企画職やマーケティング職の方なら、「カラーバス効果」という言葉を耳にしたことがあるかもしれませんが、この言葉の意味と活用方法をしっかりと理解している方は少ないのではないでしょうか。

カラーバス効果について理解できていれば、必要な情報を集めやすくなります。この記事では、カラーバス効果とはどのようなものなのか、活用方法や類似表現について解説します。カラーバス効果について理解を深め、ビジネスに活かしましょう。

  • 英字新聞を持っている人

    カラーバス効果について知りましょう

カラーバス効果の概要

カラーバス効果とは、特定のことを意識し始めると、日常の中でその特定のことに関する情報が自然と目に留まるようになる現象のことです。

そのため、仕事で抱える問題や課題を普段から意識しておくことで、その問題や課題に関する情報がよく目に入るようになり、原因の把握や解決方法の発見などに繋がることがあります。

カラーバス効果の仕組み

人間は、視覚や聴覚などの五感から得られる情報を、無意識のうちに自分に必要のあるものかどうかを取捨選択しています。

仕事での問題や課題などのように、特定の物事を自分にとって必要性の高い情報として意識しておくことで、普段であれば見逃したり、聞き逃したりしている情報もキャッチすることが可能になるのです。

カラーバス効果が発見された経緯

カラーバス効果は、もともとアイデアを発想するための手法として紹介されたと言われています。

そのため、カラーバスは心理学者がその心理効果を発見して、発表されて世に出たものではありません。しかし、今では心理学用語の一種のように扱われることが多いのが現状です。

  • 紙を見て何かの話をしている人たち

    カラーバス効果の概要を理解しましょう

カラーバス効果のビジネスでの活用方法

カラーバス効果をうまく活用すれば、自分にとって必要性の高い情報を集めることが可能です。そのため、ビジネスやマーケティングの場でカラーバス効果を活用すれば、高い成果を得られるでしょう。

カラーバス効果をビジネスやマーケティングで活用するためにも、どのような場面で、どう活用できるのか解説していきます。

情報に基づいた判断の比較材料に

ビジネスシーンでは、重要な決断をしなければいけないこともありますが、自分が望む選択肢に考えが偏ってしまって、正しい判断ができなくなることもあるでしょう。

そのような場合に、自分が望む選択肢以外の情報を集めることを意識すれば、カラーバス効果によって決断に必要な判断材料を正しいバランスで集めることが可能です。

新たなアイデアの発想法として

仕事で新しいアイデアを求められても、新しいアイデアはすぐに思い浮かぶものではありません。とはいえ、そのような場面に備えて、新しいアイデアに繋がるような情報を集めることに日頃から意識しておけば、カラーバス効果によって新しいアイデアを発想するヒントを見つけられることがあります。

カラーバス効果はもともとアイデアの発想法として紹介されたので、これはカラーバス効果の定番の活用方法でしょう。

広告をより効果的に発信したいとき

カラーバス効果は自分に対して効果を発揮するだけでなく、他人に対してもその効果を与えることが可能です。

例えば、広告で特定の色を意識するようなキャッチコピーやデザインを載せておくと、その広告を見た消費者はその色を生活の中で意識するようになります。

広告によって特定の色に意識を持たせることができれば、その色の商品をその消費者の前に出すことで、無意識のうちに自分にとって必要性のある情報として目に入りやすくなります。そのため、広告と商品やサービスをカラーバス効果でうまく結びつければ、その広告効果をより高められるのです。

ユーザーを惹き付けるための施策

カラーバス効果が起こっていれば、意識している特定の情報をキャッチしやすくなります。そのため、ユーザーが意識している特定のことを把握できれば、その情報を発信することで、ユーザーの興味を惹きつけることが可能です。

もし、多くのユーザーが共通して意識していることに対して、その情報を発信できれば、高いマーケティング効果が期待できます。

  • 壁面のボードに貼られた紙に何かを書いている人

    カラーバス効果の活用方法を学びましょう

カラーバス効果の類似表現

カラーバス効果と似たような意味を持つ言葉はいくつかありますが、少しニュアンスや意味が異なる点もあります。シーンに合わせて正しく使えるように、どのような類似表現があり、どういった意味を持っているのか把握しておきましょう。

頻度錯誤

「頻度錯誤」とは、特定のことを気にするようになると、急にその特定のことと接することが多くなったように感じてしまうことです。

例えば、朝の占いでラッキーカラーが黄色と言われると、実際は普段と比べて見かける回数に差はなくても、その日は黄色の物を見かけることが多くなったような気がすることも頻度錯誤によるものといえます。

バーダー・マインホフ現象

頻度錯誤は「バーダー・マインホフ現象」と呼ばれることもあります。そのため、これらの言葉の意味に大きな違いはありません。

頻度錯誤、バーダー・マインホフ現象が起こると、急に意識している特定のことと接することが多くなったように感じてしまうのは、意識することによって、特定のことに関する情報の必要性が高まり、認知できる機会が増えるためです。

カクテルパーティ効果

騒がしい音が飛び交う中、自分の名前を呼ぶ声はハッキリと聞こえることがあるでしょう。これは脳が自分に必要な情報を判別しているためで、これを「カクテルパーティ効果」と言います。

必要な情報を取捨選択することからカラーバス効果と混同されることもありますが、カクテルパーティ効果は聴覚による音声情報の取捨選択のみを指す言葉です。

  • キーボードとペン立て

    カラーバス効果の類似表現を知りましょう

カラーバス効果をマーケティングに活用しよう

カラーバス効果の概要や、活用方法、類似表現について解説しました。カラーバス効果を理解すれば、必要な情報を集めやすくなり、広告に活用すれば、高い成果を得られることもあります。カラーバス効果について理解を深め、ビジネスに活かしていきましょう。