近年注目を浴びているナチュラルクリーニング素材「セスキ炭酸ソーダ」は、油汚れやニオイ対策への効果が抜群です。しかし、同じような効果のある重曹との違いがいまいちわからない人もいるのではないでしょうか。この記事では、重曹との違いにも触れつつ、使い方も解説します。

  • セスキ炭酸ソーダってなに?

    セスキ炭酸ソーダを使って家中をピカピカにしましょう

セスキ炭酸ソーダってなに?

セスキ炭酸ソーダは、通常の洗剤に比べると環境や人体に優しい成分で作られており、「セスキ炭酸ナトリウム」と呼ばれるアイテムです。

洗浄力が非常に高く、長期保存もできるので万能性を認められ、最近注目を集めています。そのため、家の掃除はセスキ炭酸ソーダだけ使うという人も増えているようです。

重曹との違いは?

セスキ炭酸ソーダはアルカリ性ですが、重曹もアルカリ性なので違いがわからなくなるのも無理はありません。しかし、セスキ炭酸ソーダの方がアルカリ度が高く、重曹では落ちにくい汚れも簡単に落とすことができます。

とはいえ、洗浄力が高いということはそれだけリスクも高いということです。素材を痛める原因になったり、肌荒れを引き起こしてしまったりする場合があります。重曹では取れないほどの汚れに使うといったように、汚れの重症度に合わせて使い分けるのがおすすめです。

セスキスプレーの作り方

セスキ炭酸ソーダを掃除に使う場合は、セスキスプレーを作るのがおすすめです。水100mlに対し、セスキ炭酸ソーダを小さじ2分の1入れて、よく混ぜてください。空のスプレーボトルに入れれば完成です。

  • セスキ炭酸ソーダってなに?

    セスキスプレーを作るときには使う分だけを作りましょう

セスキスプレーは、使う分だけを作るのがポイントです。多く作ってもだんだんと劣化してしまいます。

掃除だけじゃない活用法

油汚れや皮脂汚れを落とすときに使えるセスキ炭酸ソーダですが、酸性のものが発するニオイを和らげる効果もあります。

ソファやクッションなどの皮脂汚れの染みついたもの、ゴミ箱の消臭などのニオイが気になるものに、セスキスプレーをシュッと吹きかけて乾燥させましょう。消臭スプレー代わりに使うのもおすすめです。

  • セスキ炭酸ソーダってなに?

    セスキスプレーは消臭剤としても優秀です

セスキ炭酸ソーダを使って油汚れを掃除

実際にセスキ炭酸ソーダを使って、油汚れを掃除してみましょう。洗剤や専用のシートを使ってもかなりこすらなくてはならないキッチン周辺の換気扇やコンロの壁など、油のべたべたした汚れを取り除くことができるのでしょうか。

セスキスプレーを雑巾にしみこませる

まずは上記の方法で作ったセスキスプレーを雑巾に染みこませます。量が少ないと効果を発揮できない可能性もあるので、十分に染みこませましょう。これからこの雑巾を使って油汚れが落とせるのか実証していきます。

換気扇をふいてみたら?

換気扇はコンロの真上にあるので、油が飛びやすく汚れが溜まりやすい場所です。ほこりもつきやすいため、掃除しようとするとべたべた感が強く、手間や時間がかかります。

  • セスキ炭酸ソーダを使って油汚れを掃除

    放置して油汚れまみれになった換気扇(画像クリックで元画像表示)

画像ではあまり汚れていないように見えますが、触ってみるとかなりべたべたしていて油汚れがついていることがわかります。隙間にはほこりも入り込んでいたので、掃除していないことがわかる換気扇です。

では、セスキスプレーを染みこませた雑巾で、換気扇を拭いてみましょう。

  • セスキ炭酸ソーダを使って油汚れを掃除

    雑巾でふき取ると汚れが溜まっていることが分かります(画像クリックで元画像表示)

換気扇本体の方は見た目に変わりはありませんでした。しかし、雑巾を見てみると汚れが取れていることがわかります。スプレーした雑巾でサッと拭いただけで、これだけの汚れが落ちたので、効果は抜群といえるでしょう。

コンロ付近の壁をふいてみたら?

続いて油が跳ねてべたべたしがちなコンロ付近の壁を掃除してみましょう。今までは専用のシートで拭いていたのですが、時間も力も必要なのであまり定期的には掃除していませんでした。

  • セスキ炭酸ソーダを使って油汚れを掃除

    壁にも油汚れが付着しています(画像クリックで元画像表示)

このようにぶつぶつと汚れがついていて、壁全体としてもべたついています。かなりこびりついているので、こすって落とそうとすると力が必要です。

  • セスキ炭酸ソーダを使って油汚れを掃除

    壁についた油汚れはなかなか落ちません

とても頑固な汚れだったので、雑巾で拭くだけではなく、セスキスプレーをかけてしばらく放置してみました。数分置いてから拭き取ってみると、べたべたした汚れが取れています。古くなってなかなか取れない汚れも、しばらく放置すると取れるので試してみてください。

コンロ周りをふいてみたら?

最後にコンロの周りを拭いてみましょう。油汚れがひどく、隙間にも汚れが入り込んでいます。

  • セスキ炭酸ソーダを使って油汚れを掃除

    汚れが溜まりやすいコンロ回り(画像クリックで元画像表示)

触ってみるとべたべたとします。セスキスプレーを染みこませた雑巾を使って、この汚れを取っていきます。

  • セスキ炭酸ソーダを使って油汚れを掃除

    セスキ炭酸ソーダで油汚れが綺麗に取れています

雑巾で何回か拭くと、銀色の部分は反射を取り戻し、隙間に入り込んだ汚れも取れました。かなりべたついていたのですが、思ったよりも早くきれいになり、やはりセスキ炭酸ソーダは油汚れに効果を発揮するアイテムだと実感できました。

セスキ炭酸ソーダを使って服の汚れを掃除

洗濯にも有効といわれているセスキ炭酸ソーダですが、実際に襟回りが汚れた服で効果を試してみましょう。皮脂によって出来た汚れなので、セスキ炭酸ソーダとの相性はいいようです。

浸け置き方法

今回は、お気に入りのTシャツで実験。先ほどのセスキスプレーを汚れた襟などに吹きかけていきます。

  • セスキ炭酸ソーダを使って服の汚れを掃除

    Tシャツは長く使っていると首回りが汚れてきます(画像クリックで元画像表示)

普通に着ていても汚れが外側に見えてしまうので、お気に入りですが着ていません。何度洗濯しても落ちなかった汚れは落ちるのでしょうか。

  • セスキ炭酸ソーダを使って服の汚れを掃除

    Tシャツにも襟回りの汚れにセスキ炭酸ソーダが使えます

スプレーをしっかり吹きかけて、汚れ全体にセスキ炭酸ソーダがいきわたる状態にしました。衣類にはかなり吹きかけないと全体が濡れなかったので、衣類に使うときにはセスキスプレーを多めに作るのがおすすめです。

このまま2時間ほど放置していきます。

服の汚れはとれる?

2時間後、服の汚れは完全に取れたわけではありませんでしたが、汚れは薄くなり初めと比べると黄ばみの範囲も狭くなっていました。

  • セスキ炭酸ソーダを使って服の汚れを掃除

    首周りの汚れが薄くなっています

セスキ炭酸ソーダ使ってどうしても汚れを取りたいときには、長時間浸け置きしたり、セスキスプレーの濃度を濃くしたりしてみてください。

セスキ炭酸ソーダを使うときの注意点

セスキ炭酸ソーダは洗浄力の高いアイテムなので、使うときには十分な注意が必要です。環境や人体に優しいといっても、食べたり飲んだりしていいわけではありません。正しい使い方を守って、安全に掃除をしましょう。

スプレーボトルの消費期限

セスキ炭酸ソーダでスプレーを作った場合は、その場で使い切ることを心がけましょう。長期間保存していると劣化してしまい、掃除しているはずなのに菌や汚れを増やしてしまうことになります。使い切れる量がわからない場合には、少しずつ作るのがおすすめです。

肌が弱い人は注意

セスキ炭酸ソーダはアルカリ性の物質なので、皮脂汚れや油汚れに効果的です。しかし、それはたんぱく質を溶かす働きを持っていることを意味しており、手についた場合はたんぱく質が溶け出してぬるぬるします。手荒れを引き起こす可能性もあるので、ゴム手袋を使って掃除するようにしてください。

肌の弱い人は特に注意して使用するようにしましょう。もし、手のぬるつきが取れない場合には、酸性のもので中和してみてください。

ペットや子供が舐めないように

セスキ炭酸ソーダは環境や人体に優しいものですが、ペットや子供が舐めないように気をつけましょう。なるべく手の届かない場所に置き、使ったらすぐに片付けることを心がけてください。

少量であれば胃酸と混ざって中和されても、大量に飲んでしまうと嘔吐や下痢といった症状を引き起こす場合もあります。体調が悪くなったり、異変を感じたりした場合には、医療機関に行って診断を受けてください。

  • セスキ炭酸ソーダを使うときの注意点

    セスキ炭酸ソーダを使うときの注意点

セスキ炭酸ソーダは油汚れやニオイに効果あり

セスキ炭酸ソーダはドラッグストアなどで簡単に手に入る万能な掃除アイテムです。基本的に環境や人体に優しいものなので、毎日の掃除に使っても問題ありません。

油汚れや皮脂汚れと相性がよく、重曹よりも高い効果が期待できます。掃除の際に適切に活用し、快適なライフスタイルを送りましょう。