NHKの連続テレビ小説『おかえりモネ』(総合 毎週月~土曜8:00~ほか ※土曜は1週間の振り返り)で、清原果耶演じるヒロイン・モネこと永浦百音の母・永浦亜哉子役を演じている鈴木京香。朝ドラ『君の名は』(91)でヒロイン経験もある鈴木だが、地元・宮城県を舞台に東日本大震災について描いた本作には、思い入れもひとしおなのではないか。第20週以降は、モネが気仙沼に帰り、地元で気象の仕事を始める「気仙沼編」がスタートしたが、7日放送の第104回と8日放送の第105回では亜哉子が震災時の後悔を吐露し、視聴者の心を大いに揺さぶった。

  • 『おかえりモネ』でヒロイン・永浦百音の母・亜哉子を演じている鈴木京香(左)と父・耕治を演じている内野聖陽

亜哉子はもともと教師をしていたが、震災時に生徒よりも自分の子どものことを優先して考えてしまった自分のことを悔いて、仕事を辞めたようだ。

鈴木は「まず、そのことを耕治さんに話したのかなとか、誰かに相談したのかなというところを考えたんですけど、脚本を読むかぎり、全く誰にも話してなかったということでした。亜哉子は誰にも言えず、10年もの間、そのことを胸に秘めてきたなんてすごいことだと思いました。告白しない方がいいと、きっと一度は決めたはずのことを今から語り出すのだと思うと、なんだか手が震えてきました」と告白。

「本当に亜哉子と同じ気持ちで、私自身もすごく不思議な気分になったというか、あんなに緊張することってなかなかないですから。亜哉子なりにつらいことで、ずっと自分を責めていたことではあるので、それをモネに聞いてもらった後は、本当にすっきりしました。モネがまた、しっかりと分かったという表情で受け取ってくれたのですごくうれしかったし、それが終わった後は、まさに生まれ変わったような気持ちになりました」と振り返る。

亜哉子は常に弱者に寄り添える懐の深い役どころだが、鈴木自身は亜哉子の魅力をどう捉えているのか。「亜哉子は包容力のある女性で、嫁いできたお義母さんのことをすごく尊敬しています。お義母さん役を竹下景子さんが演じられていましたが、亜哉子も同じように温かい家庭を築きたいということを一番に考えて生活していて、子育てにも励んでいたのかなと」

内野聖陽演じる夫・耕治とのコミカルなやり取りやあうんの呼吸も魅力的。鈴木は「内野さんはまさに熱い男、耕治さんという感じの方なので、現場を盛り上げてます。耕治さんは、娘たちのことが心配で、愛情あふれるお父さん。亜哉子は、自分も多感な少女時代を過ごしてきて、娘たちにとっては女性の先輩とも言えるので、お父さんとはちょっと違う関わり方で娘の成長を見守りたいと思っているのかなと。だから『お父さん、少し落ち着いて』と言うのが私の重要な役割だと思っています」と語る。