今や数多くのメーカーからデバイスが発売され、群雄割拠とも言える「加熱式たばこ」事情。そんな中、8月17日よりJTの「Ploom X」、8月2日よりフィリップモリスジャパンの「IQOS ILUMA」という2つの新型デバイスが発売された。いずれも従来モデルの機能やデザインを刷新した商品とあって、注目が集まっている。今回は両デバイスを比較しながらその魅力を紐解いていきたい。

  • 「Ploom X」と「IQOS ILUMA」徹底比較

「Ploom X」と「IQOS ILUMA」のスペックを比較

まずは、両製品のスペックを比較。一覧表にまとめてみた。それぞれにメリットがあり、どちらも甲乙つけがたい仕上がりであることがわかるだろう。

  • 「Ploom X」と「IQOS ILUMA」のスペック表

次項からは、筆者の使用感などを踏まえながら「吸い応え」「デザイン」などを比べてみていきたい。

※以下のレビューにおける「IQOS ILUMA」は「IQOS ILUMA PRIME」

吸い応えは?

やはり、一番気になるのは"吸い応え"の部分。これに関しては、両モデル共に従来モデルから大きく改善されており、いずれも吸い応えは十分。どちらのほうが吸い応えが強いかというと、どちらも"吸い応えの質が違う"というのが、もっともしっくりくるアンサーな気がする。

  • 気になる両モデルの吸い応えとは

まず「Ploom X」は、正直、前モデルこそ他の高温加熱式のデバイスに比べると吸い応えが弱かったのだが、この新デバイスに関しては十分な吸い応えが感じられる。凄まじい進化。また他社のデバイスと比較して、もっとも"クリアで澄んだ味わい&吸い心地"を愉しめるのが一番の魅力だと思う。ぶっちゃけ、後味が……だったり、雑味が……だったりするデバイスも多いのだが、Ploom Xは文句なしにたばこの味がうまい。

次に「IQOS ILUMA」は、前モデルまでアイコスの最大の特長であり、また弱点でもあったブレードによる加熱が刷新され、味わいは大きく進化。これまではスティックがうまく刺さっていないのか、スティックの個体差なのか、わりと吸い応えにムラが出てしまうことが多かったのだが、新モデルはそれがないので大きくストレスが改善された。またガツンと来る吸い応えも健在。とにかくキックを重視するならば、「IQOS ILUMA」がおすすめだろう。

喫煙時間は?

スティック1本の使用時間は、「Ploom X」がなんと「5分(無制限)」で、「IQOS ILUMA」が「6分(14パフ)」。ちなみに連続使用回数は「Ploom X」は3回、「IQOS ILUMA」が2回となっている。吸う回数やスピードが早い人は「Ploom X」のほうがコスパがよさそうだ。

ニオイは?

「Ploom X」は前モデルより加熱温度が高くなったこともあり、少しばかりニオイが強くなった気がする。対する「IQOS ILUMA」はブレード加熱方式をやめたことで強かったニオイが少し改善されている。現時点では大差がないように感じられた。

デザインは?

両モデル共に、前モデルから見た目も一新されている。特に変化が大きいのは「Ploom X」。ボタンさえも排除されており、とにかくミニマルなデザインとなっている。まさに"近未来のデバイス"といった感じでカッコいい。それとは逆に「IQOS ILUMA」は、素材にアルミを多用した重厚感&高級感が魅力。やはり値段が高いこともあり、質実剛健な印象が強い。

  • 両モデルのデザインを比較

ちなみにカラーバリエーションは「Ploom X」が2色、「IQOS ILUMA」が4色。それぞれアクセサリーが豊富に販売されているので、自分好みのカスタマイズが可能だ。

  • 両モデルのサイズはこんな感じ

シンプルを求めるなら「Ploom X」、高級感を求めるなら「IQOS ILUMA」。ここは好みが分かれそうだ。

機能は?

使い方をみてみると、「Ploom X」はスティックを挿入してパネル中央を押して加熱をスタートさせる。「IQOS ILUMA」はスティックを挿入すれば自動的に加熱がスタート。その点だけを踏まえると「IQOS ILUMA」のほうが使いやすいのだが、そもそも「IQOS ILUMA」は"チャージャーからホルダーを取り出す"という作業が必要になるので、どちらも一長一短と言える。

  • 両モデルの機能を比較

ただ、明確に違うのはデバイスの重さ。「Ploom X」は95g、「IQOS ILUMA」は171.5gと倍に近い重量差がある。軽いほうがいい! という人は「Ploom X」がおすすめだ。

  • 「Ploom X」は95g

  • 「IQOS ILUMA」は171.5g

あと、少し前のデバイスでは考えられない進化なのだが、どちらも加熱ブレードが入っていないこともあり、両製品ともにクリーニングは不要。ありがたい。

価格は?

最後に価格をみていこう。ここは大きな差があり、「Ploom X」が3980円(10月3日まで1980円)で、「IQOS ILUMA」は12980円となっている。さらにスティックにおいても「Ploom X」のメビウスが「540円」、キャメルが「500円」、「IQOS ILUMA」のテリアが「550円」。お財布に優しく、長い目でみてコスパがいいのも「Ploom X」と言えそうだ。

まとめ

まさに一長一短ということもあり、どちらが明確に優れているとは言えないのだが、まとめてみると、下記のことが言えると思う。

・クリアで澄んだ味わいを求める
・コスパを求める
→なら、「Ploom X」

・吸い応えにキックや濃さを求める
・重厚感や高級感を求める
→なら、「IQOS ILUMA」

自身の好みやライフスタイルに合わせて、適したデバイスを選んでほしい。のだが、お金に余裕があるならば、2つとも買い揃えてもいいかもしれない。両デバイス共にそれぐらい優れた製品だと思う。