「さとり世代の社員と職場でうまくいっていない。」という悩みや「さとり世代の社員への接し方に苦労している。」といった悩みを抱えている方は多くいます。生まれた時代や育ってきた環境が違うだけで、考え方や行動がガラリと変わってしまうため、さとり世代の言動が全く理解できずにストレスが溜まってしまうのも無理はありません。

この記事では、さとり世代について解説します。さとり世代が生まれた背景や特徴を知ってコミュニケーションエラーを無くし、ビジネスを円滑に進められるようにしましょう。

  • さとり世代とは?

    さとり世代とは?

さとり世代とは?

「さとり世代」とは、現実的で高望みをしない無欲な現代の若者気質を指す言葉として、インターネット掲示板の「2ちゃんねる」で生まれ、広く拡散された言葉です。2013年の流行語大賞にノミネートされたことにより、インターネットの域を超え、世間一般に広く浸透し始めました。

そんな「さとり世代」という言葉は、若者の「現実を見て、さとりを開いているかのよう」な様子が由来となっているといわれています。

さとり世代に当たる年代

「さとり世代」は1987年~2004年に生まれで、主に2002年~2010年度に行われていた「ゆとり教育」を受けた世代のことを指す言葉です。2021年時点の年齢が17歳~34歳に当たる層で、一括りに「さとり世代」と言っても、10代・20代・30代を含む幅広い年齢層となっています。

一般的に「さとり世代」といわれている年代は上記の年代ですが、実は「さとり世代」に当たる年代の定義は曖昧で、「ゆとり世代」の次に生まれた世代が「さとり世代」だという説も存在するようです。

さとり世代が生まれた背景

まるで現実をさとっているかのように無欲で堅実思考な「さとり世代」は、どのようにして生まれたのでしょうか。「さとり世代」が生まれた背景には、「時代」が大きく関係しているといわれています。

「さとり世代」が生まれ育った時代の特徴として、バブル崩壊やリーマンショックといった世界的大不況や、阪神淡路大震災、新潟中越地震や東日本大震災などの大規模な自然災害が頻発していたことが挙げられます。

そのため「さとり世代」は、幼い頃から厳しい現実と向き合う機会が多く、目の前で起きる悲惨な現実を自分で処理しながらうまく生きてきたのです。

このような環境で過ごした経験により、夢や希望を抱き高望みをするよりも、「今を平和に生きる」という平凡な幸せを願うようになったといわれています。

さとり世代が育ってきた環境

「さとり世代」が育ってきた環境として、世界的大不況や自然災害など負の面もあります。しかし、高度経済成長を終えた日本に生まれてきた世代とあって、モノやサービスが充実しており、欲しい時に欲しいものが簡単に手に入れられた、恵まれた世代です。

そのため、昔の人と比べると幼い頃から比較的豊かな暮らしができており、この環境が「さとり世代」の価値観やパーソナリティに大きく影響しているともいわれています。

  • さとり世代とは?

    さとり世代は比較的豊かな暮らしをしてきた世代です

さとり世代とゆとり世代の違いは?

有力な説では「ゆとり世代」も「さとり世代」の中に含まれるとされていますが、説によっては「ゆとり世代」の次に生まれた世代が「さとり世代」であるともいわれています。

この説によると、「ゆとり教育」を受けたか受けていないかがこの2つの世代を区別するポイントです。省エネやコスパ重視という点においては、「ゆとり世代」も「さとり世代」も同じといえます。

しかし「さとり世代」は、政治的な判断によって取り入れられた「ゆとり教育」の効果が得られなかった「ゆとり世代」を間近に見てきた世代です。その影響もあり、他人の言動に影響されずに「自分の判断で本当に必要なものを見極め選びとる」という特徴が強くあらわれています。

さとり世代の特徴5つ

「さとり世代」が生まれた背景や環境が少しわかってきたところで、次に「さとり世代」の特徴についてくわしく見ていきましょう。

デジタルネイティブ

「さとり世代」の特徴の1つ目は、「デジタルネイティブ」という点です。幼い頃からインターネットが普及し、携帯やパソコンなどの電子機器が身近にあったことから、ネットからありとあらゆる情報を得ています。

一方で、インターネットのマイナスな面もきちんと理解しており、ネット上の情報を1から100まで全て信じるのではなく、自身のフィルターに通し、正確な情報や信憑性のある情報を見極める能力にも長けています。

無欲で冷めている

「さとり世代」の特徴の2つ目は、情熱がなく無欲で冷めているという点です。大きな夢を抱いてそれに向かって汗水流すという泥臭いことは絶対にしません。「さとり世代」は理想を語ったり、夢を抱いたりするどころか、とても現実的で生きていくために最低限必要なことだけをこなし、要領よく生きています。

「今を平和に生きる」ことをモットーとしているので、基本的に欲がなく、現状の生活に特に不自由していなければ、恋人が欲しいという感情も生まれません。「さとり世代」からすると、恋愛はむしろ、平凡な日常を脅かす脅威です。

マイペース

「さとり世代」の3つ目の特徴として、マイペースという点が挙げられます。これは、人のことよりも「常に自分にフォーカスしている」ため、他人にあまり興味がないということです。

相手に合わせることなく、毎度自分の考えや気持ちを重視して行動するため、周りから「マイペースな人」と認識されてしまうことも珍しくありません。

現実主義のミニマリスト

「さとり世代」の4つ目の特徴は、無駄を省くという性質です。本当に必要なものを見極める力が長けていることから、実用性があり、必要最低限のものをそろえる傾向にあります。

「ミニマリスト」という生き方が浸透しているのも、物が多すぎて管理するのが逆に面倒臭いという「さとり世代」特有の考え方によるものです。

ストレスフリーを追い求めている

「さとり世代」の5つ目の特徴として、ストレスフリーという性質が挙げられます。「さとり世代」が何よりも望んでいるもの、それは「ストレスフリーな生活」です。

育つ過程で両親が日々ストレスを抱えながら生きている様子を嫌というほど見てきた「さとり世代」は、成功して裕福になることよりも、気持ちに余裕を持ってストレスなく生活することを重視します。

  • さとり世代の特徴5選

    さとり世代の特徴5つ

さとり世代の働き方

特有の価値観をもつ「さとり世代」にとって「働く」とはどういうことなのでしょうか。ここでは、「さとり世代」の働き方の特徴やマインドセットを紹介します。

会社への帰属意識が低い

「さとり世代」は、会社への帰属意識が低いのが特徴です。「〇〇会社の〇〇さん」としてではなく、「〇〇さん」という個人での認識として働いています。

やらなければいけない仕事だけを効率よく終えたら、あとは自分の時間です。「業務外の付き合いで行く上司との飲み会は労力の無駄で、それならば明日の仕事のために家でゆっくり休むほうがいい」と考える傾向にあります。

会社のために仕事をしているというよりも、自分のスキルを伸ばすために働いているという認識のほうが強いです。

コスパ重視で省エネ思考

「さとり世代」の働き方2つ目の特徴は、コスパ重視で省エネ思考であることです。これは、無駄なことが大嫌いな「さとり世代」特有の考え方で、常に必要最低限の仕事をいかに効率よく終わらせるかを考えています。

お金よりもプライベートの時間を重宝する

「さとり世代」の働き方の特徴に、お金よりもプライベートの時間を重宝するという点があります。

昭和の時代は、出世することや高いお給料をもらうことが成功とされ、そのためにできる限りの努力をしていた人も多いでしょう。しかし、欲がない「さとり世代」にとって、仕事でストレスを抱えながらお金をもらうより、必要最低限のお金さえもらえれば、あとは自分の時間を楽しむほうが幸せでうれしいことなのです。

  • さとり世代の働き方

    さとり世代には、お金より自分の時間を重視するといった働きかたの特徴があります

職場にいるさとり世代の社員のトリセツ

「さとり世代」の独特な価値観や考え方について理解できたところで、実際にどのように人間関係を構築していけばよいのか、職場でのトリセツを紹介します。

程よい距離感を崩さない

「さとり世代」は、自分のペースやパーソナルスペースを侵害されると嫌悪感を抱きます。プライベートと仕事は基本的に別のものとして分けるため、仲良くなろうとしてプライベートの領域にまで踏み込むのはNGです。

精神論を持ち出さない

「さとり世代」に精神論や根性論は通用しません。省エネやコスパを重視する「さとり世代」が一番嫌うのが感情に訴えかけてくるようなことを言う人です。アドバイスや仕事のことは、論理的かつ端的に話すことを心がけましょう。

時間をかけて少しずつ信頼関係を構築していく

そんな「さとり世代」とは、一生仲良くなれないのかというとそんなことはありません。「さとり世代」は、相手の態度や成果を慎重に観察しています。信頼した相手には心を開きますので、急いで距離を縮めようとせずに、時間をかけて少しずつ信頼関係を築いていくことが大切です。

  • 職場にいるさとり世代の社員のトリセツ

    職場にいるさとり世代の社員のトリセツ

さとり世代の特徴を知って上手く付き合っていきましょう

生まれた時代や育ってきた環境が違えばパーソナリティや価値観も大きく変わってきます。マイペースで気が遣えないと思われがちな「さとり世代」ですが、価値観の違いを拒絶したり批判したりするのではなく、受け入れてうまく共存していくことがとても大切です。