フジテレビ時代に『ニュースJAPAN』キャスターなど数々の報道番組を担当し、フリー転身後はMC業のほかバラエティにも果敢に挑んでいる大島由香里(37)。昨年8月に『週刊現代』で本格的なグラビアに初挑戦し、今年2月22日に発売した1st写真集『モノローグ』(講談社)は早くも重版が決まるなど話題を呼んでいる。
結婚、出産を経てフジテレビを退社し、現在はシングルマザーとして生きる日々。今回の写真集オファーを、彼女はどのように受けとめたのか。そして、タイトルの「モノローグ」に込めた思いとは。
――表紙に選ぶ写真をかなり悩んだそうですね。
表紙は買う方、買わない方が全員が目にするものなので、「これでいいんだろうか」と悩みに悩んでしまって(笑)。最終候補の2枚まで絞って周りの関係者では男性と女性で意見が分かれたんです。「素の自分」が一番出せている自然な写真の方が男女問わず印象が良いのかなと思って、こちらを選びました。
それから、アナウンサーは感情を抑える仕事でもあるのですが、今回表紙に選んだ写真は見る人の立場や状況、その時の感情によって印象が変化しそうな表情だったのも選んだポイントです。あとは、スマホのサイズで見たときにどちらの見栄えがいいかなとか。
――そんなに細かいところまで!
一生残る本ですから(笑)。しかも、丸々1冊が自分というなかなか作ってもらえない内容です。
――昨年、週刊誌の撮り下ろしで本格的なグラビアに初挑戦。その後、写真集のオファーがあったそうですね。
やっぱり、ちょっと悩みましたね。でも、結局は自分で決めることなので、あまり周りには相談しなかったです。批判する人はきっと何をやっても批判すると思うので、「じゃあ何のためにやるのか」と考えた時に「自分のために残そう」と思って。
あとは、『バラいろダンディ』で共演しているくらたま(倉田真由美)さんが「若いうちに撮ってもらえばよかった」とおっしゃっていて、くらたまさんだけじゃなく私の周りでは同じような思いを抱いている女性が多くて。「あの時、撮ってもらってよかったな」と思える自分が想像できたのでお受けすることにしました。何よりも、お仕事としてきれいに撮って頂けて、それが一生残る上に売って頂けるなんて夢のような話で(笑)。
――タイトルの『モノローグ』には、どのような思いが込められているんですか?
「一人の女性として生きていく」というニュアンスの言葉がいいなと思って、「ひとりごと」が自分の中でしっくりきたんですけど、字面や響きが私の中の世界観とギャップがあるなと感じて、「ひとりごと」よりも奥深いような「独白」を意味する「モノローグ」にしました。
フジテレビアナウンサーという肩書からフリーになって、私生活面でもステージが変わりました。“大島由香里”という一人の女性としての強い意志、そして次のステージへの節目として見てもらえればいいなと思って撮影して頂きました。
――表紙には「1st」とあるので、気が早いですが次回作も期待してしまいます。
やっぱりそこ、引っ掛かりますよね(笑)。どういう反応があるのか怖い部分もあるんですけど、自分は満足しても周りにはいろいろな意見があるということを再確認するための写真集でもあると思います。自分ができる限りのことを凝縮したつもりなので、「次」を考えてもちろん作ってないです(笑)。人生に1度しかない「1st写真集」。壮大な前フリとかでは決してありません(笑)。
あと最近改めて気づいたんですけど、ニュースもバラエティも、映画やドラマ、本と違って、生産と消費をされるものであまりコンテンツとして残らない。今回、写真集のオファーを頂いた時に、真っ先に思ったのが「私がこの世からいなくなってもこの本は残る」。ずっと残り続けるものを作ることができて、「今までと違う仕事」という実感があります。
――昨年は『週刊現代』での本格的なグラビア初挑戦。そして、1st写真集『モノローグ』(講談社)の発売。「今しかできないこと」や「今だからこそ記録すべきこと」への思いが強くなったのは、最近ですか?
完全にそうですね。もともと、私は「どうぞどうぞ。私はいいので」と譲ってしまう性格で、小さい時からアナウンサー時代も、「私がやりたい!」とグイグイ行くタイプではありませんでした。譲り続けてきた人生。あまりそういうイメージは持たれてないと思うんですけど(笑)、これから娘を育てていくためにはこのままじゃダメだなと。
「大島由香里」という自分を強く打ち出して、幅広くお仕事をさせてもらいたい。「もっと頑張っていきたい」と心に強く思う中で、この写真集という仕事は大きなきっかけになると感じました。
■プロフィール
大島由香里
1984年1月24日生まれ。神奈川県出身。成城大学卒業後、2007年4月にフジテレビに入社。『FNNスーパーニュース』、『ニュースJAPAN』、『あしたのニュース』、『新報道2001』などを担当。2018月からはフリーアナウンサーとして活動し、『バラいろダンディ』(TOKKYO MX)でアシスタントを務めている。2021年2月に1st写真集『モノローグ』(講談社)を発売、YouTube公式チャンネル『大島由香里に乾杯 !』を開設した。