東京国立博物館、天台宗、比叡山延暦寺、読売新聞社、文化庁は10月12日~11月21日、「伝教大師1200年大遠忌記念 特別展『最澄と天台宗のすべて』」を開催する。
本展は、比叡山延暦寺をはじめ、全国各地の天台宗諸寺院等が守り伝えてきた秘仏の数々や、国宝、重要文化財を含む貴重な宝物を一挙に紹介する展覧会となる。
展示は「最澄と天台宗の始まり-祖師ゆかりの名宝」「教えのつらなり-最澄の弟子たち」「全国への広まり-各地に伝わる天台の至宝」「信仰の高まり-天台美術の精華」「教学の深まり-天台思想が生んだ多様な文化」「現代へのつながり-江戸時代の天台宗」の6章で構成。
東京国立博物館でのみ展示される作品としては、重要文化財で、寺外初公開となる秘仏「薬師如来坐像」(岐阜・願興寺(蟹薬師)蔵)、「阿弥陀如来立像」(京都・真正極楽寺(真如堂)蔵)や、最澄直筆の手紙である国宝「尺牘(久隔帖)」(奈良国立博物館蔵)※などが予定されている。
※一部展示替えあり
また、誰もが仏になれるという『法華経』の精神を体感することができる「延暦寺 根本中堂」の一部を会場で再現し、この空間を体験できる予定だという。
天台宗 宗務総長 阿部昌宏(あべ・しょうこう)氏は、「日本各地の寺院で守り伝えられてきた、仏像、仏画、経文など日本の宝を見ることで最澄の精神を感じ取り、人生の糧としてほしい」とコメントする。
なお、本展は東京国立博物館、九州国立博物館、京都国立博物館の3会場での巡回開催となり、各会場で特色と見どころが異なる。
東京国立博物館 学芸研究部列品管理課平常展調整室長 皿井舞(さらい・まい)氏は「『日本天台宗の歴史を通覧』『秘仏本尊を含む、きわめて貴重な宝物が勢ぞろい』『全国展開した日本天台宗の各地域における特色を紹介』の3つが各会場に共通する本展の特色です」と話す。
本展の詳細は展覧会公式サイト、公式ツイッターで確認することができる。
●information
伝教大師1200年大遠忌記念 特別展「最澄と天台宗のすべて」
東京会場:東京国立博物館 平成館 10月12日~11月21日
九州会場:九州国立博物館 2022年2月8日~3月21日
京都会場:京都国立博物館 2022年4月12日~5月22日