こんにちは! パーソナルトレーナーの片岡です。だんだんと気温も暖かくなりました。薄着になる機会が多くなり、自分の体に目を向け始めた方も多いことでしょう。それと共に、テレワークも1年間ほど続けて体の疲労を感じる方も多いはず。その疲労感は体にとってのSOSサイン。それを見過ごすとあなたの体は不調を習慣化させてしまい、いつの間にか美しい姿勢とは程遠いものに。

姿勢の悪さは日々の疲れが抜けないだけでなく、ビジネスシーンでも決して良い影響を与えません。そこで今回はその疲労感を解消させるための最善策、「ストレッチ」についてです。ジム経営者でもあり、年間2,000本以上のトレーニング指導を実施しているパーソナルトレーナーの私が、ストレッチのコツを紹介します。

  • ストレッチで疲労感を改善するには?

■疲労を感じる原因は?

疲労を感じる原因から考えてみましょう。まずは腰の疲労感(痛み)も含めて。最も当てはまることは、「座りすぎ」でしょう。コロナウィルス感染予防から生活は一変して運動不足になり、在宅で仕事をされている方は実はこの「座りすぎ」に腰痛の根本原因があったりします。座って姿勢を維持するだけでも、筋肉には疲れが溜まってきます。ましてや、歩く量がかなり減って血流悪化にも。

次に「肩こり」。また日常生活の中で腕は捻った状態がとても多く、これが疲労感をつくる原因になることがあります。特にパソコン作業の長い方は、手のひらがずっと下向き。ずっと捻ったまま。腕から肩や首に繋がるこの筋肉をほぐすことで、肩こり解消に繋がります。

そして「猫背」です。背中を丸めた姿勢になっているとさまざまな不調の原因をつくります。呼吸が浅くなり酸素不足に、そして代謝が低下すると、体重増加にも影響してきます。顔の位置が前に出ると頭が下がり、筋肉に血液が届きにくく、疲労物質が溜まりやすくなり、後頭部に頭痛、肩こりや腰痛、手足のしびれなどが起こる可能性もあります。

■まずは何からやるべきか?

そもそも運動不足という原因もありますが、運動すれば良いということが誰しもに当てはまることではありません。体の状態によっては、運動よりも「ストレッチ」を優先して進めて行ったほうが効率的です。

では「ストレッチ」はどのくらいのペースで始めたら良いのか。1日5分から。可能なら15分。それをまずは2週間続けてみましょう。ストレッチで行った体の使い方が正しいという感覚を身につけるには、2週間は必要です。

その上でストレッチのポイントです。

●呼吸について

基本は鼻から吸って口から吐く。吐きながら正しいストレッチポジションを取ります。

●時間について

ストレッチポジションで30~60秒保ちます。硬くなった筋肉が伸びて、その感覚に慣れるまで30秒は必要です。90秒以上と時間が長すぎる場合は効果が変わりませんので注意しましょう。

●伸ばしたい部位について

背中、胸、二の腕、この辺りの上半身の部位はデスクワーカーには必須です。筋トレを効果的に行えるようにしたい方は、腸腰筋、ハムストリングス、内転筋、この辺りの部位の感覚を高めることでトレーニング効果が高まります。疲労感を無くした後のその先までステップアップしたい方は伸ばすべきでしょう。

■ストレッチの目的

結果的に、前述した症状の改善に効果があるのですが、ストレッチの目的は、体を柔らかくして、開脚ベターッとできるように……が最終ゴールではありません。最終的なゴールは、人それぞれの骨格の位置を正しいポジションにし、関節の使い方を変化させること。

例えば冒頭に説明した、「座りすぎ」ですが、なぜ痛みに繋がるかというと、この姿勢を取ることで肩関節が内側に捻れてしまい、連動する腰や背中、首の後ろの筋肉が引っ張られたままの状態が続くと凝りや痛みになるのです。

しかしストレッチにより肩関節を正しいポジションにすると、前に引っ張られて硬くなった背中の筋肉の緊張が減り、上体を起こす方向に背中の筋肉が働くようになり、筋肉が頑張らなくても楽に正しい姿勢が取れるようになります。

■おすすめストレッチ

そこで今回紹介するのは下記のストレッチです。

・ハムストリングス
・腸腰筋
・肩甲骨

■ハムストリングスのストレッチ(もも裏)

・片膝をついた状態で片脚だけ前に出しておく
・つま先は浮いた状態にする
・骨盤を立てておく

・背中を丸まらないようにゆっくり前に倒していく
・バランスを取りながらゆっくり動かしていく
・へその位置と伸ばしている脚の方向が合うようにする

■腸腰筋のストレッチ(ももの付け根)

・片膝をついた状態で片脚だけ前に出しておく
・お尻を前に押しながら、伸ばしている側の腕を真上に上げていく

・無理に体を反らしすぎないようにゆっくり伸ばしていく

■肩甲骨のストレッチ

・四つ這いの状態から両肘を床につけておく
・両肘と手のひらはピッタリつけた状態にする
・両肘の位置は肩の真下にしておく

・両肘と手のひらが離れないようにゆっくり後ろに動かしていく
・前後に動かしながら肩甲骨の動きを意識していく

いかがでしたでしょうか? ストレッチで硬くなった筋肉を伸ばし、正しい姿勢で毎日を過ごしていきましょう。