JR東海は8日、東海道新幹線で実車を活用した異常時対応訓練を実施すると発表した。東海道新幹線では大規模災害や不測の事態の発生に備え、社員の対応能力を向上させるため、各現業機関での通常の教育訓練に加え、実際の新幹線車両を活用した実践的な大規模訓練を実施している。

  • N700Sに搭載されたバッテリ自走システムを活用した訓練も行われる

今回の訓練は、地震によって静岡~掛川間の一部区間で停電が発生し、長時間運転を見合わせる場合を想定。このような状況において、列車が長時間にわたって駅間に停車することを避けるため、掛川駅付近を走行していた列車を掛川駅のホームと本線に収容する訓練を行う。実施日時は6月1日深夜。参加人数は駅員・運転士・車掌・パーサー・管理部門の社員など約100名とされている。

具体的には、掛川駅を過ぎて停電区間に停車した列車(N700S)について、バッテリ自走システムを活用して掛川駅まで引き返す訓練が行われる。バッテリ自走による推進運転訓練は初の実施だという。

訓練では、掛川駅(前方)寄りの運転台で故障が発生したと想定し、運転士は後方の運転室から列車を運転。その際、前方の運転室では車掌が運転士と連携を取り、列車を誘導する。あわせて3編成の列車を駅構内に停車(ホームに2編成、本線に1編成)させる特殊収容訓練も行われる。