コロナ禍の影響で、密にならないレジャーとして、キャンプ人気がさらに高まっている。しかし、いざ自分も始めてみようと思っても、キャンプって何をしたらよいのか、何を準備したらよいのか分からない……そんな人も多いのでは?
そこで初心者から中級者向けのキャンプ用品を多く展開するブランド「OUTDOOR MAN」の生みの親でブランドマネージャーを務める"ミスター・アウトドアマン"古川義隆さんに、いまどきのキャンプ事情や失敗しないキャンプの始め方を聞いてみた。
SNSで共有しながら楽しむソロキャンプが人気
「キャンプの傾向としては、密を避けて『ソロキャンプ』がブームになっています」と話す古川さん。
「日頃のストレスを解放したいと一人でキャンプを楽しむ人も多い中、最近はSNSなどで自分のキャンプサイトを投稿して、評価を楽しみながらキャンプしている人が特に増えているようです」。
実際にInstagramで「#キャンプ」と検索すると約550万件もの投稿がヒット。多彩な写真が投稿されていて、その画のクオリティの高さから、たくさんの人がオシャレに、自由にキャンプを楽しんでいるのが十分に伝わってくる。
また、近年は自然の中にありながら安全に管理されているキャンプ場も多く、「男性だけでなく、女性のソロキャンパーも増えている」と言う。
キャンプには、合う人と合わない人がいる。
とはいえ、初心者が、いきなり一人でキャンプに出掛けるのはハードルが高すぎる。では、初めてキャンプする人はどうしたら良いのだろう? 古川さんは「最初のキャンプは、自分でモノをそろえようとせず、レンタル品の活用や、周りにいるキャンプ好きな人と一緒に行くこと」と強く勧める。
「キャンプをするには、テントやシュラフをはじめ、必要になるものがたくさんあります。後々のことを考えて、それらを良いモノでそろえようとする人もいますが、そもそもキャンプ自体が好きかどうか分からないのに、高価なアイテムを購入する必要はありません。後悔しないためにも、まずは“キャンプが自分に合うか見極める”それが一番大切なのです。
結構多いのが、虫がイヤというパターンです。SNSやテレビなどでキレイに見えるかもしれませんが、実際は自然の中で過ごすわけで、虫はたくさんいます。また、場所によってはスマホが使えなかったり、火おこしだけでも一苦労だったり、キャンプでは不便に感じることが多々あります」。
古川さんは、"キャンプは不便を楽しむもの"だといい、その中で「子どもと一緒にテントを張ったり、一緒にご飯をつくったり、夜は星を観察したり。僕はそこに醍醐味を感じています。特に焚き火はすごく楽しい。お酒を飲みながら、息子と焚き火を眺めて、しょうもない話をするだけで、日常にはない充足感と幸福感を味わうことができます」と言う。
まずはデイキャンプから始めてみよう。
自分でキャンプ用品をそろえる必要がある場合は、「安すぎるとすぐに壊れたりするので、中級クラスのアイテムを買うことをお勧めします」と古川さん。
また、周りにキャンプ好きの友だちがいないという人は、「テントが張れてバーベキューもできるような公園などで、練習がてらデイキャンプをしてみると良いと思います。それで大丈夫だったら、次からキャンプ場に行ってみてください」。
ひとくちにキャンプ場といっても、自由にテントが張れる場所もあれば、区画がきっちり分けられている場所もある。
その中でも「最初はトイレや流し台、電源も完備されているような設備が充実しているキャンプ場を選びましょう。利用料は高くなりますが、子どもがいても安心ですし、ホテルを使って旅行するよりも断然安いですから」と古川さんは指摘する。
まだまだ先の見えないコロナ禍で過ごす今年の夏。観光旅行は難しくても、キャンプであれば密にならずに遊ぶことが可能だ。ソロキャンプはもちろん、子どもとの夏休みの思い出づくりにも、ぜひキャンプにチャレンジしてみてほしい。
次回は古川さんから「初心者へお勧めのキャンプ道具」を紹介してもらう。
取材協力:古川義隆(ふるかわ・よしたか)
ライソン株式会社営業部課長・アウトドアチームマネージャー。
2016年9月、アウトドアブランド「OUTDOOR MAN」を立ち上げ1人で60以上の商品を手がける。公式インスタグラムで情報発信も積極的に行っている。