明石家さんまが企画・プロデュースする劇場アニメ映画『漁港の肉子ちゃん』(6月11日公開)の主題歌が、さんまの最愛の曲であり「人生の教科書」だと語る吉田拓郎の名曲「イメージの詩」に決定。この楽曲の歌唱に、10才の人気子役・稲垣来泉(いながきくるみ)が抜てきされた。
吉田の名曲「イメージの詩」を、吉田の盟友・武部聡志が編曲を担い、サウンドプロデュースをGReeeeNが担当。また「小さい女の子に歌ってほしい」というさんまの発案から、この楽曲の歌唱に稲垣が決定した。さんまが声を気にいって選んだという稲垣は、楽曲を歌唱し発表するのは、今回が初めてとなる。
さんまが、レコーディングに挑む稲垣へ「ボブ・ディランのように語りかけるように歌ってほしい。10年の人生経験をフルに発揮していただいて」と場を和ませるとGReeeeNのHIDEによる丁寧な歌の指導によって、稲垣は、のびのびと歌の収録を楽しんだ。
さんまは、「ドラマ『Jimmy~アホみたいなホンマの話~』の時に実感したことで、自分の体に染み込んだ歌でも、今の時代に伝わるんだというのがわかって『イメージの詩』も、何かしらの形で披露したいと思っていたんです。それで、吉田拓郎さんにご連絡をしてOKをいただいて、『女性に歌ってほしいので、歌詞も変えさせてもらいたい』と伝えたら『いいよ、いいよ、さんまちゃんの自由にして』と。それで、女性目線の歌詞にしようと思って、夜通し考えたけどこの曲は、この歌詞でないとダメだということがわかって。女性に歌ってもらいたいけど、歌詞を変えるのはむずかしいから大人の歌詞を小さい女の子に歌ってもらったらいいんじゃないかと」と経緯を説明。
稲垣について、「ものすごい理解力で。クインシー・ジョーンズが、ボブ・ディランに『語るように歌ってくれ』と言ったというエピソードを伝えて、『ボブ・ディランで』と依頼すると『はい。ボブ・ディラン』と、楽譜にメモとってくれたり(笑) 思った以上の『イメージの詩』が出来ました」と称賛し、「この曲が、また世に出てくれることがうれしいです」と喜んでいる。
稲垣は「私は歌は好きですが、うまい方ではなく、とても緊張していました。レコーディングの時は、HIDEさんをはじめスタッフの皆さんが、私にわかりやすく『ここは4時間目の体育の時間が終わった時の感じで歌ってね』と学校の教科の時間で表してくれたので、とても歌いやすくて面白かったです。さんまさんもとても褒めてくれました。さんまさんが声で選んでくれた事に自信を持って私は歌いきりました。さんまさんやスタッフの皆さんが、うなずいてくれたので、とても良い歌になっていると思います」とレコーディングを回顧。
さんまについて「沢山ほめてくれて、笑わせてくれて休憩の時も優しく沢山お話してくれたので、面白くてずっと笑っていました」と話し、HIDEについても「初めてお会いした時、オーラがとても出ていて、すぐHIDEさんかなぁと思いました。ちょっと緊張していたら、HIDEさんから話しかけてくれてとってもうれしかったです。初めてのレコーディングも緊張しないでできました」とコメント。「HIDEさんもさんまさんもいーっぱいお話してくれて、凄く楽しかったので、また沢山お話をしたいです」と語った。
また、エンディングテーマは、さんまと交流のあったGReeeeNの書き下ろし楽曲「たけてん」に決定した。「たけてん」という楽曲名は、さんまからHIDEへ5つほど案を出した中からこの楽曲名が選ばれた。
さんまが直木賞作家・西加奈子の小説に惚れ込み企画・プロデュースした本作は、漁港の船に住む訳あり母娘・肉子ちゃんとキクコの秘密が紡ぐ感動のハートフルコメディ。『ドラえもんのび太の恐竜 2006』(06)、『海獣の子供』(19)の渡辺歩氏が監督を務め、圧倒的クオリティと世界観で多くのファンを持つSTUDIO4℃がアニメーション制作を手がける。肉子ちゃんの声を大竹しのぶ、娘・キクコの声をCocomiが務め、花江夏樹や下野紘、吉岡里帆、マツコ・デラックスらも声優として参加する。
(C)2021「漁港の肉子ちゃん」製作委員会