●パリピの世界で力を発揮できるのかは賭けだった
──今回のシングルでは「EVERYBODY! EVERYBODY!」「YOU YOU YOU」の2曲を「チームセリコモ」として歌唱しています。どちらも作詞・作曲をMOTSUさんが手掛けていますが、芹澤さんとKOOさんは曲を聞いたとき、どのような感想を持たれましたか?
芹澤 「EVERYBODY! EVERYBODY!」は、「さすが、すごい!」って思いました。今までのソロ曲は、私に寄せて「かわいらしい曲に」というものが多かったと思うのですが、今回はそれとは違った雰囲気だったんです。これはMOTSUさんから出された使命だ、「やり切らなければ!」と思いました。一度……どころか、初めて聞いたとしても2番ぐらいからもう一緒にノッてもらえるぐらい覚えやすい曲なので、たくさんノッて欲しいです。
KOO 僕もMOTSUもダンス・ミュージックという分野で曲を作ったり、活動したりしていますが、今のダンス・ミュージックって、トラップミュージックか80Sリバイバルが多いんですよ。それで言うとこの曲は、まさに80S・90Sリバイバルで、avex色を思いっきり出している。今の音楽シーンにすごく刺さるものを上げてきたなと思いました。
MOTSU この曲は『異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術』と逆座標にして作ったんですよ。アニメでは、主人公のディアヴロがオタクの世界から2人の女の子に召喚されて、異世界でとてつもない力を発揮する。一方のこの曲は、セリコがけっこうオタクっていうことは分かっていたので、パリピの世界にセリコがやってきたという感じのイメージ。だから、どれだけセリコがパリピの世界で力を発揮できるのかは、賭けでもあったんですよ。90年代の「ザ・ avex」な曲の中に置いたときに、できるのかな? と思っていましたが、ディアヴロばりにやってくれたので、これは作品とけっこうハモれたなと思いました。
──続けて、「YOU YOU YOU」についての感想もお願いします。
芹澤 まずは「この曲大好き!」と思いました。自分の曲でも他の方の楽曲だったとしても、何度も聞くだろうなというぐらい、好みのど真ん中! おうちで「大好き! 好き好き~!」って心の中で叫んでいました(笑)。
KOO ボーカルが前にパンって出てこないと、なかなかこの楽曲の勢いを背負って歌うのは難しいと思うんです。そういう意味では、この曲はセリコの声にすごく合っていて、セリコも自分の魅力をふんだんに発揮してくれていると感じました。
MOTSU この曲はパリピというよりも、わりとアニソンのド真ん中を狙った楽曲です。なかなか恋愛に積極的になれない子に、「透明バリア壊しちゃいなよ! やっちゃいなよ!」みたいなことを、周りでフワフワ浮いている妖精が言う、というコンセプトですね。
●「avexに入ってよかった~!」
──この2曲のレコーディングは、芹澤さんとKOOさんは別進行だったと聞きました。
MOTSU だから実は、MVの撮影で初めて3人が集合したんですよ。「EVERYBODY! EVERYBODY!」は試行錯誤しながら「こんな感じ?」「もっとこんな感じ!」と、その場で育っていった曲でした。最初はセリコのど真ん中という感じで歌ってもらい、そこから、僕の意図する方に寄っていってもらったんです。完成形は狙っていた通りの場所に行けたので、よかったですね。「YOU YOU YOU」の方は最初からセリコのド真ん中だったので、フルスロットルでギューッとレコーディングしました。
芹澤 「EVERYBODY! EVERYBODY!」は、もらった時から「できるかな?」っていう不安があったのですが、レコーディングで色々なアイデアをMOTSUさんがくださって。これまで使ったことがない歌声に挑戦しました。でも、「頑張って初めてやってみました感」じゃなくて、「こなれ感」をどうしても出したかったので、「初めてだけど、歌いこなしている感じ」が出せるように、何回もレコーディングしました。何度も何度も歌って、完成させたんです。何回も歌わせてくれた優しいMOTSUさんに、感謝です!
──「YOU YOU YOU」のレコーディングはいかがでしたか?
芹澤 レコーディングのときに涙が出ました。
MOTSU 「avexに入ってよかった~!」って言っていたよね(笑)。
芹澤 だって、「You & Me」がホントに好きで、すり切れるほど聴いたんですよ! 声優・アイドルとして、田村ゆかり様をすごく尊敬していて。そんなゆかり様と「You & Me」を歌われていたMOTSUさんとこうして一緒に歌えていることが、とにかく嬉しくて。私のレコーディングが終わった後に、今度はMOTSUさんがレコーディングをされて、私の歌声と、MOTSUさんのラップが合わさったものを聞かせていただいたんです。そのとき、涙が溢れました。エモかったですね。
──YouTubeでは、「EVERYBODY! EVERYBODY!」のMVがアップされています。こちらは、どのような仕上がりになっていますか?
芹澤 もう楽曲の内容通り、お二人の世界に私が召喚されたという感じです。
MOTSU まさにその通り!
KOO MV撮影のときは、とにかく動いたよね! イェイイェイ筋とウォウウォウ筋。
MOTSU そうそう! イェイイェイ筋とウォウウォウ筋はぜんぶ使いましたよね!
KOO TRFでも、長年こうやって(手を左右に振る)イェイイェイ、ウォウウォウってやっているんですよ。今回の「EVERYBODY! EVERYBODY!」でも、それをずっとやっているので、肩の運動がすごくできました(笑)。