そしてディーンは、栄一と五代の関係性について「戦友というか、国家の命運を担っていく同志だったのでは」と捉えている。

「五代のほうが渋沢よりも年齢が上で、早い段階でいろんなことを経験し、広い視野を持っていたので、五代から渋沢に伝える部分が多かったとは思います。でも、それって結局はバトンの渡し合いだと思うので、同じ未来を目指す志を抱いた、託せる仲間みたいな関係性だったんじゃないかなと思います」

2人とも、日本経済においてこれまでにない革新的なプランを提案し、実践していくだけに、敵も多かったに違いない。時には孤立しそうになるが、2人は互いを認め合っていた心の友でもあったのだろうか。

「やはり新しいことにチャレンジするのは、どれだけ確信を持ってやったとしても、とても難しいことだと思います。いろんな困難を乗り越えていくという作業は、そことは全く違うプロセスだと思うので、とにかく胆力というか、人間力のすべてを総動員して越えていくとなった時、場所が違えど、同じ時代に同じ志を共にする仲間が頑張っている姿を見ることから、双方が大きな影響を受けたと思いますし、エールにもなったのではないかと」

栄一と五代は日本経済において、様々な功績を残していくのは周知のとおり。その舞台裏で展開されるドラマティックな物語を楽しみに見ていきたい。

■ディーン・フジオカ(Dean Fujioka)
1980年8月19日、福島県生まれ。香港でモデル活動を経て、2005年に香港映画『八月の物語』の主演に抜擢されて俳優デビュー。台湾を拠点としたアジア中華圏や北米などで映画やドラマ、CMなどに出演。2015年のNHKの連続テレビ小説『あさが来た』で人気を集め、翌年にアルバム『Cycle』やアニメ主題歌「History Maker」でも話題に。映画の待機作は、自らが主演、企画、プロデュースを務める映画『Pure Japanese』が2022年1月28日に公開決定、主演ドラマを映画化した『バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版』が2022年公開予定。自身最大となる日本ツアー『Musical Transmute』が開催中。12月に3rdアルバム『Transmute』をリリース予定。

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