東京商工リサーチは8月16日、「破産会社の社長破産率」調査の結果を発表した。2020年度(2020年4月~2021年3月)に官報に破産開始決定が掲載された法人5,552社(株式会社、有限会社、合同会社)と、社長個人を調査した。

破産会社の68.2%で社長個人も破産

  • 倒産企業の社長破産率(出典:東京商工リサーチWebサイト)

2020年度に破産した5,552社のうち、破産開始決定を受けた社長は3,789人で、社長破産率は68.2%に達した。社長個人の破産開始決定の時期は、法人と同時が3,445件(構成比90.9%)で、「破産会社の社長の大半は、会社と同時に個人も破産開始決定を受けている」ことがわかった。

「社長破産会社」(銀行取引停止、民事再生法などの申請後、破産に切り替えた会社を除く3,608件を対象)と2020年度の全破産(負債1,000万円以上)の構成比を産業別にみると、建設業の社長破産率が17.68%で、全倒産(15.59%)と比べて2.0ポイント高かった。同調査では、「社長個人の資産投下や担保提供が負担になっているようだ」と推測している。

原因別では、「販売不振」の社長破産率が76.91%で、全倒産(74.57%)を2.3ポイント上回った。また、「既往のシワ寄せ」も10.31%と、全倒産(9.71%)より0.6ポイント高かった。

資本金別(全倒産から個人企業他1,434社を除き比較)では、1,000万円以上5,000万円未満は比率差5.4ポイント減(社長破産率30.01%、全倒産35.48%)、5,000万円以上1億円未満は1.8ポイント減(同1.85%、同3.68%)、1億円以上は0.64ポイント減(同0.30%、同0.94%)と、大会社ほど社長破産率は低いことがわかった。

※負債1,000万円未満も対象。同一社長で複数の会社が破産している場合、事件番号が若い1社のみが対象となっている。