2019年9月から1年間放送された特撮テレビドラマ『仮面ライダーゼロワン』(2019年)のスピンオフ作品として製作された東映Vシネクスト『ゼロワンOthers 仮面ライダー滅亡迅雷』(監督:筧昌也)が、期間限定上映されている(Blu-ray&DVDソフトは東映ビデオから7月14日発売)。

  • 中川大輔(なかがわ・だいすけ)。1998年生まれ。東京都出身。2016年に行われた「第31回メンズノンノモデル公開オーディション」でグランプリを獲得し、雑誌「MEN'S NON-NO」専属モデルとしてデビュー。『仮面ライダーゼロワン』(2019年)の迅役で人気を博した後、『極主夫道』(2020年)、『監察医 朝顔 新春SP』(2021年)、『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』(2021年)など話題のテレビドラマで活躍を続ける。撮影:大門徹

当初、主人公である仮面ライダーゼロワン/飛電或人(演:高橋文哉)の"敵"として立ちふさがり、人類滅亡を目論むテロリストとして登場した「滅亡迅雷.net」のひとり・迅(ジン)だったが、徐々にストーリーの中で立ち位置が変化。人間の"悪意"を取り込んだ衛星アークの支配から逃れ、自分と同じヒューマギア(人工知能AI搭載人型 ロボット)の安息を守るため、時にゼロワンと共闘する姿勢をも見せた。今回のスピンオフ作品では滅亡迅雷.netの4人がメインとなり、彼らが人類に対してどのような存在であるのかが改めて掘り下げられている。

スピンオフ作品の上映&ソフト発売を記念し、マイナビニュースでは滅亡迅雷.netの愛すべき4人それぞれに単独インタビューを敢行。今回は、滅亡迅雷.netメンバーの中でもっとも純粋な精神を備え、ヒューマギアを脅かすあらゆる存在に立ち向かう迅役・中川大輔が登場。撮影の日々を通じて絆が深まった滅亡迅雷.netの仲間たちのこと、スピンオフ作品の注目ポイントを聞いた。

――まずは、滅亡迅雷.netがメインとなった作品が作られたことについての感想を聞かせてください。

このスピンオフ作品があったおかげで、滅亡迅雷.netの4人の"絆"が前以上に深まった印象です。2、3週間にわたって、ほぼ毎日4人一緒に撮影所に集まり、撮影現場に行き、戻ってきて、その途中でも一緒にご飯を食べて……という生活を送ったことで、みんなの団結力が高まっていきました。

――今回のストーリーについてはどう思われました?

徹底的にハードで、笑いの部分がありませんでしたね。もともと滅亡迅雷.netは『ゼロワン』では敵のポジションでしたし、今回のお話はまさにヒール側に立った内容だと思いました。迅は『ゼロワン』テレビシリーズでもずっとシリアスな面を担当していましたから、今回のような緊張感のある空気は慣れていました。

今回、迅はドラマの中核を担う存在。台本を読んで迅の気持ちを追いかけていくと、彼は本当にヒューマギア全体のことをすごく考えているんだなと思いました。とても心が広くて、この世に生まれたすべてのヒューマギアが楽しく生きられる社会になればいいと願っている。ものすごい純粋さを感じました。人間に置き換えてみれば"世界中のすべての子どもたちを幸せにしたい"と願い、それを実行に移そうとしているわけで、とても清らかな心を持った聖人のイメージで演じたいと思いました。

――筧監督は『ゼロワン』テレビシリーズでは脚本を手がけられました。今回のスピンオフ作品では、筧監督からどのようなお話があったでしょうか。

衣装合わせの段階で滅亡迅雷.netの4人が集まって、筧監督やプロデューサーさんたちとお話する機会がありました。そのとき「君たちが主人公。どんな作品になるかは君たちの頑張りにかかっています」と言われたのを覚えています。台本をどのように解釈するかは、すべて僕たちに任されていました。テレビシリーズで1年間同じ役を演じ続けてきた僕たちのことを信頼してくれているんだな、という思いが伝わってきましたね。

――本作の迅は、テレビシリーズや映画『REAL×TIME』と違った面がありますか。

テレビシリーズでの迅は最初、小さな子どものように無邪気な面がありました。一度倒されて復元してからは衣装もスーツになり"大人になった迅"を意識しました。今回のスピンオフでは大人の迅と同じ格好をしていますけど、心はより純粋さを増し、いっそうストレートな感情を出している印象があります。

――テレビシリーズを終えて本作の撮影に入るまで、別のお仕事をされていたと思います。迅をふたたび演じるにあたり、どのように気持ちを切り替えましたか。

スピンオフ撮影中もテレビドラマ『極主夫道』が同時に進んでいたりしましたが、仮面ライダーの現場に入ると、無意識のうちに迅にスイッチが切り替わるものなんです。迅の衣装を着て、イヤーカフをつけると、すぐに気持ちが迅に戻っていきました。

――中川さんの性格に、迅と同じ要素はあると思いますか。

自分の中にも子どもっぽい部分がありますし、純粋で不器用に見えるところは、迅と共通しているかもしれません。