――バイスには、何かモデルのような存在はいるのでしょうか。

今までの「仮面ライダー」シリーズになかったキャラクターですし、僕なりのオリジナリティも出したいと思っていました。まず意識をしたのは、僕の師匠である関智一さんが「仮面ライダー」シリーズでやってこられた数々のキャラクターです。そこに「ガキ大将」的イメージと、『アラジンと魔法のランプ』に出て来るランプの魔人ジーニー。それらのハイブリッドでバイスを作っていこうと考えました。

バイスの説明を受けたとき、「一輝の体内にいて、鼻とか耳とかから出て来る」って言われて、すごくイメージがわいてきたんです。縦横無尽に動き回って、息継ぎをするとか苦しくなるとか、テンションの上げ下げを状況に応じて調節するとかの考え方はそもそも持ってないんだろうと。とにかくお調子者で、しゃべりまくって、人間離れしている。こんなキャラクターを声で表現できるというのは、非常にやりがいがありますね。

――劇中の一輝だけでなく、ときどきカメラ目線で視聴者側にも話しかけてくれるバイスは、子どもたちに受けるキャラクターになりそうですね。

ぜひそうなってほしいんです。子どものころって、自分だけの「謎の相棒」がいたりしませんでしたか? 大事にしていた玩具の言葉が自分にだけわかるとかね。『リバイス』で、一輝が「他人には見えない何か」としゃべっているのを見ても「ああ、そういうのあるよね」と思われるはず。他人には伝わらないし、見えないし聞こえないけど、自分だけの味方でいてくれる「相棒」がいるんだよ、という部分を強調していきたいんです。そしてテレビを観ている子どもたちに「君はひとりじゃない。秘密の相棒がいるんだぜ」ってメッセージを伝えられたら、うれしいですね。

――アフレコ現場では、一輝役の前田拳太郎さんとご一緒されているのでしょうか。それとも別々に収録されているのですか。

ほとんど2人一緒にやらせていただいています。同じ場所にいることによって、一輝がこうくるのならバイスはこう行くとか、僕(バイス)がこうやってみるから一輝がこんな風に受けてみたらどうとか、別々では出しにくいコンビネーションが生まれると思うので、現状のやり方は理想的だと思います。

――制作会見では、『仮面ライダーリバイス』の主題歌を木村さんが「Da-iCE」とのコラボで歌われるというニュースが話題を集めましたね。

『リバイス』では、一輝とバイスの2人が主役の立ち位置ですよね。声優が主役をやるのは歴代「仮面ライダー」でも初ですし、主役と主題歌のどちらも務めるのも初だと聞いて「マジすか!」と驚くと同時に、めちゃくちゃうれしい!と実感がわいてきました。「仮面ライダー」50周年という節目の作品で、こんな大役を任せていただけたことに感謝です。

――主題歌の“聴きどころ”を教えてください。

Da-iCEさんの伸びやかな歌声で表現される、今どきでカッコいい魅力的な音楽。その中に、このラッパー昴の「ダミ声」が轟くといった、コンビネーションの妙味を楽しんでほしいです。Da-iCEさんと木村昴の相性が抜群で、すごくいい曲になっていますので、楽しみにしてください。

――これから放送開始される『仮面ライダーリバイス』を楽しみにしているファンの方たちのために、ひとことメッセージをお願いします。

『リバイス』はこれまでの「仮面ライダー」50年の歴史を超えて、これからの50年を作っていく「仮面ライダー」になっていくんだろうなと思います。新しい試みにもたくさん挑戦していますし、何か歴史をぬりかえるようなエネルギーを持っている作品だと、参加しながら思っています。バイスについては、主題歌を含めて注目していただきたい点はたくさんあるんですけれど、とにかくテレビを観ている方がワクワクして、面白いと思って、まるで自分にも相棒ができたような気持ちになってくれたら最高にうれしいです。これからもバイスはとんでもなくしゃべり続けますので、みなさんご期待ください! 僕のアドリブのネタが尽きてからが本番だと思っていますんで、頑張ります。どうぞよろしくお願いします!