普段方から何気なく使っている、からしとマスタードの違いはご存じでしょうか。ざっくりとした違いは分かっていても、具体的に説明することは難しいですよね。この記事では、からしとマスタードの違いについて原材料や、製造方法、風味の違いまでご紹介します。
また、違いだけでなく歴史背景や使い方まで幅広く解説していきますので、これらを参考にして日常生活や、ビジネスシーンにおいてのコミュニケーションの話題として正しい知識を身に付けましょう。
からしとマスタードの違い
からしとマスタードは具体的に「原材料」「製造方法」「風味」の3点に違いがあります。
一見、同じように見えますが、それぞれの違いをしっかりと知ったうえで日々の食卓に彩りを加えてみましょう。ここからは、からしとマスタードの違いについて詳しくご紹介します。
原材料
からしの原材料は和がらしとも呼ばれるオリエンタルマスタードの品種であるのに対して、マスタードはイエローマスタードの粒が原材料です。
それぞれの品種は辛味の強さが異なっています。イエローマスタードは、オリエンタルマスタードに比べて辛味が弱くなっており、からしとマスタードでも辛味や味に違いが表れています。
製造方法
からしは和がらしの種を粉末にした粉からしを水またはぬるま湯に溶かして練って作られたものです。一方、マスタードはからし菜の種だけで作られているのではなく、酢や砂糖、ワインといった調味料が加えられています。
酢には辛味を抑える効果があるため、より辛味が弱く感じられます。調味料が加えられているかどうかでも味に大きな影響を与えているようです。
風味
からしは強い辛味を特徴としていて、薬味として使われることが多いです。しかし、マスタードは比較的マイルドな味わいなのでソースとして使えます。普段のからしとマスタードの使い方を思い出してみましょう。からしを辛いから苦手だと思っていても、マスタードは意外に食べられるという人もいるかと思います。
からしとマスタードの使い方
からしとマスタードは原材料や製造方法が違うため、それぞれの特徴に合わせて使用することでよりおいしく料理に取り入れられるようになります。からしとマスタードの使い方を知って上手に使い分けましょう。
からしの使い方
からしは主に、おでんや、とんかつ、辛子蓮根など和食に使われています。市販の納豆パックにも付属されていますね。しかし、からしの中にも種類がありそれぞれ使用方法が異なります。今回は練りからしと粉からしの2種類それぞれの使い方を紹介します。
練りからし
練りからしとは、からし菜の種子をすりつぶし、粉辛子にしたものにぬるま湯か水で溶いて好みの固さに練ったものです。
スーパーなどでもチューブタイプで販売していたり、納豆のパックなどに付属されていたりするものが練りからしに当たります。すぐに使えるお手軽さから、からしと言われて思いつくのは練りからしという方が多いのではないでしょうか。
粉からし
粉からしとは、からし菜の種を粉末にしたものです。
粉からしは名前の通り粉末状になっているため、少し辛味を足したいというときに便利です。塩とともに粉からしを振りかけるなど、お好みで味を調節しやすく、また、粉からしに湯を加えて自家製の和がらしを作ると新鮮な辛味を楽しむことができます。
マスタードの使い方
マスタードは、からしよりも硬さがなくお酢や砂糖など、調味料を混ぜて作られているためマイルドな風味が特徴です。そのため、マスタードは和食よりもハンバーガー、ホットドッグなどの洋食に使われることが多いです。肉・魚料理のソースにも使用されます。
イギリスマスタード
イギリスでもマスタードはメジャーな調味料です。イギリスでは、サンドイッチやローストビーフ、ステーキなど様々なものにかけて使われています。特徴は、ターメリックを加えているため、黄色が鮮やかあり辛味が強いところです。
サンドイッチにマスタードを取り入れる場合、軽く焼いたパンの片面にバター、マスタードを塗り重ねて、お好みの具材を挟みます。マスタードを加えることで本格的な味わいに仕上がります。
アメリカマスタード
アメリカマスタードも、ターメリックによって黄色く着色され、酢や砂糖によってマイルドになっているマスタードです。
その作り方から、辛味が少なくやや酸味があり、辛いものが苦手な方でも食べやすい味わいで、ホットドッグやハンバーガーなどのジャンクフードには欠かせない存在です。
ディジョンマスタード
ディジョンマスタードのディジョンはフランスの地名からきており、主にフランスで人気のマスタードです。
一般的なマスタードが酢を使うのに対し、ディジョンマスタードでは「ヴェルジュ」と呼ばれるブドウ果汁を使って作られます。そのため、フルーティーな酸味があり、上品な味のディジョンマスタードはドレッシングにも使えます。また、基本のフレンチドレッシングに少し足すと一気にフレンチ料理らしさが増して食卓が華やかになるでしょう。
からしとマスタードの歴史背景
からしは古くから民間療法でも取り入れられてきました。からしの持つ揮発性の高さが気道や肺に刺激を与える効能を期待して、湿布のように胸部に貼って使われていたようです。
また、マスタードもかつて薬として使用されていた歴史があります。ギリシャ人やローマ人は様々な疾病に効果があると考えられていました。
からしとマスタードの代用方法
マスタードが手元にないときはからしで代用が可能です。元々マスタードはからしに酢や砂糖を加えたもののため、からしに調味料を足すとマスタードのような風味にできます。
からしからマスタードを作る簡単な方法は、からしとマヨネーズが3:1になるように混ぜるとマスタードに近づけられます。このからしマヨネーズはマスタードの代用だけでなく、ポテトサラダなどにも使えて便利です。
からしとマスタードの違いを理解して使い分けよう
多くの方が特別意識することがなく、同じものだとさえ思えてしまうからしとマスタードですが、様々な違いがあることが分かりました。
また、からしとマスタードには多くの種類があり、場所や時代といった背景が影響しています。それぞれの特徴を知ることで料理をする際にも役に立つため、違いを知り使い分けるようにしましょう。