• 『ブラックシンデレラ』場面写真

連続テレビドラマ初主演を飾ったMBS・TBS系ドラマ『左ききのエレン』(2019)も俳優としての転機となった。「演技の幅が広がりました。初主演なので出ずっぱりで、体力がついたということもあります。それをやりきれた実感もありました。達成感も。あの時の役は高校生から20代後半まで年齢幅があり、その違いも役に立ちました」。

一方で今の仕事の課題は、「個性がない」ことだと自己分析。「芝居にクセがない。だから観ている人の印象に残らないのではないかと思っています。さっき言ったように自分を空っぽにしている分、一方ではクセがない感じが出てきているなと自分では思っています」。

あちらを立てればこちらが立たずで、俳優業の難しさも感じる日々だ。「本当に難しい。アプローチの仕方にもよると思うのですが、その人らしい芝居が僕にはない。これは課題だなって思います。それはそれで面白味がないのかなって、難しいんですよね」と真剣な目で語る。打開策もまだないという。「わからないですね。なので焦らずに行くしかないかなと。やっていくうちに、もしかしたらできあがってくるかもしれない」。

模索中の日々だが、「ノープランでいい。先のことを考えすぎると不安にもなります」と冷静だ。そして、当面の目標はある。お察しのように冒頭の「イケメン枠から出ること(笑)」だ。「それでファンの方も増えてうれしいので一概には言えないのですが、個人的にはその枠から出たい。でも出られなかったら出られなかったで、しょうがないとも思います(笑)」。無理に気負わず、自然体で前を向く。“国宝級イケメン”は、次なるステージでどういう表情を見せてくれるのか。大いに期待したい。

■神尾楓珠
1999年1月21日生まれ。東京都出身。2015年、日本テレビ24時間テレビドラマスペシャル『母さん、俺は大丈夫』で俳優デビュー。2017年、映画『兄に愛されすぎて困ってます』でスクリーンデビュー。2019年、MBS・TBS『左ききのエレン』で連続ドラマ初主演を務め、社会現象にもなった日本テレビ『3年A組 -今から皆さんは、人質です-』など、立て続けに話題作に出演し注目を集める。その後も、ドラマ『ギルティ~この恋は罪ですか?~』(日本テレビ/2020)、『いいね!光源氏くん』(NHK/2020)、映画『私がモテてどうすんだ』(2020)など、数々の映画・ドラマに出演している。

(C)AbemaTV,Inc