マイナビは10月6日、「中途採用実態調査(2021年)」の結果を発表した。調査は7月9日~14日、2021年1~7月に中途採用を行った企業の人事担当者1,600名を対象にインターネットで行われた。

  • 今後の中途採用意向【前年比較】

    今後の中途採用意向【前年比較】

企業の中途採用意向は、「今後は積極的になる」(46.1%)という企業が前年から22.8pt増加。業種別にみると、「IT・通信・インターネット」が54.5%と最も高く、次いで「不動産・建設・設備・住宅関連」で50.6%だった。

社員の過不足感については、「不足している」と感じている企業が38.9%、「余剰を感じている」が28.6%と、全体的に不足感が見られる傾向に。特に、「役職についていない人材」に対する不足感が高く、40.0%の企業が「不足している」と回答。一方で、「課長クラス」「部長クラス以上」では余剰感と不足感が同等か、余剰感の方が強かった。

  • 副業・兼業の導入理由(上位抜粋)

    副業・兼業の導入理由(上位抜粋)

副業・兼業の導入状況について調べたところ、61.3%が「副業・兼業の制度がある」と回答し、前年より11.7pt上昇した。

そこで、副業・兼業の導入理由をひとつだけ挙げてもらったところ、「従業員エンゲージメントを高めるため」(16.4%)が最多となったものの、複数回答で答えてもらった場合には2位に。しかしながら、その割合は前年比15.9pt増と大きく増加している。

一方で、複数回答で1位となった「社員の収入を補填するため」(37.9%)は、前年比5.5pt減で減少傾向となっており、副業・兼業の導入理由は「収入の補填」から「従業員エンゲージメント向上」に変化しつつあることがうかがえた。

  • 2020年7月~2021年6月の男性従業員の育休取得割合

    2020年7月~2021年6月の男性従業員の育休取得割合

2020年7月~2021年6月までの1年間で「子供が生まれた男性従業員」のうち、育休を取得した従業員の割合を聞いたところ、「1人も取得できなかった」が21.8%、「全員が取得した」は1.5%という結果に。全体的に、従業員規模の大きな企業ほど取得割合が高く、人手不足感を感じている企業では取得率が低い傾向が見てとれた。

自社の男性育休の取得率理由を自由回答で聞くと、「人手不足感」「上司の理解」といったキーワードが頻出。また、育休取得割合が高い企業は、「全社的に取得が推奨されている」「上司の理解がある」といった回答が多かったのに対し、取得率が低かった企業は「人手が足りない」「育休を申請できるような雰囲気ではない」が理由として多く挙がった。