一姫二太郎とは、「1番目の子どもは女、2番目の子どもは男がよい」という子育てに関する言い伝えの言葉です。「子どもは女の子ひとり、男の子ふたりが良い」の意味に勘違いして覚えている人も多いようなので、きちんと意味を理解しておきましょう。

本記事では、一姫二太郎の由来や、実際の子育てにおけるメリットとデメリットなどについてご紹介します。

  • 「一姫二太郎」の意味

    「一姫二太郎」の意味を間違えている人も多いので、正しい意味を知っておきましょう

一姫二太郎の意味・由来

一姫二太郎は、「子どもは1番目が女、2番目は男が良い」という意味の言葉で、子どもを授かる理想的な順番をあらわしています。「一姫二太郎」が意味しているのは子どもの生まれ順と性別で、人数ではありません。1番目の子どもが女の子、2番目が男の子なら、子どもが何人いても「一姫二太郎」になります。

この言葉の由来は、昔から一般的に「女の子の方が育てやすい」と考えられていることからきています。また、男の子を望んでいたのに女の子が生まれて失望する親に対する慰めの言葉としても使われていました。

よくある誤解「一姫二太郎は子どもの数」

文化庁の「国語に関する世論調査」によれば、3割以上の人が「子どもの数は、女の子がひとり、男の子がふたりが理想的だ」という意味と間違えています。意味を間違えていた年代でもっとも多かったのは16歳~19歳の39.9%、次に多かったのは50代の39.2%です。50代の約4割の人が正しい意味を理解しておらず、その割合がほかの年代よりも多くなっています。

誤解される主な理由ですが、「太郎」は男の子の代表的な名前として知られているため、性別では男の子の人数としてそのままとらえてしまっているという説や、「一」姫「二」太郎という数字が並ぶことから人数をあらわす慣用句として「女の子ひとりと男の子ふたりが良い」と受け取られているという説があります。

もともと「太郎」は男の子をあらわすのではなく、「長男」を意味する言葉でした。「太郎」の正しい意味がわかれば、一姫二太郎が「1番目が長女、2番目が長男であるのが理想的」をあらわす言葉であると理解できるはずです。

「一姫二太郎三なすび」とは?

「一姫二太郎三なすび」という言葉もあります。この言葉には「ひとり目が女の子、ふたり目が男の子なら、3人目はカボチャでもなすびでも何でも良い」が由来になっているという説や、「一富士二鷹三なすび」という縁起の良い言葉の誤用とする説があります。

「一姫二太郎三かぼちゃ」とは?

「一姫二太郎三かぼちゃ」は、1948年に旗揚げされた松竹新喜劇の人気演目のひとつです。この演目は、できが悪い三男が家族を救う人情喜劇になっています。一姫二太郎をもじった演目の名前なので、特別に意味を持つ言葉ではありません。

  • 一姫二太郎の意味

    一姫二太郎は「子どもは女の子ひとり、男の子ふたりが理想」という意味ではありません

一姫二太郎のメリット

一姫二太郎は単なる言い伝えではなく、実際の子育てにもメリットがあると考えられています。

一般的に女の子はおとなしいため育てやすく、男の子は育てにくいと言われます。ひとり目が女の子で子育てに慣れていると、ふたり目に男の子が生まれても冷静に対応できます。

また、女の子は小さい頃から比較的しっかりしており積極的に弟の面倒をみてくれるため、母親の育児の負担が軽減できるとも言われます。

  • 一姫二太郎のメリット

    一姫二太郎には、子育てにおけるメリットもあると考えられています

一姫二太郎のデメリット

一姫二太郎には、メリットだけではなく、デメリットも考えられます。たとえば、ひとり目に女の子が生まれて自分の理想とする子育てができたとき、ふたり目の男の子の育児の際に理想とのギャップを感じることがあるようです。

また、下の男の子の育児に夢中になる頃に上の女の子が年頃になるケースもあるため、その強気な発言に頭を悩ませることもあるかもしれません。子どもの人数が多ければ、それだけ子育てに関する悩みも増えることでしょう。

子育てのしやすさは性別で決まるわけではありません。子どもの個性に性別は関係ありません。親の反応や環境など、さまざまな要素によって子どもの性格は決まります。「一姫二太郎」でなかったとしても、まったく気にする必要はありません。

一姫二太郎という言葉の背景には、昔からの性差別が存在しています。昔は「女の子だから」「男の子らしく」など、性別の違いによる決めつけがありましたが、そのような考え方には何の根拠もなく、現在では単に性差別を助長するだけとなっています。一姫二太郎という言葉は、今後使われなくなっていくかもしれません。

  • 一姫二太郎のデメリット

    一姫二太郎にはメリットだけではなくデメリットもあるので過信は禁物です

一姫二太郎が理想的かは家庭によって異なる

一姫二太郎は「子どもはひとり目が女の子、ふたり目は男の子が良い」という、子育てのしやすさを説いた言い伝えです。実際にはメリットだけではなくデメリットもあるので、気にしすぎない方がいいでしょう。

理想的な子育ては各家庭、各個人で異なります。一姫二太郎から学ぶべき部分もありますが、大切なのは「生まれてきてくれたことへの感謝」と「子育てに対する前向きな姿勢」でしょう。

文化庁「「一姫二太郎」の意味