パーソルキャリアは8月18日、「アパレル・ファッション業界の『転職求人倍率』」を発表した。調査はアパレル・ファッション業界専門の転職支援サービス「クリーデンス」の2021年4~6月期のデータを基に行われ、求人倍率は求人数(採用予定人数)を登録者数で除算して算出されている。

調査結果は以下の通り。まず、アパレル・ファッション業界の2021年4~6月期の転職求人倍率は、全体では1.13倍だった。業種別では「マーケティング」(3.38倍)、「WEB/EC」(3.30倍)となっている。

  • 転職求人倍率

そして、新規求人数の推移では、新型コロナウイルス流行前の2019年4~6月期と比較し、新規求人数は90.8%となっている。

  • 2019年4~6月を100としたときの新規求人数の推移

次に、エリア別でみると、関東・中部・九州エリアの転職求人倍率は1.0倍を上回り、関西エリアのみ0.70倍だった。

  • エリア別 転職求人倍率

同社は「この背景の1つに、関西エリアの求人の大半を占めている販売職のニーズの低下があります。関西エリアは、売り上げ不振に伴い店舗閉鎖が相次ぎました。さらに他のエリアと比較して新規出店の予定も少ないことから、販売職の求人が少なくなっています。また、大手企業は関東エリアの採用に注力する傾向が強い一方で、関西エリアに本社を構える中小企業は、採用コストを削減するケースが多く、求人数の戻りが鈍化していることが挙げられます」とコメントする。

また、「2019年4~6月を100としたときのエリア別新規求人数の推移」をみると、九州エリアでは、2020年10~12月期に求人が急増し、「これには2つの理由が考えられます。1つ目は、福岡県にある商業施設のリニューアルや建て替えが相次ぎ、新規出店する企業の求人が増加したこと。2つ目は、沖縄県の求人数が増加したこと」と解説する。

  • 2019年4~6月を100としたときのエリア別新規求人数の推移