コロナ禍を契機に、自宅学習に注目が集まっている。1年も昔の話ではあるが、一時は全国的な休校措置などもとられ、子どもたちは自宅での学習を余儀なくされた。今も休校にこそなってはいないが、多くの制限があることに変わりはなく、依然として教育への支障が出ているようだ。
そこで今回は、自宅学習をサポートをしてくれる、今話題の教育ガジェットを厳選してお届け。楽しみながら勉強することで、子どもの教育意欲もアップすること間違いなし。この機会に、勉強することの楽しさに気付いてもらおう。
子どものやる気を"見える化"する「しゅくだいやる気ペン」
コクヨが発売したIoT文具「しゅくだいやる気ペン」は、発売から約1年間で1万台以上の売上を記録した、この手のガジェットとしては異例のヒット商品である。コクヨの調査によると、78%の親子が「子どもが自ら机に向かうようになった」などと効果を実感しているという。
「しゅくだいやる気ペン」は、スマホアプリと連動して子どものやる気を"見える化"することで、学習意欲を高めていくガジェットだ。使い方自体はとても簡単で、センサー付きのアタッチメントを鉛筆に取り付けるだけ。
アタッチメントが鉛筆を持った手の動きを検知し、子どもの勉強に取り組む姿勢を解析。測定データは「やる気パワー」として記録され、やる気パワーが蓄積されると機器のLEDの色が10段階に変化する仕組みとなっている。
やる気ペンをスマホアプリにかざせば、やる気パワーに応じて「やる気の木」が成長し、りんごの実が育っていく。「やる気の庭」と称したすごろく形式のステージに進めば、やる気パワーに応じてさまざまなアイテム収集などを楽しむことができる。
子どものやる気が"見える化"されるから、親は子どもを褒めたくなるし、子どはもっと勉強したくなる。そんな好循環が評判を呼び、特にコロナ禍以降はユーザー数が増加。こんなに楽しく勉強ができるなら、一度試してみない手はない。
ロボットと一緒に英会話を楽しむ「チャーピーの小さなおうち」
「英語のリスニングが苦手」というのは、英語を勉強する日本人の永遠の課題である。
CAIメディアが新たに発売した「チャーピーの小さなおうち」は、英会話の初心者向けに開発された英会話ロボット。音声認識でユーザーの言葉を理解し、対話することができる。英会話ロボット「チャーピー」はもともと好評を博していたが、需要が伸びるにつれ、「日本語の補助がほしい」「電源を入れるだけで簡単に使いたい」といった要望も増え、より手軽に使える「チャーピーの小さなおうち」の開発・発売に至った。
勉強方法は大きく分けて4ステップ。【1】聞き流す(無意識で英語を聞き慣れさせる)、【2】答える(チャーピーと英語でおしゃべりを始める)、【3】聞き取る(チャーピーの言っていることを注意深く聞く)、【4】会話する(チャーピーとの会話に慣れてきたら、チャーピーの問いかけに反射的に答えられるように練習する)。
可愛らしい見た目もあって、子どもウケも抜群。勉強をするというより、新しい家族と楽しくコミュニケーションをとっているうちに英会話の基礎力が身につくといったイメージである。自宅時間も増えた今、新たな家族を迎え、ナチュラルに英会話できる環境を整えてみよう。
時代に合ったプログラミング教育を「風力発電測定キット」
小・中学校の教育カリキュラムに新しく導入された「プログラミング教育」。やはりこれからの時代、プログラミング的思考の学習は避けて通れない。
アーテックはこのたび、日本マイクロソフトと連携し、「Microsoft Hacking STEM」のカリキュラムに対応したプログラミング教育キットの開発を決定。その第1弾が、まもなく販売開始となる「風力発電測定キット」だ。
「Hacking STEM」とは、衛星写真を元に地球の環境変動を予測したり、振動のリアルタイムデータから地震のメカニズムを学んだり、自然科学をテーマにデータを活用した学びを実践したりする、マイクロソフトが世界中で展開する「STEM教育」のカリキュラムのこと。STEMとは、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)の総称で、STEM教育はこの4つの学問の教育に注力した「21世紀型の教育システム」とされている。
風力発電測定キットは、風車に取り付けた発電機のデータを電気信号に変換し、風車の動きと発電量の関係をリアルタイムで測定できる実験キットだ。風車に使用するのはアーテックオリジナルのブロックで、簡単に組み立てられ、何度も繰り返し使用できる。
まずは風車を手作りし、その形や材料を工夫しながら変えていくことで、発電できるエネルギーを比較したり、場所による風の強さを比べたりすることが可能。宮城教育大学附属中学校教諭の西川洋平氏が作成した学習指導案が「風力発電測定キット」の指導案として公開される予定なので、そちらも参考にしよう。
社会の勉強はこれが一番? 「るるぶ 線路でつながる! 都道府県カードゲーム」
「子どもの頃に『桃太郎電鉄』をプレイしていた人は、総じて地理に詳しい」――これは、桃鉄を楽しんでこなかった身として、常々感じてきたことである。
学校では県庁所在地なども丸暗記させられるし、実際にそういう知識こそ大人になってから役立つ。JTBパブリッシングの「るるぶ 線路でつながる! 都道府県カードゲーム」は、まさにゲームをしながら全国の地理が学習できる知育玩具だ。
これひとつで「線路でつながる!都道府県カードゲーム」「日本一周のりものノリノリ・ツアー! すごろく」「都道府県ものしりポーカー」「順位で勝ち抜けゲーム」など、計6種類もの遊び方ができるので、簡単に飽きることもない。
例えば「線路でつながる! 都道府県カードゲーム」は、鉄道路線に沿って「都道府県カード」を置いていくゲームで、カードには人口(順位入り)、面積(順位入り)、県庁所在地、名産品、名所や名物のイラストなどといった地理に関する情報が盛りだくさん。
「日本一周のりものノリノリ・ツアー! すごろく」は、乗り物に乗ったり、アルバイトをしながら、日本全国を巡っていくすごろくタイプのゲームである。マス目の指示や、ボード上のイラストで都道府県の名所や名産、名物について学ぶことができる。
いずれのゲームも、遊びとして楽しみながら、都道府県の地理や鉄道、特産品などの知識を身につけることができるので、子どもと過ごす休日にもうってつけ。大人もつい熱中しすぎてしまうと話題だ。
どうせ勉強するなら、親子とも有意義に楽しみたい。こんなユニークな教育ガジェットを上手に使いこなしながら、遊ぶようにして知識を吸収していこう。