■料理人でもワクワクするグルメ作品4作

―― これからまだまだ外出自粛は続きそうです。そんななかでおうち時間を楽しめるグルメ作品として、「食戟のソーマ」のほかに城二郎さんグルメ作おすすめの品を教えてもらえますでしょうか?

料理人 城二郎 : 漫画作品では「おいしい関係」と「フェルマーの料理」、映像作品では「二つ星の料理人」「天皇の料理番」。最近の作品だと「グランメゾン東京」も面白かったですね。

―― それは個別に城二郎が面白いと感じるポイントを教えていただきたいです!!

▼おすすめ漫画「おいしい関係」槇村さとる

料理人 城二郎 : 昔ドラマにもなっていた作品なのですが、料理についての本格的な知識も学ぶことができる、とても面白い作品です。僕がシェフになってから読んだ作品ですが、主人公もシェフだという共通点もあり、とても楽しく読むことができました。最終的には恋愛がベースとなっていくのですが、それでもグルメ作品としてとても面白いですよ。

▼おすすめ漫画「フェルマーの料理」小林有吾

料理人 城二郎 : こちらは僕の動画の視聴者さんに教えていただいたのですが、料理の美味しさを追求するために数学的な発想を生かしていくという、ほかにはない新鮮な展開がとても面白い作品です。一見現実とはかけ離れているようにも感じられますが、飲食業界にはIT企業に務めた後、三ツ星シェフになったという珍しい経歴を持たれている方もいらっしゃいます。そういった方等をモデルにしているのかもしれませんね。

▼おすすめ映画「二ツ星の料理人」

料理人 城二郎 : 海外の映画作品なのですが、厨房内での雰囲気などがかなりリアルに再現されいるので、臨場感と親近感を得られる作品です。より現実に近い空気を体感してみたいという人にはおすすめです。

▼おすすめドラマ「天皇の料理番」

料理人 城二郎 : ストーリーも魅力的なのですが、主演 佐藤健さんの包丁使いにとにかく驚かされる作品です。あの包丁さばきはプロでもできない人がいるほどのスピードだと思うので、ぜひ観ていただきたいですね。

▼おすすめドラマ「グランメゾン東京」

料理人 城二郎 : こちらはつい最近放送されていたドラマですが、とても面白かったですね。ミシュランから三ツ星を獲得する明確な目標があるため、わかりやすく楽しめる作品です。また、作中のミシュラン発表会では現実で行われた発表会の映像が合成して使用されており、僕自身の体験も思い出せるシーンもあり、とても面白かったなと思っています。

―― 料理人ならではの視点を教えていただけたので、より深く作品を楽しめそうです! おうち時間も退屈せずに過ごせそうです、ありがとうございます!

■「料理=面倒くさい」から「料理=充実した時間」に

―― 自炊ばかりで疲れてしまっている人もいるかと思うのですが、どのように料理と向き合っていけばよいのでしょうか。

料理人 城二郎 : どんなに料理が面倒でも、お腹がすけば食事をしなければなりません。なので、料理自体への考え方を転換し、料理は充実した時間として、自身を労わるためのストレスを逃がす方法として考えていただきたいなと思います。

料理人 城二郎 : 食パンにチーズ、市販のトマト缶で簡単に即席マルゲリータを作ってみたり、白いごはんの上に炒めたベーコンと生卵を乗せて即席カルボナーラ丼を作ってみたり。簡単な料理はたくさんあって、3分で作れてしまうものもあります。ですので肩に力を入れず、美味しく楽しんでほしいと思います。

―― 料理へのマインドチェンジですね。

料理人 城二郎 : おっしゃる通りです。例えば、社会人の一人暮らしではコンロの数が限られており、キッチンスペースも狭い。料理後の洗い物も増やしたくないと思う人はきっと多いはずです。それはきっと主婦の方も同じですかね。

料理人 城二郎 : そこでは、フライパンひとつですぐ作れる生姜焼きなんかをおすすめしたいです。生姜もたっぷりと入れて洗い物の少ない品を選べば、料理の時間が身体をあたため、満足感を得るまでの前準備に代わりますよね。料理は面倒なことではないと考え、自分に合った楽しみ方を発見していってほしいです。

―― それにはリラックスして料理を楽しむことが大切かもしれませんね。ちなみに、城二郎さんはプライベートでどのような料理をされているのですか?

料理人 城二郎 : 日ごろからフレンチを食べているので、自宅では和食や中華を楽しむ機会が多いですね。また、僕は納豆が大好きなので、レストラン勤めの時期には仕事終わりに納豆ごはんを3杯食べている時期なんかもありました(笑)。

―― 和食を食べられているというのも驚きですが納豆ですか……! 意外過ぎました。

料理人 城二郎 : 1パックで完成された納豆の味わいのバランスには感心してしまうほどですよ! サクッと食べられて美味しいのも最高ですよね。ほかに最近は横浜家系ラーメンにハマっていて、いつかVlogをとりながら実際に作ってみるのもありかなぁなんて考えています。

―― それはぜひ実現していただきたいです!

料理人 城二郎 : まだまだ検討中ですが、機会があれば挑戦しようと思います!


グルメというひとつのジャンルのなかでも、食べる、作るといった根本的な楽しみ方を追求することはもちろん、料理を題材としたエンタメ作品の深掘など楽しみ方は無限大のようです。次元を越えて飯テロしてくる"漫画飯"、それが現実でも美味しく食べられることがわかった今、この長いおうち時間を使って試さない理由はないと実感しました。

なお料理人城二郎さんは今後、視聴者の方々も城二郎さんの食事を食べられる空間を作るためにお店のオープン等も視野に、動画配信を続けていくとのことです。みなさんも自宅での時間を充実させるために、YouTubeやTikTokをのぞいてみてはいかがでしょうか。