JR西日本和歌山支社は13日、長距離列車「WEST EXPRESS 銀河」の紀南コースに関する記者会見を行った。この中で、7月16日から12月22日まで「WEST EXPRESS 銀河」を紀南コース(京都~新宮間)で運行することが発表された。

  • 「WEST EXPRESS 銀河」の紀南コース(京都~新宮間)は7月16日から運行開始する予定

「WEST EXPRESS 銀河」は2020年9月にデビューしたJR西日本の長距離列車。かつて新快速などで活躍した117系を改造した6両編成の車両を使用する。ソファ席やベッドになるグリーン車指定席「ファーストシート」、1人用・2人用のグリーン個室「プレミアルーム」、かつてのB寝台2段式ベッドをほうふつとさせる普通車指定席「クシェット」など連結。4号車は1両をフリースペース「遊星」として使用しており、乗客が思い思いに過ごせるようになっている。

夜行列車にも昼行列車にも使うことができ、比較的リーズナブルな価格で列車旅を満喫できる点も特徴。「WEST EXPRESS 銀河」は2020年9~11月に山陰コース、2020年12月から2021年3月まで山陽コースを走り、その後は6月まで山陰コースで運行される。

  • 「WEST EXPRESS 銀河」紀南コースの記者会見に出席したJR西日本執行役員和歌山支社長の冨本直樹氏

今回の記者会見では、JR西日本執行役員和歌山支社長の冨本直樹氏が出席し、7月16日から12月22日まで運行される紀南コース(京都~新宮間)の概要が発表された。「WEST EXPRESS 銀河」の紀南方面への乗入れは今回が初となる。

往路の京都発新宮行は夜行列車として運行され、京都駅を21時15分に発車し、新宮駅には翌日の9時37分に着く。復路の新宮発京都行は昼行列車として運行され、新宮駅を12時0分に発車し、京都駅には22時24分に到着する。紀南コースでは運転停車などにより、京阪神エリアと紀南を結ぶ特急「くろしお」よりも所要時間を要する。

  • 京都発新宮行は夜行列車、新宮発京都行は昼行列車として運行

  • 「WEST EXPRESS 銀河」の紀南コースは特急「くろしお」より所要時間を要する

  • 串本駅到着後、南紀熊野ジオパークガイドによる橋杭岩の鑑賞ツアーが行われる

運行本数は週2往復程度の上下計84本となる。新型コロナウイルス感染症対策のため、日本旅行が企画・実施する募集型企画旅行として発売され、乗車するには日本旅行の専用サイトから申し込む必要がある。従来の定員は85名だが、紀南コースの定員は約4割減の54名。応募多数の場合は抽選となるため、注意が必要だ。

沿線では、南紀熊野ジオパークガイドによる橋杭岩(はしぐいいわ)の鑑賞ツアーや地酒のふるまいなど、数々のおもてなしを予定している。紀南コースの乗客全員に、新宮~周参見駅エリア7市町村の各種施設でさまざまな特典と割引サービスを受けられる「紀南×銀河パスポート」が付与される。

  • 物販販売や地酒などのふるまいも予定している

  • 車窓から王子ヶ浜の雄大な景色を楽しめる

  • 紀南コースの乗客に「紀南×銀河パスポート」が付与される

旅行代金はコースやホテルのグレードなどにより異なる。参考までに、往路は「WEST EXPRESS 銀河」、復路は新宮駅から新大阪駅まで特急「くろしお」に乗車し、現地で宿泊施設(新宮ユーアイホテル)に1泊した場合、旅行代金は2万6,800円(2名1室)~2万7,100円(1名1室)となる。

なお、紀南コースの運行にあたり、車内において抗菌・抗ウイルス加工を施すなどの感染症対策を実施。安全・安心な環境の中で、「WEST EXPRESS 銀河」の列車旅が楽しめるようになっている。