濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』(8月20日公開)が、先日行われた第74回カンヌ国際映画祭の脚本賞を日本映画として初受賞したことを記念して、dTVが「過去10年間で最高賞(パルム・ドール)を受賞した好きな映画作品」に関するアンケート調査を実施。アンケートの結果から “家族愛”と“社会格差”をテーマにした作品がdTVユーザーからも高い評価を得ていることが明らかになった。

  • 『万引き家族』

今年のパルム・ドールには、自動車と性的関係を持つヒロインが登場する独創的な映画『Titane』が選ばれたが、dTVが今回実施したアンケートでは、家族ぐるみで軽犯罪を重ねる一家の姿を通して、人と人とのつながりを描いたヒューマンドラマ『万引き家族』が236票を獲得し堂々の第1位に。同作は第71回カンヌ国際映画祭(18年)で、日本映画としては97年の『うなぎ』以来21年ぶりとなるパルム・ドールを受賞したほか、第91回アカデミー賞で日本映画では10年ぶりとなる外国語映画賞ノミネートを果たすなど、海外でも高い評価を獲得している。

続いて第2位には、裕福な家族と貧しい家族の出会いから始まる物語を描いた人間ドラマ『パラサイト 半地下の家族』が203票を獲得しランクイン。第72回カンヌ国際映画祭(19年)で韓国映画初となるパルム・ドールを受賞した作品で、第92回アカデミー賞でも外国語映画として史上初となる作品賞を受賞したほか、監督賞、脚本、国際長編映画賞の4部門に輝くなど世界的に注目を集めた。

どちらの作品も“家族”と“社会格差”がテーマとなっており、“貧困”という現代の社会問題を描いている。また、家族ぐるみで犯罪を犯す描写がある一方で、家族愛にあふれている点も2作品の共通点となっている。『万引き家族』を選んだ理由として、「描き方が難しい社会背景をうまく捉え、エンターテイメントへと昇華させた傑作」(50代男性)、「家族とは血のつながりだけでなく互いを思いやる、互いを必要とする事が大事だと考えさせられる映画」(60代女性)などの声があがっている。また、『パラサイト 半地下の家族』を選んだ理由としては「身近にはいないけど、家族を思う気持ちが非常に強い作品だから」(40代女性)、「一般的な角度からではなく弱者の視線を感じられて共感できた」(30代男性)などの声が寄せられた。

また、過去10年間の受賞作品以外では、『パルプ・フィクション』、『麦の穂をゆらす風』、『白いリボン』、『エレファント』、『ピアノ・レッスン』、『うなぎ』、『戦場のピアニスト』、『息子の部屋』などの作品名があがっている。

■過去10年間でパルム・ドールを受賞した好きな映画作品TOP10

1位.『万引き家族』(236票)
2位.『パラサイト 半地下の家族』(203票)
3位.『ツリー・オブ・ライフ』(33票)
4位.『わたしは、ダニエル・ブレイク』(28票)
5位.『ブンミおじさんの森』(17票)
6位.『ザ・スクエア 思いやりの聖域』(14票)
7位.『アデル、ブルーは熱い色』(13票)
8位.『雪の轍』(10票)
9位.『愛、アムール』(9票)
10位.『ディーパンの闘い』(4票)
※複数回答可

調査方法
調査期間:2021年7月1日~17日
調査対象:dTV有料会員
調査方法:インターネットによるアンケート(※複数回答可)