食品

「ニチレイフーズ」は、油、畜肉原料、小麦粉などの急激な価格高騰の影響により、11月1日納品分より冷凍食品の価格改定を実施します。これにより家庭用冷凍食品は約4~8%値上がりします。

建築資材

テレワークなどで在宅時間が長くなったことを背景に、住宅やマンションの着工戸数は前年を上回る状況が続いています。しかし、木材や鉄鉱石、アルミニウムなどの原材料価格の高騰が続いているため、建築資材や壁紙などが値上がりし、建設費の上昇につながっています。この状況が続けば、今後のマンションの販売価格に影響を及ぼす可能性があります。

値上げにどう対処するか

ここまで値上げの情報をご紹介しましたが、次に、このような度重なる値上げから家計を守るためにはどうしたらいいのかを考えてみたいと思います。

食料品や電気代・ガス代の値上げについては、生活する上で欠かすことは難しいため、ある程度の節約はできても、効果は薄いといえます。そこで、別の支出に目を向けてみましょう。

節約で最も効果があるのが固定費です。その中でも、比較的見直しを行いやすいのが通信費です。菅政権時代に政策のひとつとして携帯料金の引き下げを行ったことで、携帯料金は逆に値下げ競争が激しくなっているのです。

大手3社の低料金プラン
・NTTドコモ 「ahamo」
データ容量20GBで基本料金2970円
・ソフトバンク 「LINEMO」
データ容量20GBで基本料金2728円
・au 「povo」
データ容量20GBで基本料金2728円

データ容量を3GB程度にすれば、1000円を切る料金プランもあります。大手3社にこだわらなければ格安SIMでさらに料金を下げることができるでしょう。

携帯料金などの固定費は、一度プランを見直して料金を下げることができれば、その効果は非常に大きいものです。値上げばかりが気になりますが、通信費の値下げは盲点になっているかもしれませんね。ぜひこの機会に見直しをしてみてはいかがでしょうか。