積水ハウスは8月30日、スマートホームサービス「PLATFORM HOUSE touch(プラットフォームハウスタッチ)」の販売を開始。メディア向けにオンライン記者発表会が行われた。

  • 積水ハウスのスマートホームサービス「PLATFORM HOUSE touch(プラットフォームハウスタッチ)」

100年時代を暮らす住まい方の提案を

同社プラットフォームハウス推進部長・吉田裕明氏によると、これは同社が推進するプラットフォームハウス構想のファーストステップとなるもの。

  • 積水ハウスプラットフォームハウス推進部長の吉田裕明氏

同社ではプラットフォームハウス構想を、「IoTを利用して人生100年時代を生き生きと暮らすための新たな住まい方の提案」と位置付け。いわゆる一般的なスマートホームのイメージとは一線を画すものを提案していきたいとしている。

同社はこれまで、1960年からの30年を第1フェーズとして安心・安全な住まいを、1990年からの30年を第2フェーズとして省エネなどの快適性を追求した住まいを提案してきた。そして、2020年から2050年を第3フェーズと位置づけ、健康やつながり、学びなど、人生100年時代の幸せや快適性を届けていく。そのために、住を基軸としたハード・ソフト・サービスの3つを融合させて提供するグローバル企業へになっていくというビジョンを掲げている。

同社が考える人生100年時代の無形資産、つまり幸せとは何かという概念を「健康」「つながり」「学び」の3点に分解。健康に長く活躍し続け、人とのつながりを持ちながら、新たな可能性を見出すための学びを続けていくことと考え、IoTなどで得た住環境データやライフスタイルデータを蓄積・活用しながら、幸せづくりのパートナーとなっていきたいとしている。

長くパートナーであり続けるためのポイントとして、大きく3つの項目が挙げられた。1つ目はエッジシステムの設置により、住戸内の情報セキュリティが強化されていること。2つ目は、サービスを次々とストールでき、利用できるようになること。3つ目は、ライフスタイルデータと住環境データを蓄積していくこと。利用すればするほど、より有用なサービスをフィードバックできるようになること。これらを実現することで、住まいをどんどんアップデートしていくことができるという。

  • プラットフォームハウスの展開

近年では、住居侵入などの窃盗犯罪が減少している一方で、サイバー攻撃などの犯罪の方が大幅に増加傾向にある。そのような脅威に対応するためにも、セキュリティが最重要項目となっているという。エッジシステムを経由して、インターネットやクラウドに接続することで、高度な情報セキュリティを確保。CCDS(一般社団法人重要生活機器連携セキュリティ協議会)のサーティフィケーションマークを、業界では初めて星2つで獲得している。

会見に同席したCCDS代表理事・荻野司氏によれば、近年ライフスタイルのIT化が進みコロナ禍によってワークスタイルも大きく変化しているが、便利な機器が増える一方で、セキュリティ上のアタックを受ける可能性のあるゲートが増えてしまっているのが現状という。

  • CCDS(一般社団法人重要生活機器連携セキュリティ協議会)代表理事の荻野司氏

同社では、以前より国の指針や業界団体との連携をしながら、サイバーセキュリティに関するガイドラインの提案をたびたび行ってきた。今回のホームセキュリティ分野に関しては、経済産業省や総務省による指針を網羅しつつ、さらに厳重な項目設定を実施。脅威分析やリスク評価もしっかりと行なわれているため、強固なセキュリティ構築に大きな期待が寄せられていた。

アプリからエアコンなど操作、セキュリティや住環境を確認

これらを踏まえて、積水ハウスではプラットフォームハウスのファーストインストール、PLATFORM HOUSE touchの販売を開始する。

  • アプリスクリーンショットの一部

プラットフォームハウスタッチは、スマートフォンを利用した図面連動型のサービス。エアコンや照明などの住宅設備をタイマー操作できる「わが家リモコン」、窓や玄関の異常や火災報知器鳴動の通知、家族の帰宅や外出の通知などの「セルフホームセキュリティ」、温湿度センサーによる部屋の状態の可視化、機器遠隔操作履歴の確認など「住環境モニタリング」を軸にサービス展開する。

  • 「わが家リモコン」

  • 「セルフホームセキュリティ」

  • 「住環境モニタリング」

先行利用した顧客からは、就寝前にアプリから一括で照明をオフしていたり、外出後にエアコンなどの消し忘れや玄関の閉め忘れにアプリで気づけたりしたとの反応が寄せられたという。アプリを使う習慣から、うっかり忘れてしまうということが減少していることがうかがえる。また、帰宅前にエアコンを事前に入れておくといったことにもよく利用されていたとのこと。同社ではこのような生活習慣のログから、ユーザーにフィットした新たな提案もしていきたいとしている。

価格は月額2,200円で、別途初期費用がかかる。当初は積水ハウスの関東地区、関西地区の新築戸建て住宅を先行販売、12月1日より全国展開を予定している(沖縄県を除く)。