マイナビと日本経済新聞社が「2022年卒版 就職企業人気ランキング」を発表した。文系首位が東京海上日動火災保険、理系首位が味の素が選ばれた。

就職企業人気ランキングはマイナビが1978年から行っている調査で、2016年度からは日経新聞と共同で実施しており、毎年、高い注目を集めている。

なかなかコロナ禍の収束が見えない今、多くの学生たちはどのような企業への就職を希望しているのか。もう少し詳しく見てみよう。

文系学生には保険会社が人気

今回の調査対象は、2022年3月に卒業見込みの全国の大学3年生、または大学院1年生で、調査は2020年12月1日~2021年3月20日の期間に行った。

  • 【文系】「2022年卒マイナビ大学生就職企業人気ランキング」

文系学生の注目をもっとも集めたのは、東京海上日動火災保険。1982年以来、約40年ぶりに1位を獲得した(当時は東京海上火災)。続いては前年16位だった第一生命保険が大きく順位を上げ、2位に上昇した。

保険関連の人気は顕著で、8位には損害保険ジャパン(損保ジャパン)が、そして惜しくも10位圏内の選出は逃したものの、11位には日本生命保険がランクインしている。

コロナ禍で学生の安定志向が反映されたのか、食品関連で味の素が3位、サントリーグループが9位に選出。また、5位にはインテリア小売業大手のニトリが選ばれ、6位にはソニーミュージック、7位にバンダイ、10位には講談社が選ばれるなど、音楽やゲーム、出版なども人気を集めた。このあたりにも、コロナ禍による巣ごもり需要の増加の影響が垣間見える。

一方、航空会社などはコロナ禍の悪影響がここでも顕著に出ており、昨年まで2年連続で首位に輝いたJTBグループは今回35位に、昨年2位だった全日本空輸(ANA)は64位と大きく順位を下げた。

理系のランキング上位は安定。10社中8社が前回と同じ顔ぶれ

理系の総合ランキングを見てみると、順位こそ微妙な変動が見られるものの、上位10社のうち、8社が同じ顔ぶれとなっている。

  • 【理系】「2022年卒マイナビ大学生就職企業人気ランキング」

文系でも人気だった味の素が前年の2位からさらに順位を上げて首位へ。2016年以来、5年ぶりとなる。

前年1位だったソニーグループも依然として人気が高く、今年も2位にマーク。サントリーグループも順位を1つ上げ3位に、前年9位だった明治グループ(明治・Meiji Seika ファルマ)は4位へと伸ばした。他にもトヨタ自動車、NTTデータ、富士通、カゴメなども堅調で、キヤノンは前年の18位から7位へと順位を上げている。

上位20社を見ると、20社中8社を食品関連が占めるなど、安定した人気業種であることがうかがえる。特に外食する機会が減ったことが影響したのだろう、冷凍食品で知られるニチレイグループに至っては昨年の82位から16位にまで大きく飛躍した。

なお、文系で人気のニトリは理系でも前年の34位から13位にまで順位を上げている。これもやはりコロナ禍でおうち時間が増えたことの影響だと言えそうだ。

ICT系ではSkyが躍進

ICT系の企業として、Skyがランキングに名を連ねていることにも注目したい。前年よりも順位を3つ伸ばして12位に食い込んでおり、「ソフトウエア・ゲームソフト・ネット関連」では1位に選出されている。

4月に入り、就職活動も本格化し始めた頃だろう。コロナ禍で先行きの見えない時代だが、今の社会情勢を踏まえつつ、ぜひ就職企業人気ランキングも参考にしながら就職活動を進めていただきたい。

【参考データ】
「マイナビ・日経 2022年卒大学生就職企業人気ランキング」調査概要
Ⅰ.調査対象:2022年3月卒業見込みの全国大学3年生、大学院1年生(調査開始時点)
Ⅱ.調査期間:2020年12月1日(火)~2021年3月20日(土) Ⅲ.調査方法:就職情報サイト「マイナビ2022」および当社発行の就職情報誌、当社主催のイベント会場でアンケート告知を行い、WEB上のアンケートフォームで回収
■企業人気ランキングは5社連記方式
■選社理由は1 社につき2項目を選択する複数回答
Ⅳ.有効回答: 41,093名(文系男子 12,598人、文系女子17,308人、理系男子 6,568人、理系女子 4,619人)