俳優の佐々木蔵之介が主演するテレビ朝日系ドラマ『IP~サイバー捜査班』(毎週木曜20:00~)が、きょう1日に2時間スペシャルでスタートする。

  • 左から福原遥、間宮祥太朗、佐々木蔵之介=テレビ朝日提供

■佐々木蔵之介が、サイバー捜査のスペシャリストに

同作は「サイバー犯罪の脅威」×「人間ドラマ」を融合させた新しいミステリーで、京都府警本部が新たに設立した「サイバー総合事犯係」の物語を描く。「サイバー総合事犯係」は、ネット分析やプロファイリングなど最先端の機器とスキルを持っているにもかかわらず、回ってくるのはネット犯罪の下調べや後片付けなど面倒な仕事ばかり。「総事係」=「お掃除係」と揶揄されている。

佐々木が演じるのは、サイバー総合事犯係主任で、超デジタル人間のサイバー捜査スペシャリスト・安洛一誠(やすみや いっせい)。知識や捜査スキルはピカイチだが「0か1で割り切れない感情に固執するのは時間の無駄」と言い放ち、極度の無駄を嫌う。事件に思いを巡らせながらお茶を点てたり、かなりの出不精のため、たまに現場に出向くと「安洛主任が捜査に出た!」と皆を驚かせてしまうなどの変わり者だ。

そんな安洛の部下として古宮山絆(こみやま きずな)が配属される。絆は亡き母が遺した1枚の写真から安洛が自身の父親かもしれないと考え、この部署への配属を希望した。安洛にも物怖じしない真っ直ぐで人情派の新人刑事を、福原遥がみずみずしく好演している。2人は本当に親子なのか。謎多き安洛の過去とは。1話完結型のミステリードラマだが、キャラクターたちにまつわる物語を全編を通して追いかけていくことになる。

■絵に描いたような“エリート”役演じる間宮祥太朗 だが裏の顔も

優秀なメンバーが集結しながらも、安洛に負けず劣らずクセ者ぞろいのサイバー総合事犯係。刑事ドラマ=スーツというイメージを崩す安洛の羽織姿が印象的だが、他のメンバーもTシャツなどのラフな装いが多い。中でも、吉村界人演じるコミュ障気味の岡林琢也が着ているTシャツは遊び心満載なのでぜひチェックしてほしい。

そんな中、第1話では真っ黒なスーツでビシッとキメているのが間宮祥太朗演じる多和田昭平(たわだ しょうへい)。元捜査一課である多和田は捜査への勘も鋭く、現場での捜査もほぼメイン担当としてこなすなど、絵に描いたようなエリート。絆を気遣って優しい声をかける先輩ぶりにキュンとする視聴者も多そうだ。しかし、実はある人物から安洛に関する“密命”を受けているという、裏の顔を持っている。羽織で変わり者を演じる佐々木と、黒スーツでエリート役を務める間宮、2人の対比はビジュアルとしても面白く仕上がっている。

■身近なサイバー犯罪を学べて、防犯意識が高まる

「サイバー犯罪」と聞くと、なんだか難しそうと感じる人もいるかもしれないが、そこは一切心配無用。事件や物語に関係のある言葉は、イラストや動画を使って非常に分かりやすく解説される。たとえば、誰もがニュースで耳にしたことがある「フィッシング詐欺」。聞いたことはあるが、説明しろと言われると難しい、そんな言葉をドラマを楽しみながらしっかりと理解できるようになる。

第1話では、被害者の胃の中からUSBメモリが発見され、1人の刑事がパソコンに挿してしまったことで、京都府警本部内のありとあらゆるネット機能がすべて停止してしまう。そして安洛たちは捜査の末、ある「ブログ」にたどり着く――。この一件からも、「もし怪しいUSBメモリを拾っても、むやみにパソコンに挿してはいけないな」「自分がもし突然亡くなったら、ブログは削除されず残り続けてしまうのか」と思わず考えさせられる。身近なインターネットコンテンツやサイバー犯罪に対する防犯意識が高まるであろう今作の題材。今後、どんな事件を取り扱っていくのか注目したい。