東映特撮ファンクラブ(TTFC)のオリジナル作品として配信中の『仮面ライダーセイバー×ゴースト』(監督:坂本浩一)は、タイトルのとおり『仮面ライダーセイバー』(2020年)と『仮面ライダーゴースト』(2015年)が夢のタッグを組む、仮面ライダーコラボ作となった。
『セイバー』と『ゴースト』両方を手がけたメインライター・福田卓郎氏による本作のストーリーは、2017年に発表された東映Vシネマ『ゴースト RE:BIRTH 仮面ライダースペクター』の後日談にあたる。同作品で仮面ライダースペクター/深海マコト(演:山本涼介)に倒されたダントン(演:ジェームス小野田)の野望を受け継ぐ3人の手下たちが、マコトの最愛の妹・カノン(演:工藤美桜)の“姉妹”を狙い、彼女を守るために仮面ライダーセイバー/神山飛羽真(演:内藤秀一郎)と仮面ライダーゴースト/天空寺タケル(演:西銘駿)が力を合わせている。
今回は、『仮面ライダーセイバー×ゴースト』および続編の『仮面ライダースペクター×ブレイズ』(配信中)で天空寺タケルを演じた西銘駿が登場。久々の「仮面ライダー」現場の雰囲気や、"後輩ライダー"セイバーとの共演についての思いを、明るく活発な笑顔を交えながら語ってくれた。
――西銘さんがタケルを演じられるのは『仮面ライダージオウ』(2018年)のEP13、14以来となりますね。『仮面ライダーゴースト』テレビシリーズを終えて以来、さまざまなお仕事を経験した後、ふたたび“レジェンドライダー”として帰ってくるときのお気持ちから聞かせてください。
僕はいま23歳で、ほかのドラマの現場ではまだまだ若手に入ります。これからもっともっと勉強していかないと……という時期なので、レジェンドライダーなんて言われたらちょっとプレッシャーを感じてしまいますね。でも、仮面ライダーの現場で学び、培ってきたものは非常に多いので、"後輩ライダー"に少しでも「こういう風にやればいいのかな」と感じてもらえるよう、頑張ろうと思いました。
――仮面ライダーの現場に「帰ってきた」と実感するのは、どんなときですか。
それはもう、撮影スタッフの方々と再会した瞬間ですね。みなさんの顔を見たとたん、ホームに戻ってきたなという気持ちになります。『仮面ライダーゴースト』でタケルを演じていた1年半は、家族よりもスタッフさんと一緒にいる時間が長かったですから。懐かしい顔ぶれを見て安堵する一方で、いま現場にいらっしゃらない方のお話をうかがったりすると、もうけっこうな月日が経ってしまったんだなあ……と、悲しくなることもありました。
――当時は助監督だった上堀内佳寿也さんが、今や仮面ライダーやスーパー戦隊のメイン監督として活躍されているというのも、年月を感じさせる出来事のひとつですね。
確かにそうですね! 僕の中で一番びっくりしたことです。『ゴースト』をやっているときは、諸田(敏)さんが監督、カミホリ(上堀内)さんが助監督というコンビのときが、もっとも怖かった。諸田さんが役者に「もっとやってほしい」という部分がカミホリさんに伝わっているから、現場で僕らが芝居をしていて、諸田さんが「うーん……」なんて言うと、カミホリさんが「そうじゃないんだよ!」と僕たちに怒ってくるんです。第1話からそんな感じでした。カミホリさんはあのころからもう、心は監督でしたね。俺はこうやりたい!というしっかりしたものを持っていた。その後、カミホリさんの監督作品『仮面ライダー平成ジェネレーションズ FINAL ビルド&エグゼイドwithレジェンドライダー』(2017年)にも出演しましたが、カミホリさんに芝居を見せるときはまだ緊張しますね。
――今回の『セイバー×ゴースト』『スペクター×ブレイズ』を演出した坂本浩一監督も『ゴースト』で印象的なエピソードをいくつも手がけられていました。
坂本監督の回は楽しいんですよ。アクションがとにかくすごいでしょう。でも僕たちに動きをつけるときは「いいよ、好きにやっちゃって、パンパンパーン!って行けばいいから」みたいに言って、やるほうとしては「大丈夫かな、ホントにカッコよくなるのかな」って、ちょっと不安になるんですよ。でも映像を観ると、めちゃめちゃカッコよくなってて、凄かったですね。坂本回は変身前のアクションシーンがたくさんあって、いつも楽しみでした。変身ポーズを取っている間に敵が襲ってきて、倒してから「変身!」とか、面白かったなあ。