俳優の今井翼が9日、都内で行われた主演ミュージカル『ゴヤ-GOYA-』製作発表記者会見に出席した。

今井翼

同作は、スペイン最大の画家と謳われるフランシスコ・デ・ゴヤの波乱万丈な生き様や、混沌とした社会の中でいかにして芸術家となっていったのかを描くオリジナルミュージカル。聴力を失いながらも後世に残る絵を描き残したゴヤを今井が演じる。

今井は、2018年9月に療養のため無期限の活動休止を発表し、2020年2月にシスティーナ歌舞伎『NOBUNAGA』で約2年ぶりに舞台復帰。本作で復帰後初のミュージカル主演を果たす。「日本の次に愛するスペインを舞台に、世界を代表するゴヤを演じられることを本当にありがたく思っています。僕自身も病を経験し、おかげさまで今を迎えられる喜びを感じていますが、紆余曲折したゴヤの人生を丁寧かつ大胆に、また熱くエネルギッシュに演じていきたい」と喜びと意気込みを語った。

出演が決定したときの心境を聞かれると、「すごくうれしかったです。僕自身これまでスペインとさまざまなご縁をいただいておりまして、そのフラメンコがつないでくれた新たなる出会いを大事にしていきたいと思いました」と答え、「昨年復帰し、こういった大役をいただきましたので、本当に感謝をして、今このような時代を迎える中で舞台に立てる喜びをかみしめてしっかりとやっていきたい」とコメント。同ミュージカルでは芝居から派生したフラメンコを踊るが、「これまでスペインで経験したことを振り返りながら匂いや空気感をしっかり表現していきたい」と力を込めた。

同ミュージカルは4月8日~29日に東京・日生劇場、5月7日~9日に愛知・御園座にて上演。日生劇場は、フラメンコを初披露した舞台『World'S Wing 翼 Premium2007』をはじめ、さまざまな作品を上演してきた今井にとってゆかりのある劇場だ。

今井は、歌舞伎公演や山田洋次監督作品でのフラメンコ披露も振り返って、「フラメンコがつないでくれた縁がとてもある」としみじみ。「僕にとって思い入れのある日生劇場、そして初めて立つ御園座で、来てくださったお客様一人ひとりに、ゴヤが病と向き合い上り詰めていったエネルギーを感じていただきたい」と語った。

会見には、小西遼生、清水くるみ、G2(原案・脚本・作詞)、鈴木裕美(演出)、清塚信也(作曲・音楽監督)、安孫子正(松竹代表取締役副社長/演劇本部長)も出席した。