2020年9月に結成されたダンスボーカルユニット「BUDDiiS」。デビュー前からSNSで話題となり、TikTokではフォロワーが20万人を突破(2021年6月現在)するなど、大きな注目を集めている新進気鋭のグループの1つだ。

YouTube、TikTokではバラエティ要素のある動画でほっこりするような魅力を見せたかと思えば、パフォーマンスではハイセンスなサウンドと共に大人数による鮮やかなフォーメーションダンスが展開され、そのギャップに驚かされるユーザーが多く、SNSでもそうした点が話題となっている。

そんなBUDDiiSは、ダンスボーカルグループで活躍した経験を持つメンバーから、今回アーティストデビューを果たすメンバーもおり、個性、特技、経験についても様々なバックボーンを持った11人によって構成されている。個性豊かなメンバーたちが集められたこのグループだが、どのように今のような形に作り上げてきたのだろうか。話を聞いていると、普段目にすることができる姿とは少し異なり、真摯にBUDDiiSというグループに、仲間に、将来に、メンバー全員で真剣に真っすぐに向き合い、考えている姿を垣間見ることができた。

今回は先日デビューを迎えたばかりの10人(※メンバーのHARUKIは学業の都合で欠席)に対しインタビューを行い、グループやメンバーに対する想いから、新曲に関する話などを語ってもらった。

  • 1列目左からKANATA、FUMIYA、SHOOT、2列目左からFUMINORI、TAKUYA、SHOW、YUMA、3列目左からMORRIE、KEVIN、SEIYA

    1列目左からKANATA、FUMIYA、SHOOT、2列目左からFUMINORI、TAKUYA、SHOW、YUMA、3列目左からMORRIE、KEVIN、SEIYA

■YouTubeは素の姿「カメラが回ってなくても、いつもあのままです」

――先ほど動画を取らせて頂きましたが、グループの雰囲気が仕上がっている感じですね。

KEVIN:いやいや、全然です。

FUMINORI:メンバーに対してのツッコミも僕しかしてないですし……(笑)

――皆さんご自身から見て「BUDDiiS」はどういうグループだと思いますか?

FUMINORI:ギャップがあり、色々な姿が見られるグループだと思います。ダンスボーカルのパフォーマンスが軸となっていますが、2021年4月からスタートしたYouTubeチャンネルではそうした姿からは想像もつかないようなバラエティにも挑戦しています。YouTubeから僕たちを知ってくださった方の中には、アーティストの僕たちの姿を見て驚いた声を寄せてくださる方もいます。

――確かにYouTubeでは「罰ゲームをかけてデスマッチ」「原宿をほのぼの素の姿でお買い物」などパフォーマンスとのギャップがすごくあるように感じます。普段、撮影はどのように行われているのでしょうか。

FUMINORI:企画はありますが、それに沿って自由に楽しみながら毎回取り組ませていただいています。“素”の僕たちそのものなので、普段、カメラが回っていなくてもあんな感じですよ(笑)

■11人だからできるパフォーマンスは、高い完成度を目指し細部にこだわる。

――では次に、アーティストとしての「BUDDiiS」についてお伺いします。「BUDDiiS」としてパフォーマンスを行う上で大切にしていることを教えてください。

FUMINORI:(メンバーを見渡しながら)みんなの意見も聞きつつお話しできればと思うんですが、BUDDiiSは11人と大人数なので、この人数だからこその魅力を最大限に引き出せるパフォーマンスが主軸となっています。例えばマネをしやすいシンプルなダンスも、11人で息を合わせてパフォーマンスをすることで迫力を出せるし、他のダンスにはない美しさを引き出せるんです。

個々のクオリティを上げることに加え、それぞれが持ち寄った最高のものを、11人で1つのものとしてまとめ上げることで、初めて完成します。だからこそ、パフォーマンス全体を見渡して、振り付けはもちろん、手の位置、しゃがんだ時の身体の高さ、タイミングなど、細部にこだわって調整をしています。メンバーの中でもFUMIYAと僕はダンス経験者なので、気になったところや改善点を出し合うことが多いですが、他のメンバーも気付いたことがあれば意見を出して、その都度、みんなで話し合いながら調整を行っています。

――お話を伺っているとパフォーマンスへのこだわりやプライド、それを支える皆さんのチームワークを感じ取ることができます。BUDDiiSは経験・年齢などが異なるメンバーが集まっているグループですが、どのようにして今のようなチームが作り上げられたのでしょうか。

FUMINORI:僕たち(FUMINORI、MORRIE、KEVIN)とみんなとでは、これまでの経験も、過ごしてきた時間の長さも全てが違いました。さらに初対面同士というメンバーもいて、最初集まった時は正直「どうやってこのチームでやっていけば良いんだろう」と感じたことを覚えています。実はグループとして「こういう方向で行こう」とみんなの意思がまとまったのも、ここ最近なんです。

KEVIN:最初は当たり前ですが、お互いにどうやって接して良いか分からなくて。でも今は「本当に同じ人かな!?」と思うくらい、それぞれのキャラクターが表に出てきてるよね。

TAKUYA:僕はBUDDiiSが結成される前は練習生として、デビューをしてステージに立つことを目標に日々練習をしていました。そして新しいグループを作るというお話をいただくことができたんですが、既に目標としていた“ステージに立つこと”を達成している3人と一緒になると聞いて、実はとても緊張したんです。

YUMA:僕も最初は年齢差もあるし、さらに人数も多いので、今後どういう風にグループが活動していくのか、なかなかイメージができませんでした。

TAKUYA:そんな時、緊張している僕たちに対して3人が積極的にコミュニケーションを取ろうと話しかけてきてくれたんです。色々教えてくれるのはもちろん、ふみ君(FUMINORI)はご飯に誘ってくれたりとか。そうして話す中で、グループをやることに安心感が出てくるようになりました。

FUMINORI:余談なんですけど、以前にTAKUYAとご飯行った時、全然面白くなくて。「もう行くのやめよう」って思ったんですよね……(笑)

一同:爆笑

TAKUYA:えっ! そうだったの!?(笑)

FUMINORI:ウソウソ(笑)。本当はもっとみんなと一緒にご飯に行ったりしたんですが、今の世の中の状況もあるので、落ち着いたらまた再開させたいと思っています。

TAKUYA:実はふみ君、僕以外にもメンバー1人1人をご飯に誘うようにしてくれていたんですよ。

YUMA:あれ、もう全員行った? 俺、まだ行けてないんだけど……!

FUMINORI:誘おうと思ってたら、コロナ禍が酷くなっちゃんだよ。この状況が終わったら、YUMAと行こうと思っています。グループを組むことが決まった時、まずはみんなのことを知りたいと思って、合流した直後くらいからご飯に誘うようにしていたんです。

KEVIN:僕とMORRIEは誘われてないよね(笑)

MORRIE:FUMINORIにおごってもらうご飯は何でもおいしいと思うから、お誘い待ってるんだけどね(笑)

KANATA:3人はコミュニケーションだけでなく、パフォーマンスでもグループをまとめてくれていると思っています。レッスンを重ねるたびに、3人の表現力から大きな刺激を受けたのと同時に、感じていた不安が、心強さに変わっていったんです。

■「自分たちが頑張る姿勢を見せて、グループを引っ張っていこう」

――FUMINORIさん・KEVINさん・MORRIEさんのパフォーマンスが、メンバーの皆さんの刺激となり、意識を変えている様子がうかがえます。

FUMINORI:そういう風にできてたら良いなとは思うんですが……。グループを引っ張っていかなきゃ、という意識は3人とも共通して持っています。でも最初から持ち合わせていた訳ではなく、みんなと同じように、年齢も、キャリアも、過ごしてきた時間もバラバラの全員がどうやってまとまれば良いんだろう、と感じていました。会うたびに3人で話し合いも重ねていたんです。

KEVIN:色々話すうちに、まずはグループ内のパフォーマンススキルの差を少しでも埋めて、みんなで同じ方向を見ることから始めていこうか、ということになりました。そのためには僕たち3人が意識を合わせて、何事にも全力で向き合って取り組む姿勢を見せて行く。そうすれば、自然とみんなついてくるんじゃないかな、と思ったので、まずは自分たちが信じて動くようにしていました。

FUMINORI:加えて、例えば僕はダンス経験者なので、みんなのダンスに対してアドバイスをしたり、KEVINやMORRIEも色々みんなに話しかけたり、意識をしてコミュニケーションを取るようにしました。やっぱり年上であることと、経験が違うことでみんなが委縮してしまって、自分からは話しかけづらいのかなとも思って。さっきみんなが触れてくれたご飯の件もそうですが、メンバー全員で話し合いの場を設けて、それぞれが考えていることや、思っていることを出し合う場も作りました。

SHOOT:そうやってみんなで話し合いをしたり、一緒にレッスンを重ねたりするうちに、それぞれ「上を目指したい」という目標を持っていたことも、改めて確認し合うことができたんです。全員が同じ目標を共有できたことで距離も縮まって「このメンバーで、一緒に頑張ろう!」という気持ちも高まっていきました。人数が多い中で、自分は輝くことができるのかな……と考えたこともありましたが、みんなと1つになれるような目標を確認できたことで、自然とそうした思いもなくなっていきました。

FUMIYA:今でもメンバーで集まって、よく色々なことを話し合ったりしていますが、中でも印象に残っているのは「僕たちはみんなでグループの、自分の、他のメンバーの未来を背負っている」という話です。自分のためにも、他のメンバーのためにも、しっかりと意識を1つにして頑張っていこうと、気持ちが引き締まったことを覚えています。

KEVIN:実は僕たち、真面目に色々なことを考えているんです(笑)

■難易度が高いからこそ「相応しいグループになりたい」と思えたデビュー曲

――では次に新曲のことについてお伺いします。5月19日「CLICK ME」、5月26日「ALIEN BOY」を2週連続配信リリース、デビューをされました。いずれの楽曲もデビュー曲とは思えないテクニックを必要としつつ、グローバルトレンドイメージさせる洗練されたサウンドの曲という印象を持ちました。

KEVIN:ありがとうございます。2曲ともかなり作り込まれているので、今でも毎回パフォーマンス前にドキドキしますし、練習も毎回かなりやり込んでいます。

FUMINORI:確かに、本番前はいつも緊張感がすごいかも(笑)

――この楽曲を初めて受け取った時、皆さんはどのような感じましたか。

KEVIN:最初に楽曲をもらった時、難易度が高い曲だったので一瞬不安もあったんです。でもそうした作品だからこそ「楽曲にふさわしくなければ」と逆に気持ちが奮い立たされました。ここまで作り込んだ素敵な曲をデビュー曲として用意してもらったんだから、僕たちも全力で応えたいし、やりたいなと。

MORRIE:「自分たちの曲ができた」ということは、これまで以上にグループとして結束が強まった大きなきっかけになりましたし、すごく大きなできごとでした。「CLICK ME」に関してはメインボーカルが2人いて、さらにラップなども含めるとメンバー7人も歌唱してるので、それぞれこだわってボーカルも作り込んでいます。全体を楽しみつつ、そうしたところにも注目してよく聞いていただけけると、新たな楽しみ方にも繋がると思います。

ダンスについても「CLICK ME」「ALIEN BOY」共に、僕たちらしい勢いのあるものになっていますし、11人で作り上げるダンスパートも多く用意されています。2曲とも「BUDDiiS」の挨拶代わりとなる楽曲として、自信をもってお届けできる仕上がりになっています。この記事を読んでいただいている方が楽曲を気に入ってくださったら、「ここが良かった!」という気に入ったところを、SNSなどを通じて僕たちに教えていただけると嬉しいです!

■目の前のことを大切に、全力で取り組む「結果は自然についてくるもの」

――最後にBUDDiiSとして今後目指したいもの、目標を教えてください。

FUMINORI:今は、まずしっかりと次にあることに向かって全力で取り組んで、次に繋げていくことに集中をしています。そうして積み上げたものが、いつの間にか将来に繋がっていると良いなと思っているんです。

KEVIN:あんまりゴール的なものは決めたくないよね。

FUMINORI:そうそう。やっていることがどんどん広がっていって、結果が自然とついてくるのが素敵だなと思っているので、そうした未来を自分たちで掴んでいきたいです。

KEVIN:将来、アーティストだけなのか、それ以外の活動もあるのか、BUDDiiSとしてどういう方向も行けるのか、走り出したばかりでまだまだ分からない所もあります。今はYouTubeやSNSも頑張って、アーティストも頑張っていく。この全てを伸ばせているアーティストはまだ世の中に多くはいないので、今後色々な可能性を広げていけたら良いなということをみんなで話しています。

――おまけ:今皆さんがハマっているものを教えてください。

SEIYA:ゲーム『モンスターハンター』
TAKUYA:アメコミ系の映画(特に『アベンジャーズ』)
YUMA:ゲーム『ウマ娘』
KEVIN:ゲーム『バイオハザード ヴィレッジ』
FUMIYA:漫画『僕のヒーローアカデミア』
FUMINORI:毎日ドリップしたコーヒーを飲むこと
SHOW:漫画『ONE PIECE』
KANATA:ゲーム『エーペックスレジェンズ』
SHOOT:アクセサリー集め。指輪、ピアス、最近だとピンバッチやブローチなど。
MORRIE:寝ること(ぬいぐるみが無いと寝られません)