コルが運営するウェブメディア「ソーシャルグッドCatalyst」は8月18日、「社会問題・ソーシャルグッドに関する意識・行動調査」の結果を発表した。同調査は8月6日、全国の20~60代の男女1,000人を対象に、インターネットで実施した。
対象者に社会問題への関心度合いについて尋ねたところ、41%が「やや関心がある」、13%が「とても関心がある」と答えた。合わせると、全体の半数強が社会課題に対して関心があるという結果になった。
関心度の高い社会問題について聞くと、最も多い回答は「気候変動(地球温暖化・異常気象等)」(33.9%)で、2位は「高齢化(介護・財政難等)」(30.3%)、3位は「環境汚染(海洋ゴミ・森林破壊等)」(22.4%)だった。
ソーシャルグッドとは、社会に良い影響を与える活動のこと。この「ソーシャルグッド」な言葉の認知度について尋ねると、最も高かった言葉は「SDGs」(73%/名前だけ知っている人まで含む。以下同)だった。そのほか、「代替肉」(66%)、「カーボンニュートラル」(58%)、「ソーシャルビジネス」(55%)、「フェアトレード」(54%)となっている。
続いて、ソーシャルグッドな行動の現状と今後の意向現状の行動について調べた。現状で行っていることで多いものは、「エコバックの利用」(75%)、「ゴミの減量・分別」(66%)、「水や電気を無駄遣いしない」(61%)だった。今後の意向まで含めると、8~9割の人達の行動が期待できる結果となっている。「寄付」や「ボランティア」は現状では11%が行っているが、31%が今後の意向を持っていることがわかった。
消費者を5つの層に分類して、新商品が市場に普及していく段階を分析した理論を「イノベーター理論」という。その理論における「イノベーター」+「アーリーアダプター」と、今回の調査での「社会課題にとても関心がある人」の比率が近しい結果となった。「アーリーマジョリティ」層と「社会課題にやや関心がある人」も概ね近しい数値となっている。
また、社会問題への関心度と、再生可能エネルギー会社との契約状況・今後の意向についても調べた。再生可能エネルギーの電力プラン契約者は全体の9%で、今後の意向がある人は31%となっているが、「社会課題にとても関心がある人」で見ると、27.5%が契約済みで、今後の意向も45.8%と高い傾向にある。「社会課題にやや関心がある人」も9.8%が契約済みで、今後の意向は39.6%と高かった。
実数ベースでは、既に契約している人と今後の意向がある人の両方において、「やや関心がある人」の方が多かった。特に、今後の意向に関しては、「社会課題にやや関心がある人」の方が、、「とても関心がある人」より約100人多い結果となっている。
この結果から、業界全体として、または事業を展開している企業にとって、「社会課題にやや関心がある人(アーリーマジョリティ層)」の特性を把握し、効果的なコミュニケーションを図っていくことが成功の鍵であることがわかる。