日本における第一次ベビーブームであった「団塊の世代」。定年が60歳の会社であればすでに退職している世代なので社内で直接関わることは少ないかもしれません。しかし、お客様に団塊の世代の方がいたり、両親や祖父母などが団塊の世代であったりなどで、何かと関わりがある人は多いでしょう。

この記事では、「団塊の世代」とはどの世代を指すのか、世代の特徴などを紹介します。あわせて団塊の世代に関わる社会問題についてもまとめました。

  • 団塊の世代とは

    団塊の世代の由来や特徴・抱える問題などを紹介する記事です

団塊の世代とは

団塊の世代とは、1947年~1949年に生まれた世代のことです。1951年生まれまでを指す場合もあります。第二次世界大戦が終戦した1945年のすぐ後に生まれました。

「団塊の世代」の由来

「団塊の世代」の由来となったのは、小説『団塊の世代』(堺屋太一著)です。人口がとても多い世代が高齢化したときに、将来起こりうる問題を予測する小説として、月刊『現代』に連載されていました。

「団塊」とは、「地層中にある周囲と成分の異なる物質で、丸みがある大小さまざまな塊状のもの」のことです。この言葉が小説の題名に使われたことで、「団塊の世代」という言葉が広く使われるようになりました。

団塊の世代の2021年現在の年齢

団塊の世代を1947年~1949年に生まれた世代と捉えた場合、2021年現在の年齢は、72歳~75歳です。60歳や65歳が定年となっている会社の場合は、すでに退職しています。年金の受給開始年齢である65歳を超えており、すでに年金を受け取っている世代です。

人口が多い

団塊の世代が生まれたのは第二次世界大戦の終戦直後。日本の第一次ベビーブームにあたり、人口がとても多い世代です。2017年の国勢調査結果を確認すると、その年に生まれた人数が多いことがわかります。

また、団塊の世代の子ども世代と言われる団塊ジュニア世代も、同じように人口が多いです。

  • 団塊の世代とは

    日本の人口ピラミッド(参照:総務省統計局「『人口ピラミッド』から日本の未来が見えてくる!?」)

団塊の世代が育ってきた時代背景

団塊の世代は日本が戦後復興を遂げる、変化が激しい時代を生きてきた世代です。どんな時代背景があったのか、1949年生まれの人を例に紹介します。

西暦(年) 年齢 主な出来事
1949 0歳/出生 第一次ベビーブーム(1947年~1949年)
1956 7歳/小学生 神武景気(~1957年)
1958 9歳 岩戸景気(~1961年)
1964 15歳/高校生・社会人 いざなぎ景気(~1970年)
東京オリンピック
高校進学率69.3%
1967 18歳/大学生・社会人 大学・短期大学への進学率23.7%
1969 20歳 東大安田講堂事件
1973 24歳/社会人 第一次オイルショック(~1975年)
1979 30歳 第二次オイルショック(~1983年)
1983 34歳 ハイテク景気(~1985年)
1985 36歳 円高不況(~1986年)
1986 37歳 バブル景気(~1991年)
男女雇用機会均等法施行
1991 42歳 バブル崩壊
1997 48歳 平成不況(~1999年)
2008 59歳 リーマンショック
2009~2014 60歳~65歳 定年退職
2021 73歳

団塊の世代は、好景気から不況までさまざまな景気を経験している、変遷の時代を生きてきたことがわかります。

  • 団塊の世代とは

    「団塊の世代」は日本に置いて世代別人口が多い世代です

団塊の世代の特徴

時代の変わり目に生まれた団塊の世代には、ほかの世代にはない特徴があります。そんな団塊の世代の強い特徴を紹介します。

高校進学率が高くなってきた世代

団塊の世代が中学校を卒業したのは、1962年~1964年。高校への進学率は64.0~69.3%と、7割近くの人が高校へ進学するようになりました。10年前は高校への進学率が50%前後であったのと比較すると、高校進学率が高くなってきた世代といえます。

大学進学率も20%を超えており、義務教育を終えても進学する人が増えてきた世代。学生運動も盛んでした。

競争意識が強い

団塊の世代は同世代の人口が多いため、受験や就職活動、出世などで、常に激しい競争を余儀なくされました。そのため、競争意識が強い人が多いのが特徴です。

頑張ったら報われるという感覚が強い

団塊の世代が就職してしばらくは、高度経済成長期で日本が好景気にあり、会社の業績は右肩上がりに上昇していきました。その影響から、頑張った分だけ成果を上げられるという価値観を持っている人が多いです。

  • 団塊の世代の特徴

    団塊の世代は高度経済成長期の激しい競争の中生きてきた世代です

団塊の世代と社会問題

団塊の世代はほかの世代に比べて飛び抜けて人口が多いからこそ、抱える問題も多いです。団塊の世代に関わる代表的な社会問題を紹介します。

2007年問題

少し前の2007年に、団塊の世代が60歳に到達することから、会社勤めをしている人がたくさん定年退職することが予想されていました。労働力の減少などさまざまな問題が予想されたことが、2007年問題と呼ばれた理由です。

しかし、年金支給が始まる65歳までの継続雇用が進んだ企業も多く、そこまで大きな問題とはなりませんでした。

労働者不足

働く人数が多い団塊の世代が一気に退職しても、氷河期世代始め若い世代が少ないことから、労働力が不足してしまうことが問題となっていました。とくに懸念されていたのが、企業内で技術やノウハウを継承が断絶されることです。

しかし65歳までの継続雇用が進んだことから、こちらも大きな問題とはなっていません。

団塊の世代が後期高齢者になるのはいつ?

団塊の世代は、2025年には後期高齢者になり始めます。後期高齢者の対象となるのは75歳以上の人や65歳以上74歳以下で一定の障害がある人などです。後期高齢者は医療費の自己負担額が原則1割で、それまでの3割より少なくなります。

2025年以降後期高齢者の対象となる人口が一気に増加するため、現役世代の負担が大きくなることが予想され、大きな課題となっています。

  • 団塊の世代と社会問題

    大量の定年退職や後期高齢者対象年齢への突入は団塊の世代の社会問題のひとつです

「団塊の世代」前後の世代とは

「団塊の世代」はほかの世代と比較されることが多いです。「団塊の世代」とよく比べられる世代の特徴を簡単にご紹介します。

団塊ジュニア世代

団塊ジュニア世代とは、団塊の世代の子ども世代。第二次ベビーブームの世代であり、団塊の世代と同様人口が多いです。就職氷河期世代とも重なり、就職に関する競争がとても激しい世代でもあります。

新人類、しらけ世代

しらけ世代とは、団塊の世代のすぐ後である1955年前後に生まれた世代のことです。学生運動が沈静化したことを引き合いに出されやすく、無気力で何ごとにもしらけた態度をとるとして名付けられました。

もう少し後の1960年代生まれの若者は、ものやお金が豊富な高度経済成長期と子ども時代が重なっていた世代です。戦後のもの不足を知る世代から常識が通じないといわれたことなどから、「新人類」と呼ばれていました。

バブル世代

バブル世代とは、日本がバブルに沸いた昭和末期に就職した世代で、だいたい1965年~1970年頃に生まれた世代のことです。日本がバブル景気まっただ中で企業の大量採用期にあったことや、男女雇用機会均等法が施行されたことなどにより、この頃から男女ともに働く人が増えてきました。

  • 「団塊の世代」前後の世代とは

    団塊の世代前後の世代は年齢が近くても異なる特徴があります

団塊の世代は定年退職後の人も多い世代

団塊の世代とは、1947年~1949年の3年間に生まれた世代のことで、第二次世界大戦後の第一次ベビーブームに生まれた世代とあって人口も多く、競争意識が強いのが特徴です。高度経済成長期も重なって会社の業績は右肩上がりであったことから、頑張ったら報われるという感覚が強い世代でもあります。

会社勤めをしていた団塊の世代は、2007年に大量の定年退職を迎えたことやその後の労働者不足、年金の財源など、人口が多いからこそ社会問題となることも多いです。

子ども世代や孫世代にとっては信じられない価値観に感じられるかもしれませんが、価値観を形成するにいたった時代背景などを理解すると、団塊の世代について理解できるでしょう。